はじめによんでください

研究の独自性と先行研究の関係

Relations between your research uniqueness and other previous work

Mitzub'ixi Quq Chi'j

調査研究の3つの要素

(1)研究対象

(2)研究をおこなう理論的枠組や先行研究

(3)対象への接近(aproach)のやり方、あるいは方法論

ただし、この3つの要素の必要性が必ずしもすべておなじ程度というわけではない。これから、前人未踏の新しいテーマに取り組む研究では (2)における理論は先行研究が少なくて、独自の理論をつくり出さないといけないだろうし、(3)の方法論も、創意工夫氏、新たに開発する必要があるかも しれない。

もっとも、誤解無きようにしてもらいたいのだが、自分のやろうとしていることが新種の研究だと、野心満々で取り組む前には、ひつこいほど先 行研究がないかどうか文献等を渉猟してみる必要がある。功成り名を遂げた大家と呼ばれる大学者でも、歳喰ってから最新の勉強を怠ったために、学問状況の変 化の観測を疎かにしたために、「〜という研究は未だにないのであります」という妄言を吐くことがあるが、すでに研究に着手してあったり、世界のとんでもな い片隅(我々のことだ!)で萌芽的な研究がすでにされてある場合もある。研究者というのは、オトロシイ生き物で、とんでもない思考実験がすでにやられてい る可能性があると決めてかかったほうがよい(身のためである)。

そのために、あらゆる情報手段を駆使して先行研究がないかどうかをチェックすることが重要である。そして、自分の新奇の考え方だと思ってい たものが、先行研究の存在によって、必ずしも落胆する必要もないことも言っておこう。自分が考える論理の体系の中で、重要だと考える研究テーマが、十分に 考えぬかれているとは限らないからだ。そんな場合、自分にとって余計な方向での思考実験のチェックが済んでいると思えば、その先行研究は露払いをしても らっている貴重な体験の記録であり、自分をより重要な思考実験へと誘うための踏み台を提供してくれていると考えればよい。

先行研究に敬意を払うということの真意は、先行研究を徹底的に吟味して、自分にとってオイシイところを提供してくれたと感謝することなので ある。これは、精神衛生的な気休めだけではなく、我々の研究の先人が、先行研究をいかにのりこえて、いかに独自の見解に到達し、それを凌駕してきたかとい う事実にもとづくものである。

リサー チ・プロポーザルへの5つのステップ


Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099