ウェスターマーク効果
池田光穂
2人の乳児が生後30か月の間、同じ家庭に育つと、 のちに2人とも相手に対して強い性的魅力や愛情を感じないという、経験的事実に基づき、フィンランドの人類学者エドワード・ウェスターマーク(Edvard Westermarck, 1862-1939)が、その 著作『人類婚姻史』(1891)において、提唱した仮説。
ウェスターマークは、英国のハヴェロック・エリス が、幼少期から幼なじみの相手には性的興奮が起こり難いことを引きあいに出して、これが近親者の性的嫌悪を引き起こし、ひいては族外婚が誕生したと、進化 論的に婚姻ルールの情動/感情的理由で説明した。もちろん、この説明は、近親相姦への嫌悪(=情動)が、家族以外からの婚姻相手を求める(=族外婚/外婚 制の起 源)という、まったく無関係な現象を結びつけて、合理的に説明しようとした仮説にすぎない。しかしながら、人間以外の霊長類でも、ウェスターマーク効果が あることはよく報告されており、ウェスターマークの(外婚制の起源の)説明には、説得力がないが、その事実は厳然たるものとしてある。
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