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痛みの文化人類学

Medical Anthropology of human pain

池田光穂

——広島において原爆がなしたことは、痛みが医学的 に「取りあげられてしまっている」社会の累積的な影響の理解の助けになるかもしれない。痛みは、もしそれが鈍化されれば、その関連する性格を失い、無意味 で疑問の余地のない残りものの恐怖を生み出すであろう。……痛みを殺すこと(pain-killing )で、人々は、自分自身の次第に枯れ衰えていく自我を無感情に眺める者になって来ているのである。イヴァン・イリッチ(1976)[金子嗣郎訳 1998:120-121]

"What the bomb did in Hiroshima might guide us to an understanding of the cumulative effect on a society in which pain has been medically "expropriated." Pain loses its referential character if it is dulled, and generates a meaningless, questionless residual horror....  Increasingly, pain-killing turns people into unfeeling spectators of their own decaying selves. " - MEDICAL NEMESIS: THE EXPROPRIATION OF HEALTH, by IVAN ILLICH, 1976







 痛みとその解釈の歴史



 痛みを取り去ること



 痛 み経験の民族差



 試 練としての痛み



 痛みの文化的意味



献辞



■現代の臨床家の痛み観察

O (Onset):発症経過

P (palliative/provocative):増悪・寛解因子

Q (quality/quantity):症状の性質・生活への影響度

R (radiation):放散痛

S (associated symptom):随伴症状

T (time course):時間経過

および、Numeric Rating Scale (NRS)

"The numeric rating scale is one of the most commonly used pain scales in medicine. The NRS consists of a numeric version of the visual analog scale. The most common form of the NRS is a horizontal line with an eleven point numeric range. It is labeled from zero to ten, with zero being an example of someone with no pain and ten being the worst pain possible. This type of scale can be administered verbally. It can also be administered via paper to be completed physically." - https://www.painscale.com/article/numeric-rating-scale-nrs

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● 【附録】麻酔の謎(が、解明か? 2020年5月27日)

「これまでの調査で、麻酔薬の効果は脂質における麻酔薬の溶解度と 関連していたことから、脳細胞の生体膜に含まれる脂質との関連性が考えられてきました。そこで研究者は、麻酔が生体膜に含まれるイオンチャネルと呼ばれる タンパク質に直接作用するのか、それとも過去に確認されていない方法で生体膜が信号を送るよう、麻酔が生体膜に作用するのかを確かめることにしたそうで す。/5年にわたる研究の結果、まず、全身麻酔は生体膜に含まれる脂質ラフトという脂質クラスターを混乱させることが判明しました。ノーベル化学賞を受賞 した顕微鏡技術「dSTORM」を利用して観察を行ったところ、細胞をクロロホルムにさらすと、GM1と呼ばれる脂質クラスターの集まる範囲が大きく広 がったとのこと。そしてGM1が広がると、GM1はその内容物であるホスホリパーゼD2(PLD2)と呼ばれる酵素を放出し始めました。/研究者が PLD2にタグ付けを行ったところ、PLD2はGM1から別の脂質クラスターであるホスファチジルイノシトール二リン酸(PIP2)に向かいましたが、そ の動きは「まるでビリヤードのボールが放たれたかのよう」だったそうです。そしてPLD2によってPIP2の主要分子が活性化され、ニューロンの発火能力 が「凍結」されることで、人は意識を失ってしまうのだとハンセン氏は説明しました。/研究者が生きたハエで実験を行ったところ、PLD発現が削除されたハ エは、鎮静効果に対して耐性を示したとのこと。PLD発現が削除されたハエが鎮静効果を得るには、麻酔薬を2倍投与する必要があることが確認されました。 一方で、PLD発現を削除することで完全に麻酔薬の効果がなくなったわけではないため、鎮静には他の作用も関わっていると考えられています。研究者は、今 回の発見により、他の脳活動の謎を説明する手がかりにもなる可能性を示唆しています」100年以上謎だった「なぜ全身麻酔で人は意識を失うのか」がようや く解明へ - https://gigazine.net/news/20200602-mechanism-of-general-anesthesia/

Studies on the mechanism of general anesthesia | PNAS:https://www.pnas.org/content/early/2020/05/27/2004259117

Scientists May Have Finally Figured Out How General Anesthesia Works | IFLScience https://www.iflscience.com/health-and-medicine/scientists-finally-figured-general-anesthetics-work/


Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099

San Gerolamo scrivente, por Caravaggio, 1573-1610

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