はじめによんでください

プレゼンテーションの技法:その最初のステップ

Good Practice in your Presentation

池田光穂

1【インストラクション】

これから大学学部生・大学院生のためのプレゼンテーションの技法について学びます。[→姉妹編:テキストで学ぶ「プレゼン上達のためのヒント」はこちら]

ビジネスプレゼンテーションにも応用可能です。スライドをゆっくり読んでいただいても、およそ20分で通覧することができます。

カラフルですので、プリントアウトしてお読みになることも可能です。

※このスライドには改訂版「プレゼンテーションの技法入門」があります。

2.究極の対人コミュニケーションとしての学術コミュニケーション

皆さんが経験した「これはよい学術プレゼンテーションだった!」という経験を想起してください。これを思いだし、後ほどみんな議論するのが今日の課題です。

3.これからの授業では、次のことについて簡潔に解説します。

・臨床コミュニケーションとは?

・ディスコミュニケーションとは?

さまざまなコミュニケーション不全

・わかる/わからないとは?

・わかることは意外にわかりにくい(身体知を動員することの必要性)

4.

審問(しんもん):さあ、問うてみましょう!

・結局のところ、みなさんは、これまでの授業でいったい何を学んだのでしょう?

・学んだことは、なにか役にたちましたか?

・役に立たないことは、本当に役に立たないのでしょうか?

5.

プレゼンテーションとは?

・相手を説得することです。

・聴衆に話す内容を理解してもらい、聴衆に対して、(理解ということを含めて)何らかの行動の引き起こすこと

・知識の伝達は、その機能の一部にすぎません!

6.

なかなか容易ではない、説得の技法

・人は頭ごなしに説得されることを好まない

・どんな些細(ささい)なことでも、理解できたことがあると嬉(うれ)しい

・人と議論するためには、相手が私(=君)のことをきちんと理解をしていることが必要ですね。

7.

目標をたてる

・誰に対して何をどこまで説得するのか?

・発表内容を、ひとつの主題文であらわせるか?

・目標は現実的か?

・説得は具体的ですか?

発表のねらいである目標を、発表の事前、最中、事後に明示することをおすすめします

8.

相手を知ることの重要性

・君の論題に対して、聴衆はどれだけ事前に知識がありますか?

・あなたの論題に興味をもっていますか?

・君の論題に対して、聴衆がもつ疑問を事前に想定することができますか?

・あなたの発表のキーワードや殺し文句をもう見つけていますか?_ない場合は原稿を精査してそれを発見・発明しよう!

9.

自分を知る

・発表する時間とバランス

・使える機材は何か?

自分に自信のあることだけを言い、不確かなことは言わないようにしましょう

・大切なこと(幹)と削除してもよいこと(枝葉)を区分できますか?

10.

プレゼンのデザイン

・プレゼンの内容を要約する文章(主題文)をつくり、繰り返し思い起こす

・全体像の提示、結論の先出し、または暗示

・建設的な提言を発表のなかに必ず入れましょう!

不測の事態に備えて、プレゼン用の機械が故障した時のシミュレーションもできればやっておきましょう!

11.

提示内容によって最適な表現方法があります

・なに? → 文章・絵・モデル

・どこ? → 地図・平面図

・だれ? → 組織図・写真

・いつ? → 時間表・遷移図

・どのように → チャート

12.

プレゼンに奥義(おうぎ)などありません!

・話す内容に精通しましょう

・スクリプト(読み上げ原稿)の用意(→原稿分量と時間

・時間内に終了できるように練習

・予想される質問への対応を準備

・質問する相手の話をよく聞くこと

・なるべく日本式アイコンタクト(目を見つめることではなく、質問者に真正面をむいて自然な笑顔で)を心がけましょう


13

失敗からまなぶ

・個々のプレゼンは一生に一度きりです、聴衆とは一期一会。

しかしながら、失敗から学んだことは、何度でも次回のための発表の栄養になります!

14.
質問コーナー
15.

今日のワークの課題です

・これまでにみなさん自身がおこなってきたり、また聞いてきたプレゼンテーションのうち、とくに印象深かったものについて、その例をとりあ げ、どういう点がすばらしかったのか、または悪かったのかについて議論しなさい。

・よいプレゼンと悪いプレゼンについて、それぞれ数項目をあげて、みなさんで発表してください。

16.

参考文献リンクです

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