大阪天満母子死亡事件2013年5月24日
Dying alone of Mother and her son by hunger-starvation in Osaka, Japan: An aspect of Domestic Violence Victims
大阪天満母子死亡事件2013年5月24日/池田光穂/臨床コミュニケーション 第 8回 2013年5月28日 この資料のpdf版はこちらで す(パスワードなし約426KB:On_Domestic_Violence130528)
以下の資料について教員より解説を受けて、質疑応答をした後で、【課題】にあげてある内容についてグループ内の意見をまとめ、報告してくださ い。グループ討論のための時間、発表時間などは、別途指示しますので、それに従っておこなってください。
■発見
2013 年5月24日午後0時20分ごろ、大阪市北区天満のマンション(6階建て) で、管理会社の社員から「悪臭がする部屋を調べたら、人が倒れている」と110番があった。駆けつけた大阪府警天満署員が3階の一室で住人とみられる成人 女性と3〜4歳ぐらいの性別不詳の幼児の遺体を発見した。死後数カ月が経過し、腐敗が進んでいることから、同署は司法解剖して死因を調べる。
同署によると、遺体に目立った外傷はなく、部屋の玄関は施錠され、荒らされた形跡はなかった。同署は、同居人がいなければ、2人が死亡した経緯に第三者 が関与した可能性は低いとみて、身元と生活状況の確認を急いでいる。
2人は洋間に敷かれた布団の上で仰向けに倒れていた。女性は布団からはみ出し、幼児はその隣で上半身に毛布とバスタオルがかけられた状態だった。
女性は冬物のスエットの上下、幼児は厚手のトレーナーを着ており、おむつカバーには大量の排泄(はいせつ)物が付着。2人とも体の一部がミイラ化してい
たという。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130524/waf13052421150026-n1.htm
部 屋の間取りは洋間とキッチンの1Kで、電気は止められ、冷蔵庫に食べ物は入ってい なかった。同署は、第三者の関与がなければ、女性が病死した後に幼児が餓死したか、女性が無理心中を図った可能性もあるとみている。
この部屋の上の階に住む男性が悪臭に気付き、管理会社に室内の確認を要請。同日正午ごろに同社の担当者が合鍵を使って室内に入ったところ、女性が倒れて いるのを発見した。
マンションに住む30代の男性は「今年の正月ごろまで、子供が騒ぐ声がしていたが、いつのまにか聞こえなくなった」と証言。マンションの清掃員の男性 (42)は「母親の日本語が片言だったのでアジア系の外国人だと思っていた」と話した。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130524/waf13052421150026-n2.htm
■捜査当局による分析
大阪 市北区天満のマンションで母子2人の遺体が見つかった事件で、(広島県出身の—— 引用者)母親のXさん(28)が数年前、夫から配偶者間暴力(DV)を受けていたことが27日、大阪府警天満署などへの取材で分かった。Xさんは夫と別居 してマンションに移ったが、自身の実家にも居場所を伝えていなかった。夫に居場所を知られないようにするためとみられる。行政に支援を求めた形跡はなく、 頼る相手もいないまま孤立を深めた可能性が浮上している。
現金はほとんどなく、室内に「最後にもっとたくさん食べさせてあげられなくてごめんね」とのメモもあった。電気やガスも止められ、深刻な困窮状態だった とみられる。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130528/crm13052807490001-n1.htm 固有 名詞はXさんと改変。
捜査関係者らによると、Xさんは数年前に大阪府守口市に居住。このころに夫からDVを受けていたとみられ、その後別居。昨年10月に、息子のRちゃん (3)とマンションに入居した。クラブやラウンジの多い大阪・北新地で働いていたという。
少なくとも入居後は夫との接触はなかったが、住民登録はせず、広島県内の実家にも居所を知らせていなかった。室内から離婚届も見つかった。マンションは 知人らの善意により、無償で借りていた。
2人は2月ごろに亡くなったとみられる。室内のクローゼットの取っ手には、カーテンを引き裂いて作ったロープが輪っか状にして取り付けられており、X さんが無理心中を図ろうとしたとの見方もある。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130528/crm13052807490001-n2.htm
■新聞社による取材と啓蒙報道
