現場力とコミュニケーション
《第10回》
バーンアウトについての検討
講義目的
現場に深くかかわるリスクとしてつとに指摘されているのがバーンアウト(燃え尽き)である。バーンアウトになることを卑しむべき否定的状況とみるのではなく、現場に深くかかわることの重みと、なんらかの社会的兆候として理解することの重要性について考えます。
講義内容
Burnout は、英語で「燃え尽き」といわれる。ひとつのことに熱中し、高いストレス付加がかかる専門職などが、そのストレスから解放されると、目標を失い意欲を消失してしまう心理的状況を表現したものです。(WHO, ICD, Z73.0)
バーンアウトは、あきらかに現場に深くかかわる状況のなかで生じうるものです。しかし、バーンアウトは個人差がありますし、また、個々人の人生のなかで起こりやすい状況が重なったり、固有のケースによってどのような人でも引き起こす場合もあります。
バーンアウトと現場の関係、さらには、現場力がどのようにバーンアウトと関わるかの検討は重要に思われます。特に、後者の場合、現場がバーンアウトを防ぐ場になると同じくらい、バーンアウトを生む原動力になりかねないからです。個人が、現場にかかわる「強度」を量的な尺度のみならず、質的にも考えることが重要です。
文献
日本語のものは不正確ですが、Wikipedia (英語版)のBurnout は十分に使えるだけの情報提供をしています(2007年2月19日付の判断)。ここから関連文献に当たるのがいいでしょう。
注意:このページは西川勝先生がお話された講義をもとに、池田光穂がその内容をまとめたものです。
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