はじめによんでください

ことばのあいまいさを悪用する

Verbal ambiguity

池田光穂

☆ ことばには、多義性がある。それが言語活動を豊かにしているわけだが、議論においては意味を取りかねることがある

「あいつは穀潰しだ」
・単なる無能か、プロジェクトにとって役立たずか、気に食わない奴なのか、ことばだけではわからない

「汝の隣人の妻を欲してはならない」
・つよい欲望がなければ不倫してもいいのか?(曲解)
・隣人はだめだが、遠くにいる他人の妻ならいいのか?(都合のよい解釈)
・妻はいけないのなら、他人の夫なら関係をもってもいいわよね?(古い言い方なのでジェンダーに不均衡があるがこれも曲解)

「彼女はいい子だ」——いい子の定義があいまい
「日本は豊かだ」——なんの豊かさなのかが不明
「あの裁判官は有能だ」——リベラル派あるいは厳格、あるいは法の杓子定規の解釈で、イメージが真逆になることもある
「彼は成績がわるい」——ある特定の科目か、平均点か、進学校なのか普通の学校なのか?

リ ンク

文 献

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