大 阪市北区天満のマンションで母子2人の遺体が見つかった事件で、母親のXさん (28)は数年前、夫から配偶者間暴力(DV)を受けていた。
極度の生活困窮に陥った母子を、救うことはできなかったのか。女性へのDVをめぐっては、平成13年にDV防止法の施行後、サポート態勢が強化されてき た。だが夫への極度の恐怖心から、行政や支援団体に相談することすらためらい、息を殺すように暮らす人も少なくない。
今回の母親のように、子供を連れて夫から逃れてきた女性には収入の壁が立ちはだかる。専業主婦だと就職のノウハウも乏しく、すぐに経済的に行き詰まる。
自治体が設置している配偶者暴力相談支援センター(DVセンター)の証明書類があれば、離婚が成立していなくても生活保護や児童手当を受給することがで きるが、これも女性からの相談が大前提だ。
大阪府女性相談センターによると、夫から「どこまでも追いかける」と脅される人も珍しくない。DVへの恐怖が、女性が自らSOSを発することを難しくし ているという。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130528/crm13052807520002-n1.htm
[補足説明]
・DVとはDomestic Violence(家庭内暴力)の略語
・相談センター窓口担当者によると、夫からの追跡を畏れて移転後に住民登録など役所に身元がわかるような手続きをしない人がいるという。役所では、市民の 安否確認などのために住民登録をしてほしいとアナウンスしている。また窓口関係者によると、住民登録がなくても、生活保護の相談を受けることもあるとい う。
【課題:A群】
A-1.皆さん御自身が当事者(=Xさん)の立場に置かれたら、この破局的悲劇 がおこる前に、まず、誰に対してどのように話——コミュニケーション——すべきだと思われますか?
A-2.皆さん御自身が、彼女ないしは彼女の子供の知人であったとしたら、この 破局的悲劇がおこる前に、彼女に対してどのように話を切りだ——コミュニケーション——すべきだったかと思われますか?
A-3.皆さん御自身が、行政当局や「女性相談センター」等の窓口担当者であれば、この破局的悲劇がおこる前に、このような境遇にある多数の「彼女」に対してどのように訴え広報——コミュニケーション——すべきだと思われますか?
【課題:B群】——「A群」に取り組むためのヒント集
A群の課題を解く過程の中で、皆さんがそれぞれのレベルでのコミュニケーションを「より理想的なもの」(=効率的で好ましいもの)にするために、皆さん の提案や方策に対する「阻害要因」を考えてみましょう。この阻害要因を考えることの意義とは、今般の事件が「実際に起こってしまった現実要因」(=障害や 問題を起こした促進要因)を考えることにほかなりません。
B-1.当事者(=Xさん)は、この破局的悲劇がおこる前に、どなたか彼女を救命することができる可能性のある「誰か」と話——コミュニケーション——を する、機会を失いました。その「誰か」に該当する人たちの可能性と、何をその人に訴えればよかったでしょうか、また、なぜ訴えることができなかったでしょ うか? 理由を考えてみましょう。
B-2.皆さん御自身が、彼女ないしは彼女の子供の知人であったとしたら、何が彼女たちに降り懸かる「不幸の予兆」を見えなくさせてしまっていたのでしょ うか? もし、その知人が複数いたとすれば、その人たちの情報のネットワークに何か欠陥があったから、このような不幸が起こったのでしょうか? 「見えな くさせてしまった」要因やネットワークが、必ずしも悪くないものだとしたら、知人たちにまつわる今般の事件が「実際に起こってしまった現実要因」とは何で しょうか?
B-3.DV防止法(別途、資料参照)の施行移行、皆さん御自身が、行政当局や「女性相談センター」等の窓口担当者であれば、このような境遇にある多数の 「彼女」に対しての広報——コミュニケーション——が、十全に機能していなかったのではないだろうかと、反省する気持ちがおこるかも知れません。もし皆さ んがこのことで落ち込むようだとしたら、皆さんの「上司」はこう言って皆さんを慰めるかも知れません:「このケースは悲劇的だが、複数の要因が絡まったも のかもしれない。そうだとすれば我々には君が考えるほども問題や責任(=瑕疵[かし])がないかもしれない。私たちは今までどおり仕事を誠実にしていけば よいのだよ」。このような上司の慰めは、この問題を真摯に受け止める皆さんに、どのようなアドバイスとして映るだろうか? このセクションで述べている 「阻害要因」なのか、そうでないのか? 何が阻害として働くのか、それともプラスになるのか?
***
2013
年5月28日午前7時の豊中キャンパスにて:よもや本日このような授業をやるとは思いもよりませんでした!
以下資料集: 今回の授業に重要な文献ですので、必ず眼を通して復習しましょう!
