成人のスキルの課題
On Adult Competencies
■成人力の陶冶
成人がこれまで学んできた/日々育み認識・行動・将来構想についての創造力の維持進展は、多くの安定した社会にとっては、経済成長のために不可 欠な要素である。また、さまざまな政治・経済的破綻や不安要因に対して、常日ごろからの成人力を陶冶しておくことは、不必要な社会的不安定化を防ぐソー シャル・セーフティ・ネットの役割を果たすだろう。
OECDでは、PIAAC(国際成人力調査)をおこなっている。PIAACとは、Programme for the
International Assessment of Adult Competencies のアクロニム(頭文字による略称)のことである。
成人がもつスキルには、それぞれの成人の属性、すなわち、1)職業人として、2)地域市民として、3)家庭人として、関わる際にそれぞれ違った ものが発揮されるだろう。
では、成人にはどのようなスキルが求められるだろうか、Merrifield(2000)によると、そのスキル能力は以下の4つに分けられると いう。
(a)生涯学習のスキル、(b)コミュニケーション、(c)人間関係のスキル、(d)意思決定のスキル、である。(引用は、『成人力とは何か』 p.41 より)
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(a)生涯学習のスキル
(b)コミュニケーション
(c)人間関係のスキル
(d)意思決定のスキル
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《大人の教育学=アンドラゴジー(andragogy)》
人間行動の理解に認知科学は書かせない。また認知科学の発達は、学習は
子どもだけの現象であり、こどもの発達と大人による外的な作用を知識の獲得という観点から応用学問化した教育学=ペダゴロジー(pedagology
つまりpaid[こども]をagogus[みちびく]学問つまり「子供を訓育する学」)から、〈大人の教育学〉=アンドラゴジー(andragogy
つまりaner[おとな]おとなを導く(agogus)学」)に関する研究が進み、大学院生である大人――北米の医学校は大学を卒業ないしはそれと同等の
学力がないと入学できぬ――の学習課程の研究が進んだ(註:もちろんこれらも確実な史実というよりも語り、ないしは説明解釈の図式である)。ひょっとした
ら、アメリカの多様な民族と年齢構成をもつ社会人に、スキナー的学習のような暗記学習を求めても効率が悪いと教育
者は観念したのかもしれない[これらは本当はきちんと検証しなければならない学問的課題なのだが、医学的知識と技能を効率的に教える大学教員にそのような
悠長なことも言ってられない]
文献
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