看護の定義
Definition of Nursing
解説:池田光穂
看護職(nursing profession, profession of nursing)とはひとつの専門職(プロフェッション)で、病気からの回復を望む人・家族・共同体の中で活動し、かつそれに対して正当な労働対価を請求 できる職業である。
従って、看護(nursing)とは、病気からの回復を望む 人・家族・共同体に対して、己の専門性をもって、病気からの本復や、それら(人・家族・共同体)の生活や生命の質(クゥオリティ・オブ・ライフ)を改善す るための挑戦のことをさす。
この看護の定義は、今日、我々が到達できる、最善の看護の定義であることを私は自負している。願わくば、専門職の人たち(=看護職)のみなら ず、病気からの回復を望む人・家族・共同体の全員が、この定義の改訂版について今後模索していくことが望ましい。
さて、ウィキペディアの英語(Nursing) には看護の次のように定義――とりわけ太字――してあるが、それは、上の私の看護の定義と、齟齬をおこさないように思える。
"Nursing is a profession within the health care sector focused on the care of individuals, families, and communities so they may attain, maintain, or recover optimal health and quality of life. Nurses may be differentiated from other health care providers by their approach to patient care, training, and scope of practice. Nurses practice in many specialties with differing levels of prescription authority. Many nurses provide care within the ordering scope of physicians, and this traditional role has shaped the public image of nurses as care providers. However, nurses are permitted by most jurisdictions to practice independently in a variety of settings depending on training level. In the postwar period, nurse education has undergone a process of diversification towards advanced and specialized credentials, and many of the traditional regulations and provider roles are changing” - Nursing
日本看護協会は、さすがに看護職の権利と利益を守る団体であり、看護の定義をきちんと、1)広義の看護と、2)狭義の看護の定義を示している。 すなわち、
広義の「看護とは、……人々の生活の中で営まれるケア、すなわち家庭や近隣における乳幼児、傷病者、高齢者や虚弱者等への世話等を含むものをい う」。
狭義の看護とは「保健師助産師看護師法に定められるところに則り、免許交付を受けた看護職による、保健医療福祉のさまざまな場で行われる実践」
をさしている(日本看護協会 2007:10)。
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