■配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(平成十三年四月十三日法律第三十一号):いわゆるDV防止法
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律
(平成十三年四月十三日法律第三十一号)
最終改正:平成一九年七月一一日法律第一一三号
第一章 総則(第一条・第二条)
第一章の二 基本方針及び都道府県基本計画等(第二条の二・第二条の三)
第二章 配偶者暴力相談支援センター等(第三条—第五条)
第三章 被害者の保護(第六条—第九条の二)
第四章 保護命令(第十条—第二十二条)
第五章 雑則(第二十三条—第二十八条)
第六章 罰則(第二十九条・第三十条)
【前文—引用者注記】
我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、人権の擁護と男女平等の実現に向けた取組が行われている。
ところが、配偶者からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるにもかかわらず、被害者の救済が必ずしも十分に行われてこなかった。また、
配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現
の妨げとなっている。
このような状況を改善し、人権の擁護と男女平等の実現を図るためには、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護するための施策を講ずることが必要であ
る。このことは、女性に対する暴力を根絶しようと努めている国際社会における取組にも沿うものである。
ここに、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、この法
律を制定する。
第一章 総則
(定義)
第一条
この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以
下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい、配偶者からの身体に対する暴
力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むもの
とする。
2 この法律において「被害者」とは、配偶者からの暴力を受けた者をいう。
3
この法律にいう「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、「離婚」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚
姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚したと同様の事情に入ることを含むものとする。
(国及び地方公共団体の責務)
第二条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止するとともに、被害者の自立を支援することを含め、その適切な保護を図る責務を有する。
第一章の二 基本方針及び都道府県基本計画等
(基本方針)
第二条の二
内閣総理大臣、国家公安委員会、法務大臣及び厚生労働大臣(以下この条及び次条第五項において「主務大臣」という。)は、配偶者からの暴力の防止及び被
害者の保護のための施策に関する基本的な方針(以下この条並びに次条第一項及び第三項において「基本方針」という。)を定めなければならない。
2
基本方針においては、次に掲げる事項につき、次条第一項の都道府県基本計画及び同条第三項の市町村基本計画の指針となるべきものを定めるものとする。
一 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本的な事項
二 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の内容に関する事項
三 その他配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する重要事項
3 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
4 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(都道府県基本計画等)
第二条の三
都道府県は、基本方針に即して、当該都道府県における配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画(以下この条にお
いて「都道府県基本計画」という。)を定めなければならない。
2 都道府県基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本的な方針
二 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施内容に関する事項
三 その他配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する重要事項
3
市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、基本方針に即し、かつ、都道府県基本計画を勘案して、当該市町村における配偶者からの暴力の防止及び被害者の保
護のための施策の実施に関する基本的な計画(以下この条において「市町村基本計画」という。)を定めるよう努めなければならない。
4 都道府県又は市町村は、都道府県基本計画又は市町村基本計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5
主務大臣は、都道府県又は市町村に対し、都道府県基本計画又は市町村基本計画の作成のために必要な助言その他の援助を行うよう努めなければならない。
第二章 配偶者暴力相談支援センター等
(配偶者暴力相談支援センター)
第三条
都道府県は、当該都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするも
のとする。
2
市町村は、当該市町村が設置する適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするよう努めるものとする。
3 配偶者暴力相談支援センターは、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のため、次に掲げる業務を行うものとする。
