はじめに よんでください

自分の経験していない経験を知ること

On knowing "how/what the Other has/had experienced," by ourselves

COデザインセンター梟さん

池田光穂

メ ディア論ではない、英文学者のマーシャル・マクルーハンについて、なんと、ブラックフェ ミニストの理論家であり教育者であるベル・フックスが、マクルーハンに言及して いる文章がある。視点の獲得を通して、人間を自由をもたらす文学の可能性を示唆する。

"I think that we cannot begin to talk about freedom and justice in any culture if we are not talking about mass based literacy movements. Because I think that literacy as we know from the work of Marshall McLuhan and many others that the degrees of literacy determine so often how we see what see, how we interpret it, what it means for our lives and that there's a way in which radical movements for freedom in the United States devalue the significance of literacy as a radical agenda for politicization." - bell hooks, BELL HOOKS—CULTURAL CRITISICM & TRANSFORMATION, 2005

「大衆ベースの識字運動について語らなければ、どの 文化においても自由と正義について語り始めることはできないと思う。というのも、マーシャル・マクルーハンや他の多くの人たちの研究からわかるように、識 字率というのは、私たちが何をどう見るか、それをどう解釈するか、それが私たちの生活にとって何を意味するのかを、しばしば決定する。」

ベル・フックス『とびこえ よ、その囲いを(別訳:学ぶことは、とびこえること)』のなか に、自分の経験しない経験を知ることの可能性について問うよりも、その際における道徳性の問題について考えてみようと、いうことが提言されている。

「人はどのようにして自分の経験しない経験を知るこ とができるのか。また経験を通して知ったものではない現実について、とりわけ抑圧された者について語るときに、どのような道徳的問題が発生するのかに関し てわたしたちは自ら洞察をより深めていくことができるはずだ」(フックス 2006:106)

★学ぶことは、とびこえること : 自由のためのフェミニズム教育 / ベル・フックス著 ; 朴和美, 堀田碧, 吉原令子訳, 東京 : 筑摩書房 , 2023.5. - (ちくま学芸文庫 ; [フ50-1])/Teaching to transgress : education as the practice of freedom. by bell hooks, Routledge, 1994.

肌の色、ジェンダー、階級といった差異を前にして、 すべての人に開かれた「学びの共同体」をつくることはできるか。まず自分自身を批判的にみつめ、変えるための教育はいかにして可能か。ブラック・フェミニ ストの大学教師であるベル・フックスが自らの経験をもとに、学生と教師の双方に語りかける。教室での性差別や人種差別にどう対処するか、異なる経験をいか に語り合うか、学ぶことの歓びと不安…。フレイレの批判的教育学やフェミニズムの教育思想、黒人教師の教育実践を導きに語る本書は、様々な境界を越え出る 「自由の実践としての教育」のためのヒントに満ちている。

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Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

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