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オクタビオ・パス

Octavio Paz, 1914-1998

池田光穂

"LA SOLEDAD, el sentirse y el saberse solo, desprendido del mundo y ajeno a sí mismo, separado de sí, no es característica exclusiva del mexicano. Todos los hombres, en algún momento de su vida, se sienten solos; y más: todos los hombres están solos. Vivir, es separarnos del que fuimos para internarnos en el que vamos a ser, futuro extraño siempre. La soledad es el fondo último de la condición humana. El hombre es el único ser que se siente solo y el único que es búsqueda de otro. Su naturaleza —si se puede hablar de naturaleza al referirse al hombre, el ser que, precisamente, se ha inventado a sí mismo al decirle "no" a la naturaleza— consiste en un aspirar a realizarse en otro. El hombre es nostalgia y búsqueda de comunión." - LA DIALÉCTICA DE LA SOLEDAD, Octavio Paz, El laberinto de la soledad," 1960.

1914 メキシコシティで生まれる。先住民出自と いわれるの父はメキシコ革命の闘士。母の出身はアンダルシア地方と言われる。

1931 詩の同人誌に加わる

1933 処女詩集『野生の月』 Luna silvestre

1937 反ファシズム文筆家会議のため初めて渡西 (23歳)。共和派の支援、1938年に帰国。

1938 同人誌"Taller"主宰

1940 8月20日レフ・トロツキー、午後5時頃、秘書の恋人になりすましたカナダ人ラモン・メルカデルによってピッケルで後頭部を打ち砕かれる。翌日死去。

1943 同人誌"Hijo Prodigo"主宰:ランボー「地獄の季節」やロートレアモンの詩のスペイン語翻訳。

1944 渡米。エリオット、パウンド、W・スティ ブンス、カミングスの詩と出会う。

1946 パリ。バンジャマン・ペレを介してブルト ンと親交。

1951 『鷲か太陽か?』"¿Águila o sol?"(シュールレアリズムの影響大)

1951 アジアへ旅行。ニューデリーに数か月滞 在。

1952 渡日。1958年の詩集『暴力の季節 (La estacion violenta)』所収の「出口はないのか?」は東京で作詩。

1953  メキシコに帰郷

1954 小論「シュールレアリスム」

1956 『弓と竪琴』"El arco y la lira"

1957 『太陽の石( Piedra del Sol)』

1957 『奥の細道』のスペイン語訳(林屋永吉 [1919-2016]の協力による)

1960 『孤独の迷路』"El laberinto de la soledad"

1962 インド大使(〜1968年)『東斜面( Ladra este)』

1963 『火蜥蜴(サラマンドラ)』 Salamandra。この詩集は、ペレとブルトンに捧げる。

1967 『クロード・レヴィ=ストロース』 "Claude Levi-Strauss"

1968 『マルセル・デュシャン論』 "Marcel Duchamp ou le chateau de la puretée"

1968 トラテロルコの夜の弾圧・虐殺事件に抗議 して、インド大使を辞任。その後、パリ、ケンブリッジ、テキサス、ピッツバーク大学等。

1971 帰墨。その後、オクラホマ大学。1971 -1972ハーバード大学詩論の客員教授(講義内容は『泥の子供たち』に)。

1974 『大いなる文法学者の猿』"El mono gramático"

1974 『泥の子供たち』"Los hijos del limo"

1977 Marcel Duchamp : l'apparence mise à nu --  / Octavio Paz ; traduit de l'espagnol par Monique Fong, Gallimard , 1977 . - (NRF essais)

1983 『くもり空』"Tiempo nublado"

1985 Apariencia desnuda : la obra de Marcel Duchamp  / Octavio Paz, Ediciones Era , 1985.

1989 『ソル・フアナ=イネス・デ・ラ・クルス の生涯 : 信仰の罠』

1990 ノーベル文学賞:『大いなる日々の小さな 年代記』 "Pequeña crónica de grandes días"