一 被害者に関する各般の問題について、相談に応ずること又は婦人相談員若しくは相談を行う機関を紹介すること。
二 被害者の心身の健康を回復させるため、医学的又は心理学的な指導その他の必要な指導を行うこと。
三
被害者(被害者がその家族を同伴する場合にあっては、被害者及びその同伴する家族。次号、第六号、第五条及び第八条の三において同じ。)の緊急時におけ
る安全の確保及び一時保護を行うこと。
四
被害者が自立して生活することを促進するため、就業の促進、住宅の確保、援護等に関する制度の利用等について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整
その他の援助を行うこと。
五 第四章に定める保護命令の制度の利用について、情報の提供、助言、関係機関への連絡その他の援助を行うこと。
六 被害者を居住させ保護する施設の利用について、情報の提供、助言、関係機関との連絡調整その他の援助を行うこと。
4 前項第三号の一時保護は、婦人相談所が、自ら行い、又は厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行うものとする。
5
配偶者暴力相談支援センターは、その業務を行うに当たっては、必要に応じ、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体と
の連携に努めるものとする。
(婦人相談員による相談等)
第四条 婦人相談員は、被害者の相談に応じ、必要な指導を行うことができる。
(婦人保護施設における保護)
第五条 都道府県は、婦人保護施設において被害者の保護を行うことができる。
第三章 被害者の保護
(配偶者からの暴力の発見者による通報等)
第六条
配偶者からの暴力(配偶者又は配偶者であった者からの身体に対する暴力に限る。以下この章において同じ。)を受けている者を発見した者は、その旨を配偶
者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めなければならない。
2
医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その旨を配偶
者暴力相談支援センター又は警察官に通報することができる。この場合において、その者の意思を尊重するよう努めるものとする。
3 刑法
(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、前二項の規定により通報することを妨げるものと解釈してはならな
い。
4
医師その他の医療関係者は、その業務を行うに当たり、配偶者からの暴力によって負傷し又は疾病にかかったと認められる者を発見したときは、その者に対
し、配偶者暴力相談支援センター等の利用について、その有する情報を提供するよう努めなければならない。
(配偶者暴力相談支援センターによる保護についての説明等)
第七条
配偶者暴力相談支援センターは、被害者に関する通報又は相談を受けた場合には、必要に応じ、被害者に対し、第三条第三項の規定により配偶者暴力相談支援
センターが行う業務の内容について説明及び助言を行うとともに、必要な保護を受けることを勧奨するものとする。
(警察官による被害の防止)
第八条 警察官は、通報等により配偶者からの暴力が行われていると認めるときは、警察法 (昭和二十九年法律第百六十二号)、警察官職務執行法
(昭和二十三年法律第百三十六号)その他の法令の定めるところにより、暴力の制止、被害者の保護その他の配偶者からの暴力による被害の発生を防止するため
に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(警察本部長等の援助)
第八条の二
警視総監若しくは道府県警察本部長(道警察本部の所在地を包括する方面を除く方面については、方面本部長。第十五条第三項において同じ。)又は警察署長
は、配偶者からの暴力を受けている者から、配偶者からの暴力による被害を自ら防止するための援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるとき
は、当該配偶者からの暴力を受けている者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該被害を自ら防止するための措置の教示その他配偶者からの暴
力による被害の発生を防止するために必要な援助を行うものとする。
(福祉事務所による自立支援)
第八条の三 社会福祉法 (昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所(次条において「福祉事務所」という。)は、生活保護法
(昭和二十五年法律第百四十四号)、児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)、母子及び寡婦福祉法
(昭和三十九年法律第百二十九号)その他の法令の定めるところにより、被害者の自立を支援するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(被害者の保護のための関係機関の連携協力)
第九条
配偶者暴力相談支援センター、都道府県警察、福祉事務所等都道府県又は市町村の関係機関その他の関係機関は、被害者の保護を行うに当たっては、その適切
な保護が行われるよう、相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとする。
(苦情の適切かつ迅速な処理)
第九条の二
前条の関係機関は、被害者の保護に係る職員の職務の執行に関して被害者から苦情の申出を受けたときは、適切かつ迅速にこれを処理するよう努めるものとす
る。
第四章 保護命令
(保護命令)
第十条
被害者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫(被害者の生命又は身体に対し害を加える旨を告知してする脅迫をいう。以下この章において
同じ。)を受けた者に限る。以下この章において同じ。)が、配偶者からの身体に対する暴力を受けた者である場合にあっては配偶者からの更なる身体に対する
暴力(配偶者からの身体に対する暴力を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受け
る身体に対する暴力。第十二条第一項第二号において同じ。)により、配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた者である場合にあっては配偶者から受ける身体
に対する暴力(配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた後に、被害者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引
