はじめによんでください

Making an Innovation Campus and Deconstructing Old fashioned University's Order

(キャンパスにイノベーションを起こし古臭い大学をぶっこわそう!)

大学のキャンパスを変えるための12の哲学


デジタルヒューマニティーズ (digital humanities, humanities computing)とは、人文学(古くは自由七科による教養科目)とICT(情報通信技術)との学際融合領域、ないしはその「対話」のことである。言い 方を変えると、デジタルヒューマニティーズ(デジタル・ヒューマニティーズ)とは、ICTを通しての人文学の刷新(イノベーション)=「創新普及」のこと であり、また、技術偏重に傾いたICTを人間化(ヒューマナイズ)するプロジェクトのことである。スマート・キャンパスとは、ICT技術を最大限に使い、 大学がおこなう教育・研究・社会貢献などを実現しようとする新しい大学キャンパスとキャンパスの中での学び方・働き方のことなのである——これも本研究に おいて私たちが自覚に至った到達点である。

そのための学び方・働き方を模索するための具体的な改善策として次のような審問(= チェックポイント)を設けてみた。つまり、(1)仕事の場をよくしたい(効率良く運営する、高い生産性、ストレスがない、愉しい、など)するにはどうすれ ばよいか?(2)「私たちが考えるかのように」("As we may think")職場が改善されたいという志向性にもとづいた具体的アイディアをどのようにしたうみだせるのか? 「自然な空気のような環境」を大阪大学の キャンパスに横溢させるには、どのような外部からの介入と自己改革(変革)が必要なのだろうか?(3)それらの発想や具体的アイディアを支える/支えよう とするテクノロジーがあるはずだ。これを実現できるテクノロジーとはどのようなものか?

(3)の来るべきあたらしいテクノロジーにはどのようなものがあるか?それは、(i) 手順やプログラムの提案のほかに、それを支える基本的な哲学(ないしはOS)でもあるソフト・テクノロジー(柔らかい技術)と、(ii)ICT端末 やAIを使った空調などに代表されるハード・テクノロジー(固い技術)にわけることができよう。

そして、そのためには、この2つのテクノロジーの恩恵をうけるステイクホルダーがいる はずである。大阪大学のイノベーション・キャンパス化に関わるステイクホルダーは、大きく4つに分類される。つまり、(a)大阪大学を支える学生、院生、 そしてポスドクを含む研究生、(b)大阪大学の知的探究の環境の提供するあらゆる教職員(プロバイダー)、(c)大学活動を支援してくれる企業、官庁、そ して民間企業、(d)地元住民をはじめとする地域住民あるいは日本のみならず世界に広がる普通の市民、である。基礎検討フェーズでは、まず(a)と(b) を対象にヒアリングに基づくニーズ調査をおこない。その結果をもとに、研究班を形成する教員・研究者たちがブレイン・ストーミングで、「空気と空間づく り」から考える理想的なイノベーション・キャンパスの基本構想を設計すること。そのための(仮想なる構築物を含む)プラットフォームの建設が必要になるだ ろう。

基礎検討フェーズでのブレイン・ストーミングをもとに、研究推進フェーズでは、大規模 なウェブによる質的調査のほかに、調査対象を(c)から(d)へと展開する。そしてここに本研究の本当の隠れた欲望というものがある。それはこうである。 この研究を通して大阪大学の古い大学の体質を破壊したい。すなわち「新・大学解体論」を理論的批判から現実的実践に止揚したい。そして本当に、日本のダメ 大学を潰して、世界の若者が競って集いたくなるような「本物の大学(あるいは大学ではない大学)」を構想しかつ実際に構築することである。最終的に、この 大学、この企業、さらにはこれらを支えている、空気を読まなければならない社会を、解体し、自らの空気感をもって、世間という風をさっそうと切ってゆく、 市民を育てていきたい、というものだ。(→詳細情報はこちら!!!)

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