グローバル共生社会論(2010年)
授業の目的
1.グローバル化に対して日本社会がいかなる対応をしているかについて学ぶ。
2.現代日本におけるエスニック・マイノリティの多様性について学ぶ。
3.ジェンダー・セクシュアリティの多元性と共生社会の可能性について学ぶ。
履修条件・受講条件
この授業を履修する大学院生に対しては、現在運用されている大学院高度副 プログラム「グローバル共生」(提案部局:グローバルコラボレーションセン ター(GLOCOL))基礎科目(必修)6単位のうち2単位が認められます。[この副プログラムのチラシ:pdf 432K]
講義内容
本授業では4つの単元から構成されます。各単元は、グローバル共生に関す る基礎的な知見や議論の枠組みを示すものですが、それぞれの単元の要素は、 単元の領域を超えて相互に連関しています。単元Iでは、グローバル化に対して 日本社会がどのような共生に向けての対応をしているかについて司法、医療、 教育、行政の現場を中心に考察します。単元IIでは、従来の日本単一民族論に 対して、現代日本における多様なエスニック・グループの存在に注目し、その 共生のありかたについて考えます。単元IIIでは、ジェンダーとセクシュアリ ティの多元性が共生的な社会関係を築くためにいかなる可能性を提供している かについて検討します。単元IVでは、それまで学んできたことを受講者が自ら 発表(プレゼン)することを実修します。
教科書
教科書はありません。次の基本参考書を参照してください。
参考文献
基本参考書として、韓敬九・桑山敬己編『グローバル化時代をいかに生きる か:国際理解のためのレッスン』平凡社、2008年(ISBN 978-4-582-83375-1)が あります(平成21年度の教科書)。それ以外の文献はウェブページでの紹介な らびに授業単元ごとに指定します。
成績評価
8割以上の出席をした受講生に最終試験(レポート)を提出する権利があり ます。出席の中には単元IVでおこなう課題レポート作成にむけての発表会での プレゼンテーションが含まれます。成績はレポートと出席点により判断し、そ れらの評価配分はレポート7割、出席点3割です。
プレゼンテーションとレポートの手引き(2010年5月31日公示)
コメント
授業には表記のCSCD教員のほかにグローバルコラボレーションセン ター(GLOCOL)教員(石井正子、常田夕美子、宮原暁)などが担当します。
1.オリエンテーション:4月12日(月)19時40分〜:池田・常田
単元 I:グローバル化と現代日本社会
2.在日米軍:「強力な」マイノリティ:4月19日(月)19時40分〜:田中雅一(京都大学人文科学研究所・教授)[→リンク]
3.現代日本の多文化・多言語情況:4月26日(月)19時40分〜:林田
4.多元化する日本社会:5月10日(月)19時40分〜:池田
[→追加資料:政治的アイデンティティとしての〈地元民〉:普天間問題とわれわれ]
単元 II:日本におけるエスニック・マイノリティの多様性
5.日本における先住民問題:5月17日(月)19時40分〜:池田
6.日本における差別問題:5月24日(月)19時40分〜:平沢安政(人間科学研究科・教授)[→リンク]
7.日本における外国人労働者問題:5月31日(月)19時40分〜:林田
単元 III:ジェンダーとセクシュアリティの多元性
→「ジェンダーとセクシュアリティの多元性:参考文献」(常田作成)
8.ジェンダーと多文化主義:6月7日(月)19時40分〜:常田
9.日本における親密圏の多様性:6月14日(月)19時40分〜:石井
10.セクシュアリティの多様性:6月21日(月)19時40分〜:グレッグ・ドボルザーク(東京大学)[→リンク]
【グレッグさんからの課題】
6月21日「セクシュアリティの多様性」の授業の前に以下の論文を読んできてください。 (6月7日の配布資料) 古川誠 2001 「『性』暴力装置としての異性愛社会:日本近代の同性愛をめぐって」『法社会学』54、pp.80-93 風間孝 2002 「カミングアウトのポリテックス」『社会学評論53(3)、pp.348-364 牟田和恵 2008 「家族のオルタナティブ:家族研究の挑戦」『家族社会学研究』20(1)、pp.7-9 とくに古川(2001)が指摘する「強制的な異性愛社会のメカニズム」が、いかに歴史的に作られたものなのかについて考えてみてください。 |
単元 IV:学生によるレポート作成に向けての発表
11.学生発表(その1):6月28日(月)19時40分〜:
12.学生発表(その2):7月5日(月)19時40分〜:
13.学生発表(その3):7月12日(月)19時40分〜:
14.学生発表(その4):7月26日(月)19時40分〜:
15.個人指導・個人面談:8月2日(月)19時40分〜:
キーワードグローバル化、共生、多様性、実践、エスニック・マイノリティ、ジェン ダー、セクシュアリティ
受講生へのメッセージ
本授業は「コミュニケーションデザイン」ならびに「グローバル共生」とい う高度副プログラムの科目のひとつです。「コミュニケーションデザイン」に 関しては本シラバスの該当ページを、「グローバル共生」に関しては全学の高 度副プログラムの案内を参照してください。
高度副プログラムへの出願は所属研究科を通しておこなう必要もありますの で研究科の履修手続きに注意してください。
教科書をつかった話題の提供や最新資料の提示、メディア報道の批判的読 解、ケースにもとづくグループ討論、問題にもとづく学習(Problem-Based Learning)、e-learning やウェブCTなどを使って授業を立体的に構成します。
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