はじめによんでください

『レナードの朝』をめぐる議論

 Why do I think that Oliver Sacks' "Awakenings" is one of the most important books for all students of medical school?


オランダの偽造名手ハン・ファン・ミーゲレンが描いた『エマオの晩餐』(1937年)(→本物とは?

池田光穂

レナードの朝 1990年

原作:オリバー・サックス(Oliver Sacks)神経内科医

レナード L(仮名:)1920-1981

パーキンソン病・症候群

嗜眠性昏睡(しみんせい・こんすい)

ドーパミン(ドパミン)神経伝達物質

ドーパミンの前駆物質=L-DOPA

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病者の身体感覚・身体観

患者と医師

1969年 マルコム・セイヤー医師(サックスのモデル)【→「レナードの 朝:(映画)ストーリー参照」】

「原因不明の痴呆症患者」ルーシー

反射行動と意図的行動::映画のなかにある、車いすの座って硬直しているレナードに対してボールをなげると「俊敏にキャッチする」行動は、矛盾 性運動(キネジア・パラドクサ)と言われてきたものらしい(サックス 2015:215)。

「非定型〜〜」という診断と「定型」

嗜眠性脳炎:

====ウィキペディア『レナードの朝』の記述=====

『レナードの朝』(レナードのあさ、Awakenings) は、医師・オリバー・サックス著作の医療ノンフィクション。また、そのノンフィクションを基にした舞台作品、映画作品。マウント・カーメル病院に入院して いた嗜眠性脳炎(英語版)の20名に、1960年代に開発されたパーキンソン病向けの新薬L-ドーパを投与し、覚醒させたが、耐性により効果が薄れていっ た状況を記述している。

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「脳が機能を失う」→何も考えてない(はずだ)という先輩医師たちの信念

・外界からの特定の刺激に反応(個人差=個体差)

「他人の意思を借りて歩く」

・病院長の許可条件:治験対象者は1名、親族の同意が必要

・L-DOPA その後、塩酸アマンタジンの処方

・セイヤーの推論:

(1)パーキンソン病の症状が「進行」した時の状態が、嗜眠性脳炎の後遺症患者と同じでは?と考える

(2)パーキンソン病の患者の治療に(中脳黒質の変性=ドーパミン系の欠如)、L-DOPAを使う

(3)嗜眠性脳炎の後遺症患者に、L-DOPAを使えると効くのでは?

・セイヤーの実験

(1)L-DOPAの規定の処方 → 効かない

(2)オレンジジュースとの混合処方で効かなかったのでは? → 混合処方をやめる

(3)投与量の増加:最大5グラム/日

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・嗜眠性脳炎後遺症患者:外見が加齢しない、(本人の)加齢意識の欠損、時間進行の消失

・「眠っている、または死んでいる」(講演会でのセイヤー)

・現実のレナード:投与開始後1ヶ月後には性欲昂進(映画ではマイルドに表現)

・L-DOPAに対する耐性のはじまり。

・レナードの行動の変容を薬が効果を失ったと解釈するセイヤー

・耐性後の症状:チックの悪化、動作の突然の中途停止:投与量を増加しても症状の改善がなくなる。

・レナードが前の症状に戻ってから(治療を中止して以降)映像をみて回想にふけるセイヤー

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【グループワークの課題】

(1)セイヤー医師の行動から、我々が学ぶべきこと、あるいは(その批判を通して)学んではいけないこと。

(2)レナードの内的世界や感覚を、この映画をとおして、何がわかるか、わからないか、について考える。

(3)課題以外に気づいたこと、他のグループのメンバーにも共有したいことなどについて指摘する。

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(1)やまおか(グループ名)

(2)イサクコーシロー(グループ名)

(3)タマタマ(グループ名)

(4)パイロット(グループ名)

■クレジット:池田光穂「『レナードの朝』をめぐる議論」2009年8月29日高知 大学医学部授業「医療人類学」における授業討論の 記録

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