現代医療は本当にパラダイムシフトしているのか?
臨床COM入門ノート
臨床医の田中和豊(「医学教育(5)」連載「臨床医学の航海術」『医学界新聞』2719号7頁、2007年2月12日)において、現代医療 のパラダイムシフトならびに、それにともなう意識改革や教育の問題点を次のようにあげている。
現代医学の(田中が主張するところの)パラダイムシフトの諸相
・基礎医学から臨床医学へ
・疾患志向(ママ)から問題解決型へ
・専門医から総合医へ
・単純系(ママ)から複雑系へ
・確実性から不確実性へ
・各国主義(ママ)からグローバリゼーション(原文は英語のつづり)へ
・画一化からテーラー・メイド(原文は英語のつづり)へ
・医師中心から患者中心へ
・教育者中心から学習者中心へ
求められる意識改革
・プロ[フェッショナルの]精神をもつ
・フィールドワーク[ママ]をおこなう
・真理の追究目的から患者の幸福目的へ
・知識を知恵にする
医学教育の問題点
・基礎学力の低下
・ギャップの存在
・教育・学習方法[ママ:何を問題にしているかは不明]
・評価方法[ママ:何を問題にしているかは不明]
・人間関係[ママ:何を問題にしているかは不明]
私は田中の所論に組みするものではないが、臨床の現場で研修医の教育をめぐるさまざまな「問題」と称されるものには、当事者の間に、ざっと 上に掲げたものに相当するものがあるに違いなく、また現場でもそのように話されているようだ。
我々は、これらの主張のひとつひとつを検証し、なにが「神話」(ロラン・バルト言う意味で)でなにが、そうではないのかを子細に検討しなけ ればならない。
● 医療コミュニケーショ ン講座入門