医療人類学
Mitzub'xi's Introduction to Medical Anthropology
近大姫路大学看護学部2009年度授業(教養)「文化人類学」(担当:池田光穂・倉田誠)
授業概要
看護学では医療人類学(=健康に関する社会現象の文化人類学的研究)という学問への期待が、医師養成の教育課程よりも高く、人気のある科目の ひとつになっています。その理由は明らかで、ケアの実践学としての看護学は、患者とその家族という生活領域により深く接近したいという職業上かつ学問上の 要請があり、それが医療人類学の目的と合致するからです。その中でも高度に生物医学化した領域の専門分科看護学よりも基礎看護学や開発途上国を対象にする 国際看護学や国際保健学と親和性をもつと言われています。世界的にみても公衆衛生学専門大学院では、医療人類学は国際開発学とならんで必修科目のひとつに なっています。
この授業は、具体的な課題について、グループ単位で討論し、まとめ、発表し、全体からのコメントによりフィードバックする授業形態をとり ます。グループ学習になじめ人は遠慮してくださいと言いたいところですが、私たちの社会は多かれ少なかれ、多くの人と接触し、対話し、課題を切り開いてゆ く必要があるため、よき看護者をめざすすべての学生に開かれています。より多くの学生が参加するために、授業をたのしく、そしてためになるように、皆さん ひとり一人の協力が必要ですので、主体的でかつ積極的な取り組みを期待します。
教科書
池田光穂・奥野克巳編『医療人類学のレッスン』学陽書房、2006年(ISBN9784313340169)[→リンク]
池田光穂・倉田誠「ワークショップ資料集」2008[要パスワード→kinhime2009.pdf] (約1.2MB)
※パスワードによる解除の方法は授業中に示しました。忘れた人は次回授業中に問い合わせください。
参考書
池田光穂『実践の医療人類学一中央アメリカ・ヘルスケアシステムにおける医療の地政学的展開』世界思想社、2001年。下記のウェブページ も参照してください(医療人類学プロジェクト)http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/medanth.html
成績評価
開講日指定(週末)の集中講義です。時限の区切りとは無関係に、講義とグループ討論と全体討論を(適宜休憩をとりつつ)おこないます。その ため成績評価は出席を重視します。出席率8割以上の受講者にのみ最終試験の受験資格があります。
スケジュール:更新しました!(2009年6月5日)
日にち | 時限 | 内容 |
2009年4月25日(土) | 2限・3限・4限 | ワーク【1】【2】【4】:
自習課題として【3】 |
2009年4月9日(土) | 2限・3限・4限 | ワーク【5】【6】:
宿題に【7】(→6/6提出) |
2009年6月6日(土) | 2限・3限・4限 | ワーク【8】【9】:
宿題に認知症に関する医学・福祉・看護の情報を調べる |
2009年6月13日(土) | 2限・3限・4限 | ワーク【9】(つづき)【10】:
宿題としてメタボリックシンドロームに関する医学・福祉・看護の情報を調べる |
2009年6月20日(土) | 2限・3限・4限 | ワーク【11】【12】 |
教員からのメッセージ
開学時から開講されている由緒ありかつ人気のある(?)授業です。これまでの学生による授業評価は一部の例外項目を除き、ほとんどの項目で 学生の満足度において高得点をマークしている受講生に評価の高い授業です。
昨年度の授業に関する学生による授業評価とそれに対する教員側の応答は以下のページにあります。
授業評価アンケート結果に対する自己評価について(近大姫路 大学、2008)
授業の資料等は、http://cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/jyugyo.htmlに リンクするページで適宜公開されています(保護されている文書のパスワードは授業でお知らせします)。予習は、それらのウェブページにある前年度の授業資 料を参照してください。 この授業に関連する授業に2年生のむけの「国際保健」があります。この授業でしっ かり学習した内容は、2年次でも十分に役立つはずです。
試験について
文化人類学の期末試験に関する掲示(6月25日付)
本年度に文化人類学を受講してくださった学生の皆さんへ
本年度の文化人類学の授業の受講については、6月20日(土)にすべての授業が終了しました。受講学生の皆さんにおかれましては、補講開 講日の土曜日であるにもかかわらず熱心に受講ならびにワークに取り組み、満足されたことと思います。このことについは授業担当者一同も大変感銘を受けまし た。この学習態度をどうか、これからも末永く維持してくださるようお願いします。
なおこの授業科目については、学期末試験を開催しますので、後日アナウンスされる日時を確認してくださるようお願いします。また試験の実 施条件や試験対策については下記の項目をよく読み準備してくださるようお願いします。
記
(1)試験回答は論述形式とする。
(2)試験実施に際しては、教科書、ワークシートおよび自筆によるノートの持ち込みを可能とし、それ以外のもの(他の書籍・シート以外のコ ピー・電子辞書・パソコンなど)は参照できません。
(3)問題の出題の範囲は、(a)近代医療の〈神話〉に関すること、(b)女性の身体の医療化、(c)現代人の心と脳と認知に関する諸問 題、の3つの領域に関係する問題が3題出されます。
2009年6月25日
文化人類学 担当教員
池田光穂・倉田 誠
リンク・文献
(仮想)医療人類学辞典