き続き受ける身体に対する暴力。同号において同じ。)により、その生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときは、裁判所は、被害者の申立てによ
り、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者(配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた後に、被害者が離
婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者。以下この条、同項第三号及び第四号並びに第十八条第一項において同じ。)に対
し、次の各号に掲げる事項を命ずるものとする。ただし、第二号に掲げる事項については、申立ての時において被害者及び当該配偶者が生活の本拠を共にする場
合に限る。
一
命令の効力が生じた日から起算して六月間、被害者の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この号において同じ。)その他の場所に
おいて被害者の身辺につきまとい、又は被害者の住居、勤務先その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないこと。
二
命令の効力が生じた日から起算して二月間、被害者と共に生活の本拠としている住居から退去すること及び当該住居の付近をはいかいしてはならないこと。
2
前項本文に規定する場合において、同項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加え
られることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間、
被害者に対して次の各号に掲げるいずれの行為もしてはならないことを命ずるものとする。
一 面会を要求すること。
二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
三 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
四
電話をかけて何も告げず、又は緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールを送信するこ
と。
五 緊急やむを得ない場合を除き、午後十時から午前六時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メールを送信すること。
六 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
八
その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、若しくはその知り得る
状態に置くこと。
3
第一項本文に規定する場合において、被害者がその成年に達しない子(以下この項及び次項並びに第十二条第一項第三号において単に「子」という。)と同居
しているときであって、配偶者が幼年の子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っていることその他の事情があることから被害者がその同居している子に関して配
偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは、第一項第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害
者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者に対し、命令の効力が生じた日以後、同号の規定による命令の効力が
生じた日から起算して六月を経過する日までの間、当該子の住居(当該配偶者と共に生活の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。)、就学する
学校その他の場所において当該子の身辺につきまとい、又は当該子の住居、就学する学校その他その通常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命
ずるものとする。ただし、当該子が十五歳以上であるときは、その同意がある場合に限る。
4
第一項本文に規定する場合において、配偶者が被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者(被害者と同居している子及び配偶者と同
居している者を除く。以下この項及び次項並びに第十二条第一項第四号において「親族等」という。)の住居に押し掛けて著しく粗野又は乱暴な言動を行ってい
ることその他の事情があることから被害者がその親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があると認めるときは、第一項
第一号の規定による命令を発する裁判所又は発した裁判所は、被害者の申立てにより、その生命又は身体に危害が加えられることを防止するため、当該配偶者に
対し、命令の効力が生じた日以後、同号の規定による命令の効力が生じた日から起算して六月を経過する日までの間、当該親族等の住居(当該配偶者と共に生活
の本拠としている住居を除く。以下この項において同じ。)その他の場所において当該親族等の身辺につきまとい、又は当該親族等の住居、勤務先その他その通
常所在する場所の付近をはいかいしてはならないことを命ずるものとする。
5
前項の申立ては、当該親族等(被害者の十五歳未満の子を除く。以下この項において同じ。)の同意(当該親族等が十五歳未満の者又は成年被後見人である場
合にあっては、その法定代理人の同意)がある場合に限り、することができる。
(管轄裁判所)
第十一条
前条第一項の規定による命令の申立てに係る事件は、相手方の住所(日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所)の所在地を管轄する地方裁判
所の管轄に属する。
2 前条第一項の規定による命令の申立ては、次の各号に掲げる地を管轄する地方裁判所にもすることができる。
一 申立人の住所又は居所の所在地
二 当該申立てに係る配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫が行われた地
(保護命令の申立て)
第十二条 第十条第一項から第四項までの規定による命令(以下「保護命令」という。)の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
