はじめによんでください
組織横断的ファカルティディベロップメント(FD/SD)の開発をめざす対話的手法の実践
On coupling of
the faculty development and the stuff development in our workspace
【論理】
(1)組織というものは、たいていの場合 はメンバーにとって「悪い」組織である。
(2)「よい」組織というのは、我々が探 究すべきものである。あるいは探究すべき価値があるものである。
(3)したがって「よい」ということを、 我々がまず明確に定義しないと、よい組織づくりのためのFD(=ファカルティを育てる)というものははじまらない。
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「組織とは、価値システムがうまく働かないような状況の下で集団行動の利点を実現するための手段である」——ケネス・J・アロー
クレジット:組織横断的ファカルティディベロップメント(FD/SD)の開発をめざす対話的手法の実践 (略称:組織横断的FD/CD開発)考案者:池田光穂
【使用目的】
・CSCDのすべてのスタッフと関連する学内共同教育研究組織(具体的には大学教育実践センターならびにグローコル)の有志を巻き込んだ ファカルティディベロップメント(FD/SD)研修を、対話型のスタッフミーティングと全国の教育技法の専門家との交流により運営する。
【FDが行える根拠】
「ベッカーなどが強調したように、人間資本の蓄積の相当の部分は、企業の要求にとくに適合するような訓練からなる。つまり、他の企業にとってで
なく、まさしくその企業にとってメンバーの価値を増加せしめるような、従業員への情報の投入からなるのである。労働の機能は、資本財と生産面において協働
することにあるが、その資本財がさまざまな企業によって広く保有されているとすると、すべての訓練が事実上どこでも役立つように見える。しかし、情報チャ
ネルをある企業のなかで学ぶということ、そしてそれらを通じて情報を伝達する符号化様式を学ぶということは、まさしくその組織内部においてのみ価値を持つ
技能である」(アロー 2017:95)。
【理 念】
教員の授業内容や教育方法の改善を目的とした組織的な取組みであるファカルティディベロップメント(FD)あるいはスタッフ・ディベロッ プメント(SD)と呼ばれる手法(FD/SD)は、その理念が欧米のモデルの直輸入であることが多いために、受講学生・院生による授業評価のデータをもと に、組織の管理者が教員スタッフに、授業内容の改善に対して自助努力を促すか、あるいは管理者としてのパターナリズムにもとづいて、学内外の教育技法に関 する専門家を招致して「高所対処から」意見を拝聴するというレベルにとどまっているのが現状である。
この趣向から一歩先んじた組織は、さらにグループダイナミクスや演劇関係者の専門家を招いて、一種の自己啓発ワークショップをおこなう傾向 にあるが、方法論そのものが一時的な心理的満足度を高める効果はあるが、この手法そのものが組織原理による改善をもたらさない方法論的限界をもつために、 持続的で累積的な改善効果をもたらさない欠点をもっている。
全国の大学におけるFD/SDの今後の質の改善のためには、それらがたんに授業の内容や伝達手法の改善のみならず、組織の活性化をもたら し、組織が生産する有形無形の生産物の質の総合的な管理すなわちTQCとのカップリングを模索しなければならない。
【活 動の内容】
・年3回ほどの関連する3組織共通の対話型FD/SDをCSCDの主催において実施する。
・このプログラム実践の準備のために、センター内の教員によるワーキングを組み、広報した上で、CSCDのすべてのスタッフの参加に加え て、大学教育実践センターならびにGLOCOLの有志を招致し、対話型FD/SDをおこなう。
・ワーキング は、毎回の対話型FD/SDの開催に対して、この趣旨にもっともふさわしい講師を研究調査の結果をもととにCSCDに招致する。
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