状況的学習曼陀羅
Situated Learning Mandala
【絵解き】
学習者の観点からみれば、学習者はいつも特定の状況下におかれ、特定の状況下のなかで生 きている(学習者の実存主義的観点という前提)。
学習者にとって、関心があるのは学習に関する3つの側面である、記憶、学習、理解という ことである。学習者は、このことについて、合理的な説明を求めている。
学習者の主知的観点からみれば、自分の記憶、学習そして理解は、何らかの文脈に根ざして いることは、うすうす感じていることである。
知識や技能は、教えてもらわねばわからない。しかし、学習者は、先生から自分で学習する ことを教えてもらう。先生もまた、学習者が先生に教えてもらうことだけ(→古典的学習) では、勉強[をさせる]の効率が悪いので、図書館に行って資料を調べたり、調べたことを基礎に、学習者に「自分で考えてもらう」ことを望んでいる。
他方、学習者は、先生の導きにより、自分で勉強することを覚え、その喜びに浸ることがで きる。
しかし、学習者は、自分の理解がどこから来て、どのようにものが学ばれるのか、特に「技 能の習得」鉛筆の削り方から、授業の聴き方、そしてノートの取り方、図書館での資料収集のやり方、ゼミでの「気の利いた」意見表明のやり方は、単に先生に 教えてもらっただけではなく、友達に教えてもらったり、逆に教えることを通して、勉強の技法について自己反省的になり、勉強の自己改善の方法に気がついた り(いわゆる「アハ体験」である)する。つまり、学習者は、自分がおこなっている学習、理解、そして記憶が、なんらかの身体的修練の結果であることに気づ く。
また、勉強が効率が上がるだけでなく、余計な知識がついたり、脇道にそれたりすることの 面白さのなかに、学習が複雑な知的過程の中にあるものであることに気づくはずである。
このような意識に到達すれば、状況学 習論を理解するための足がかりはもうすでにできていると考えることができる。
つまり、冒頭のあいまいな惚けた図像が下記のようにクリアに見えてくるはずヂャ!