1993 『エロスの彼方の世界 サド侯爵』"Un más allá erótico"

1993 『二重の炎 愛とエロティシズム』"La llama doble"

1995 『インドの薄明』"Vislumbres de la India"

1998 4月19日老衰により死亡

++《メキシコの白人主義と先住民主義より》

・怖いものを眺め、交わることへの親近感:カ ソリックの聖像(磔刑像趣味)、新聞メディアのネクロフィリア、死者の日の髑髏趣味(もちろんポサダの新聞挿 し絵)
・メキシコ=スペイン+アステカの「暴力」の所産
・暴力の2タイプ:1)征服する暴力、2)自己破壊する暴力(→死への信仰)
・メキシコの両義性:死と生の融合(=死の礼讃が生の礼讃でもある):Corazón apasionado disimula tu tristeza - Canción popular(第2章のエピグラム)
・北米文明=死の否定
・アステカ文明=死の礼讃:アステカの時間概念=一定の信仰ではなく、時間は力であり、消費され、利用される流体のごときもの(邦訳、p.96)。そして 時間は循環するもの。人身御供は、周期的に衰退する時間への生命の供給だ。※奇矯なことに、マービン・ハリスの喰人=カロリー供給説も、唯物論的には「エ ネルギーの供給」に他ならない。
・アステカは死する運命に抵抗するのではなく、神々が自分たちを放棄して、見捨てられたと感じ、自滅に興奮し、征服者に屈したという——これは征服者に抵 抗しないという点で、革命主義者にとっては「敗北主義的なデカダンス」だ。
・混血のメキシコは、自分たちの起源を求めても、孤独の迷宮に陥るという(これが書名の理由(=「起源」))
・2度目のレイプ=北米の帝国主義者たちを通した、鬱屈したエートスの形成:強い者への愛想笑いと、祭礼の時以外に自らの心を解放しない国民性
・メキシコ人=告白するために酔う/北米人=忘れるために酔う
・メキシコ人=猜疑 深い/北米人=明るく解放的
・メキシコ人=悲観 的で皮肉屋/北米人=陽気でユーモラス
・メキシコ人=諧謔 や酩酊の喜びを知る/北米人=衛生、健康、労働、幸福を信じる
・メキシコ人=交わりと祭礼を生 きる/北米人=労働を生きる(→皮肉なことに、北米への労働移民においては、メキシコ人は、労働に勤しみ、同時に依存症への恐怖を感じながら故郷に錦を飾 ることを夢見る)

《グロテスクの意味論》

・私たちがリアリティというラベルを張るもの;つま り、社会なるもの、都市なるもの、「客観的」リアリティは、すべて「何かの存在(あると言う事)」に対するグロテスクなパロディだと、Jason Wilson(1979:66)は "Octavio Paz, a Study of His Poetics"(Cambridge Uni. Press.)でいう。ここでいうパスは、「荒野(荒地)」の文化に対するロマン主義的抵抗に共感しているふしがある。

・世界にとってのリアリティの一部である、メキシコ のリアリティは、そうであるべきものに対する変形されたパロディである。パスはそう感じている。

・『孤独の迷宮』、「遺跡の中の頌歌」「壊れた水差 し」の詩編では、全体性を失った現代文化は「遺跡」にほかならない。メキシコの文化は、呪われた/忌まわしいものである。「かすれたギター (guitarras roncas)」のように、呪詛で終わるような歌、「訪問しようとするドアが私たちにとって閉まっている(nos cierra las puertas del contacto)」ようなぼんやりとした物質性(『迷宮』?:p.212)。

・「壊れた水差し」の荒野、住民が誰もいない、コオ ロギすら啼かない、死火山(=冷たい火山)のみ、乾いた渓谷、サボテンと岩石、干し草の乾いた匂い:He aqui a la piedra rota, al hombre roto, a la luz rota. (『迷宮』?:p.235)

・出典:https: //goo.gl/137f9G

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