一 配偶者からの身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫を受けた状況
二
配偶者からの更なる身体に対する暴力又は配偶者からの生命等に対する脅迫を受けた後の配偶者から受ける身体に対する暴力により、生命又は身体に重大な危
害を受けるおそれが大きいと認めるに足りる申立ての時における事情
三
第十条第三項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該同居している子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止する
ため当該命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時における事情
四
第十条第四項の規定による命令の申立てをする場合にあっては、被害者が当該親族等に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため当該
命令を発する必要があると認めるに足りる申立ての時における事情
五
配偶者暴力相談支援センターの職員又は警察職員に対し、前各号に掲げる事項について相談し、又は援助若しくは保護を求めた事実の有無及びその事実がある
ときは、次に掲げる事項
イ 当該配偶者暴力相談支援センター又は当該警察職員の所属官署の名称
ロ 相談し、又は援助若しくは保護を求めた日時及び場所
ハ 相談又は求めた援助若しくは保護の内容
ニ 相談又は申立人の求めに対して執られた措置の内容
2
前項の書面(以下「申立書」という。)に同項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がない場合には、申立書には、同項第一号から第四号までに掲げる事項
についての申立人の供述を記載した書面で公証人法 (明治四十一年法律第五十三号)第五十八条ノ二第一項 の認証を受けたものを添付しなければならない。
(迅速な裁判)
第十三条 裁判所は、保護命令の申立てに係る事件については、速やかに裁判をするものとする。
(保護命令事件の審理の方法)
第十四条
保護命令は、口頭弁論又は相手方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができない。ただし、その期日を経ることにより保護命
令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。
2
申立書に第十二条第一項第五号イからニまでに掲げる事項の記載がある場合には、裁判所は、当該配偶者暴力相談支援センター又は当該所属官署の長に対し、
申立人が相談し又は援助若しくは保護を求めた際の状況及びこれに対して執られた措置の内容を記載した書面の提出を求めるものとする。この場合において、当
該配偶者暴力相談支援センター又は当該所属官署の長は、これに速やかに応ずるものとする。
3
裁判所は、必要があると認める場合には、前項の配偶者暴力相談支援センター若しくは所属官署の長又は申立人から相談を受け、若しくは援助若しくは保護を
求められた職員に対し、同項の規定により書面の提出を求めた事項に関して更に説明を求めることができる。
(保護命令の申立てについての決定等)
第十五条
保護命令の申立てについての決定には、理由を付さなければならない。ただし、口頭弁論を経ないで決定をする場合には、理由の要旨を示せば足りる。
2 保護命令は、相手方に対する決定書の送達又は相手方が出頭した口頭弁論若しくは審尋の期日における言渡しによって、その効力を生ずる。
3
保護命令を発したときは、裁判所書記官は、速やかにその旨及びその内容を申立人の住所又は居所を管轄する警視総監又は道府県警察本部長に通知するものと
する。
4
保護命令を発した場合において、申立人が配偶者暴力相談支援センターの職員に対し相談し、又は援助若しくは保護を求めた事実があり、かつ、申立書に当該
事実に係る第十二条第一項第五号イからニまでに掲げる事項の記載があるときは、裁判所書記官は、速やかに、保護命令を発した旨及びその内容を、当該申立書
に名称が記載された配偶者暴力相談支援センター(当該申立書に名称が記載された配偶者暴力相談支援センターが二以上ある場合にあっては、申立人がその職員
に対し相談し、又は援助若しくは保護を求めた日時が最も遅い配偶者暴力相談支援センター)の長に通知するものとする。
5 保護命令は、執行力を有しない。
(即時抗告)
第十六条 保護命令の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
2 前項の即時抗告は、保護命令の効力に影響を及ぼさない。
3
即時抗告があった場合において、保護命令の取消しの原因となることが明らかな事情があることにつき疎明があったときに限り、抗告裁判所は、申立てによ
り、即時抗告についての裁判が効力を生ずるまでの間、保護命令の効力の停止を命ずることができる。事件の記録が原裁判所に存する間は、原裁判所も、この処
分を命ずることができる。
4
前項の規定により第十条第一項第一号の規定による命令の効力の停止を命ずる場合において、同条第二項から第四項までの規定による命令が発せられていると
きは、裁判所は、当該命令の効力の停止をも命じなければならない。
5 前二項の規定による裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
6
抗告裁判所が第十条第一項第一号の規定による命令を取り消す場合において、同条第二項から第四項までの規定による命令が発せられているときは、抗告裁判
所は、当該命令をも取り消さなければならない。
7
前条第四項の規定による通知がされている保護命令について、第三項若しくは第四項の規定によりその効力の停止を命じたとき又は抗告裁判所がこれを取り消
したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨及びその内容を当該通知をした配偶者暴力相談支援センターの長に通知するものとする。
8 前条第三項の規定は、第三項及び第四項の場合並びに抗告裁判所が保護命令を取り消した場合について準用する。
(保護命令の取消し)
第十七条
保護命令を発した裁判所は、当該保護命令の申立てをした者の申立てがあった場合には、当該保護命令を取り消さなければならない。第十条第一項第一号又は
第二項から第四項までの規定による命令にあっては同号の規定による命令が効力を生じた日から起算して三月を経過した後において、同条第一項第二号の規定に
