著作権譲渡についての覚書
(某学会の交換用の覚書書式:スタイルシート)
解説:池田光穂
雑誌掲載論文を、将来専用のサイトでウェブに公開するためには、著作権者である著者と「著作権の譲渡」に関する取り決めをすることが重要です。著作権は、各国の国内法の適用になりますが、インターネットは国外を超えて流通する媒体ですので、その法律が帰属する国際法や規約あるいは条約などの制約を受けることもあります。つまり、ある国においては適法なのに、別の国にいては違法となるように。
ここでは、日本のある学会誌の「著作権譲渡についての覚書」を参考して、この事柄どのようなことを規定しているのかについて、学びましょう[→研究倫理2011]。
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1. 日本◎◎学会(以下「本学会」という。)総会(日付)の決議 により、本誌にて発表された論文等のすべての著作物について、その著作権は本学会 に譲渡されるものとします。この著作権譲渡により、著者の皆さんの論文を印刷媒体 あるいは電子媒体で複製する許諾の要請について、市場の動向および各国の著作権法 の関連部分の改訂に応じて適法に取り扱われること、および、権利侵害から著者およ び発行者双方の権利を保護しながら、本誌を可能な限り広範に流通させることが保証 されます。
2. 本学会は、著作権法の規定を遵守して、論文が発表される際に、著者名を表示し、そ の他の著作者人格権を尊重します。著作者人格権は本学会に移転せず、本学会はその 管理権限を有せず保全管理の義務を負いません。
3. 著作権は譲渡されますが、著者は、将来自らの論集において当該著作物を無料で利用 する権利を留保します。ただし、本誌(―雑誌名表記―)での先行発表を承認 すること、および著作権者である本学会に事前に通知をすることを条件とします。
4. 著者は、著者自身の講義および研究の目的で、自身の論文を複写したり電子メールや FAX によって配布したりホームページに掲載することができます。ただしその場合 には、(a) 複写物を転売してはならず、(b) 論文の全文複写・部分複写を問わず、全 ての複写物(ホームページへの掲載の場合は当該ホームページ上)に出典(―雑誌名表記―)および著作権者(―学会名―)を明記しなくてはなりません。
5. 著者抄録等に限りデータベース・サービスにより著作権使用料が生ずる場合にはそれ を学会に寄付していただ、くこととし、学会は総会においてその会計報告を行います。
6. 論文を商業的な目的で再録する許諾を本学会が第三者に与える場合は、事前に著者の 同意を求めます。(ただし、本学会に対して届出のあった最新の住所に書面を送付して から30 日以内に著者から応答がない場合には、同意があったものとします。)許諾に 際して第三者から支払われる著作物利用料については、著者が受領するものとし、共 著の場合には、さしあたり第一著者に対して支払います。共著の場合の内部分配につ いては、本学会は関知しません。
7. 著者以外の者(例えば、著者の雇用主)が著作権者である場合には、著者は著作権者 に対し、第三者に対して再録を許諾する権限を、本誌の出版社に対して非独占的に許 諾させるものとします。かかる再録要請の処理は上掲第6 項にしたがって行われ、全 ての通知は著者に宛てて行われます。著者は、著作権者を代理して当該通知を受ける ために必要な権限を著作権者から得ておくものとします。なお、第三者から支払われ た著作物利用料金を著者と著作権者との間でどのように分配するかについては、両者 の判断に任せるものとします。
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