紛争におけるコミュニケーション(2)
中西 淑美
2007年5月27日(火)
1. 個々の多様性を認めることの難しさ〜コンフリクトの生成〜
個々の多様性の認識の重要性
そのことをわかっているのに,何故できないのか,それを考えてみましょう.
→ 個々の多様性を認めることはあくまで出発点にすぎない
→ コミュニケーションを主観でとらえるのか、他者の視点を組み込むのか
→ 思い込みもコミュニケーションの要素なのか
→ 他者の存在をどう考えるのか
→ しっかり意思疎通を図りたいときとは,どんな人が関わっているときで,どんな状況なんだろうか
→ 自分の意見を述べたあと、相手がしっかり理解しているか確認したいときって,どんな人が関わっていて,どんな状況なんだろうか
2. 前回の復習
「コンフリクトとは何か?」・「コンフリクトの3要素」・「コンフリクトの態度の3成分→態度=感情成分+行動傾向成分+認知成分」・「コンフリクトへのアプローチ:建設的な解決と破壊的な解決」・「紛争スタイル・チャートとコンフリクトへの対応」・「コンフリクトのプロセスと帰結」・「和解を避ける現代人」・「無駄なエネルギーと考える:自分と向き合うことからの逃避か?」・「紛争を考え直す〜ストーリーとして聴く」・「異文化理解への態度」・「具体的なコンフリクトを創造的に転換するアプローチ」・「win-win:紛争解決学用語」・「紛争の認知と行動選択のバイアス」・「現実と事実と真実」・「紛争解決に向けて〜両当事者とメディエータの三角形」
3. ワーク
「オレンジケースの分析」姉と妹がひとつのオレンジを取り合っています。どのように解決したらよいでしょうか?
4. ワーク
自己の経験にもとづく具体的他者とのコンフリクトを振り返って,コンフリクトとその対応について考えてみよう.
5. 紛争解決学の立場
それぞれの「利害・関心needs(interests)」・「選択肢」・「利害・関心の3つの種類と状況における三相」・「合意」
*社会現象も含めたこの世界の”現実“
「あること」(be)(現実主義)⇒利益やpowerや効果に照準,「ありつつあること」(becoming)「あるべきこと」(ought to be)(規範主義)⇒権利や意識や適法
*人間の行動に関しての“現実”
「すること」(do),「しつつあること」(doing),「すべきこと」(ought to do)
Winwin=さまざまな選択肢を,なるべく多く増やすこと
*参考文献は前回の項,参照.
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