よる命令にあっては当該命令が効力を生じた日から起算して二週間を経過した後において、これらの命令を受けた者が申し立て、当該裁判所がこれらの命令の申
立てをした者に異議がないことを確認したときも、同様とする。
2 前条第六項の規定は、第十条第一項第一号の規定による命令を発した裁判所が前項の規定により当該命令を取り消す場合について準用する。
3 第十五条第三項及び前条第七項の規定は、前二項の場合について準用する。
(第十条第一項第二号の規定による命令の再度の申立て)
第十八条
第十条第一項第二号の規定による命令が発せられた後に当該発せられた命令の申立ての理由となった身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫と同一の事実を
理由とする同号の規定による命令の再度の申立てがあったときは、裁判所は、配偶者と共に生活の本拠としている住居から転居しようとする被害者がその責めに
帰することのできない事由により当該発せられた命令の効力が生ずる日から起算して二月を経過する日までに当該住居からの転居を完了することができないこと
その他の同号の規定による命令を再度発する必要があると認めるべき事情があるときに限り、当該命令を発するものとする。ただし、当該命令を発することによ
り当該配偶者の生活に特に著しい支障を生ずると認めるときは、当該命令を発しないことができる。
2
前項の申立てをする場合における第十二条の規定の適用については、同条第一項各号列記以外の部分中「次に掲げる事項」とあるのは「第一号、第二号及び第
五号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事情」と、同項第五号中「前各号に掲げる事項」とあるのは「第一号及び第二号に掲げる事項並びに第十八条第一
項本文の事情」と、同条第二項中「同項第一号から第四号までに掲げる事項」とあるのは「同項第一号及び第二号に掲げる事項並びに第十八条第一項本文の事
情」とする。
(事件の記録の閲覧等)
第十九条
保護命令に関する手続について、当事者は、裁判所書記官に対し、事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項
の証明書の交付を請求することができる。ただし、相手方にあっては、保護命令の申立てに関し口頭弁論若しくは相手方を呼び出す審尋の期日の指定があり、又
は相手方に対する保護命令の送達があるまでの間は、この限りでない。
(法務事務官による宣誓認証)
第二十条
法務局若しくは地方法務局又はその支局の管轄区域内に公証人がいない場合又は公証人がその職務を行うことができない場合には、法務大臣は、当該法務局若
しくは地方法務局又はその支局に勤務する法務事務官に第十二条第二項(第十八条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の認証を行わせること
ができる。
(民事訴訟法 の準用)
第二十一条 この法律に特別の定めがある場合を除き、保護命令に関する手続に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法
(平成八年法律第百九号)の規定を準用する。
(最高裁判所規則)
第二十二条 この法律に定めるもののほか、保護命令に関する手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第五章 雑則
(職務関係者による配慮等)
第二十三条
配偶者からの暴力に係る被害者の保護、捜査、裁判等に職務上関係のある者(次項において「職務関係者」という。)は、その職務を行うに当たり、被害者の
心身の状況、その置かれている環境等を踏まえ、被害者の国籍、障害の有無等を問わずその人権を尊重するとともに、その安全の確保及び秘密の保持に十分な配
慮をしなければならない。
2
国及び地方公共団体は、職務関係者に対し、被害者の人権、配偶者からの暴力の特性等に関する理解を深めるために必要な研修及び啓発を行うものとする。
(教育及び啓発)
第二十四条 国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努めるものとする。
(調査研究の推進等)
第二十五条
国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に資するため、加害者の更生のための指導の方法、被害者の心身の健康を回復させるための
方法等に関する調査研究の推進並びに被害者の保護に係る人材の養成及び資質の向上に努めるものとする。
(民間の団体に対する援助)
第二十六条
国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るための活動を行う民間の団体に対し、必要な援助を行うよう努めるものとする。
(都道府県及び市の支弁)
第二十七条 都道府県は、次の各号に掲げる費用を支弁しなければならない。
一 第三条第三項の規定に基づき同項に掲げる業務を行う婦人相談所の運営に要する費用(次号に掲げる費用を除く。)
二
第三条第三項第三号の規定に基づき婦人相談所が行う一時保護(同条第四項に規定する厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行う場合を含む。)に
要する費用
三 第四条の規定に基づき都道府県知事の委嘱する婦人相談員が行う業務に要する費用
四
第五条の規定に基づき都道府県が行う保護(市町村、社会福祉法人その他適当と認める者に委託して行う場合を含む。)及びこれに伴い必要な事務に要する費
用
2 市は、第四条の規定に基づきその長の委嘱する婦人相談員が行う業務に要する費用を支弁しなければならない。
(国の負担及び補助)
第二十八条
国は、政令の定めるところにより、都道府県が前条第一項の規定により支弁した費用のうち、同項第一号及び第二号に掲げるものについては、その十分の五を
負担するものとする。
2 国は、予算の範囲内において、次の各号に掲げる費用の十分の五以内を補助することができる。
一 都道府県が前条第一項の規定により支弁した費用のうち、同項第三号及び第四号に掲げるもの
二 市が前条第二項の規定により支弁した費用
第六章 罰則
第二十九条 保護命令に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第三十条
第十二条第一項(第十八条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により記載すべき事項について虚偽の記載のある申立書により保護命
令の申立てをした者は、十万円以下の過料に処する。
