人身売買問題への解法の技法
How to tackle with human trafficking problems
人身売買(human trafficking)問題への解法の技法
人身売買とは、人間の身体が再生産労働やサービス労働に寄与できることを前提にした、不当な身体と貨幣の交換行為のことをさす。
人身売買問題について、ここでは3つの観点から考えよう。すなわち。
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1)地政学的観点
2)人身売買にかかわるアクターの観点
3)人身売買を制御する法システムという観点
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1)地政学的観点
国際的な人身売買の搬送ルートは、大きく(a)送出国、(b)中継国、(c)受入国という地域(ゾーン)を経由する。それらの地域に関する 論点は、この3地域の固有の問題を考えるほかに、3つの地域の組み合わせ、すなわち(d)送出国=中継国、(e)中継国=受入国、(f)送出国=受入国、 そして(g)送出国=中継国=受入国の組み合わせのセットで考えなければならない。
(d)送出国=中継国、(e)中継国=受入国、(f)送出国=受入国、そして(g)送出国=中継 国=受入国
マッチング | (a)送出国 | (b)中継国 | (c)受入国 |
(a)送出国 | (A) | (d)送出国←中継国 | (g)送出国←中継国←受入国 |
(b)中継国 | (d)送出国→中継国 | (B) | (e)中継国←受入国 |
(c)受入国 | (g)送出国→中継国→受入国 | (e)中継国→受入国 | (C) |
2)人身売買にかかわるアクターの観点
人身売買にかかわるアクター(主体)という観点からは、加害者(=人身売買で不当な利益を得る人)、被害者(=人身売買の被害者)、ステイ クホルダー(=人身売買により恩恵を受けたり、逆に間接的に被害に遭う人)、そして市民(人身売買に直接関与しないが、それがおこる所で生活するすべての 人びと)にわけられるだろう。人身売買の問題点を洗い出すには、これらのアクターのすべての水準に関わったり、呼びかける制度(社会的啓蒙やエンパワメン ト/ディス・パワメント?/教育/態度変容など)を考えるべきだろう。
3)人身売買を制御する法システムという観点
人身売買は人道に対する罪であるが、国際条約の批准や、仮に批准しても国内法の整備にはタイムラグがあったり、国際間での不協和というもの がある。その際には国際的な調整が必要になるが、まずは、国内の法整備が最重要課題になる。犯罪との戦いは、それを犯罪だと見なさない偏見や無理解との戦 いでもある。また処罰の重軽についての国民の合意の調整が困難になることもある。また法は整備されても、実際に実行されなれけば社会的効力をもたない。き ちんとした法手続による処罰の実行、防止や、啓蒙なども重要な課題となる。
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