附 則 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。ただし、第二章、第六条(配偶者暴力相談支援センターに係る部分に限る。)、第七条、
第九条(配偶者暴力相談支援センターに係る部分に限る。)、第二十七条及び第二十八条の規定は、平成十四年四月一日から施行する。
(経過措置)
第二条
平成十四年三月三十一日までに婦人相談所に対し被害者が配偶者からの身体に対する暴力に関して相談し、又は援助若しくは保護を求めた場合における当該被
害者からの保護命令の申立てに係る事件に関する第十二条第一項第四号並びに第十四条第二項及び第三項の規定の適用については、これらの規定中「配偶者暴力
相談支援センター」とあるのは、「婦人相談所」とする。
(検討)
第三条
この法律の規定については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜら
れるものとする。
附 則 (平成一六年六月二日法律第六四号)
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条
この法律の施行前にしたこの法律による改正前の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(次項において「旧法」という。)第十条の規定によ
る命令の申立てに係る同条の規定による命令に関する事件については、なお従前の例による。
2
旧法第十条第二号の規定による命令が発せられた後に当該命令の申立ての理由となった身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものと同
一の事実を理由とするこの法律による改正後の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(以下「新法」という。)第十条第一項第二号の規定によ
る命令の申立て(この法律の施行後最初にされるものに限る。)があった場合における新法第十八条第一項の規定の適用については、同項中「二月」とあるの
は、「二週間」とする。
(検討)
第三条
新法の規定については、この法律の施行後三年を目途として、新法の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるもの
とする。
附 則 (平成一九年七月一一日法律第一一三号) 抄
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。
(経過措置)
第二条
この法律の施行前にしたこの法律による改正前の配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律第十条の規定による命令の申立てに係る同条の規定に
よる命令に関する事件については、なお従前の例による。
※出典:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H13/H13HO031.html
■Mitzub'ixi Quq Ch'ij によるFBへの2013年5月28日の書き込み(あるユーザーの叫び!)
日本国に【憲法の精神】の尊重を!
自民党および公明党の国会議員の紳士淑女の皆さんゑ。男女の平等なくして日本国憲法の精神が本当に実現されたとは言えません。現行の日本国憲法のもとで
立法化されたDV防止法の前文(一部)を読みましょう!国会議員を含めて国民がまだ憲法の精神を十全に生かしきれていないことが、この文章の中に痛切に叫
ばれておりますよ。この立法は1946年憲法から60年後のニューミレニアムの時期にできたことを国民はよく考えるべできです。
「我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、人権の擁護と男女平等の実現に向けた取組が行われている。/ところが、配偶者から
の暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるにもかかわらず、被害者の救済が必ずしも十分に行われてこなかった。また、配偶者からの暴力の被害
者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっている」
(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(平成十三年四月十三日法律第三十一号):いわゆるDV防止法の前文の一部)
http://www.facebook.com/quqchij.mitzubixi
この人は、その直後に「今日の臨床コミュニケーションの授業は、予定を変更して、大阪天満の母子死亡事件を題材にすることに決めました!資料の アップはしばし待たれ」とも呟いている(2013年5月28日追記)
■授業による受講生によるプレゼンテーション(各班2分から5分程度)と教師・TAによる書き込み(画面で拡大します)
■(Mitzub'ixi Quq Ch'ij
の呟き)「地域の力」の疲弊とは、人口学的なもの?それとも成員のコミュニケーションの希薄さ?——学生や院生たちと議論して、コミュニティの成員関係力
をアップというのがいつも課題になります
■(Mitzub'ixi Quq Ch'ij
の呟き)今の僕の関心は、止められていたガス会社の封筒(大阪ガス?)に書かれてあった書き置きの意味です。子供へのメッセージ?、御自身の遺書?、ある
いはそれ以外の者へのメッセージ?、ある種の心情=アイデンティティの吐露? エクリチュールの暴力ってのは、デリダのテーマですが、彼女の「最後の抵
抗」鉛筆は最後の武器だったのではないかと思います。そうするとゴッフマン的にも読めるし、僕にとっては「声無き死者の声を代弁する」というこれまた暴力
的(冒涜的?)な表象実践にとって重要な意味をもつのです。
■下記の板書は、関西学院大学・社会学部開講の「臨床社会特論D」の授業で、上のワークを、各人でおこなった時に。私じしんが約10分間で書き
上げたものです。授業で説明しました。
■クレジット:
大阪天満母子死亡事件2013年5月24日(Dying alone of Mother and her son by hunger-starvation in Osaka, Japan: An aspect of Domestic Violence Victims)/池田光穂/臨床コミュニケーション 第 8回 2013年5月28日
この授業を担当したのは、池田(教材提供)のほかに、CSCD教員の西川勝さん、宮本友介さん、TAの京極重智さん、三輪俊太さんと、学
生・院生の受講者30数名の皆さんです!
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