臨床コミュニケーション(2013年)
授業の目的
1.臨床コミュニケーションという人間活動に関する基本的な考え方について 理解する。
2.さまざまなタイプの臨床コミュニケーションがもつ可能性と限界について理解する。
3.臨床コミュニケーションに関する「知」に基づいて、日常生活におけるさま ざまなコミュニケーション不全(ディスコミュニケーション)を発見し、具体 的な解決方法(→臨床コミュニケーションデザイン)を見いだすことができる。
講義内容
【この授業のねらい】
コミュニケーションメディアがどのように発達しようとも、人間のコミュニ ケーションは対人コミュニケーションが基本にあります。臨床コミュニケー ション関連授業は、この人間の基本的なコミュニケーションの様式にまつわる さまざまな事柄について、教員の変化に富んだ事例の提示と受講生どうしの共 同討議により運営しています。
良好な対人コミュニケーション能力をつけるためには、まず対人コミュニ ケーションについて基礎から入門することが得策です。臨床コミュニケーショ ン I とII は、この授業グループの基礎的な入門編として位置づけられていま す。これら両者の間に難易度の差はなく授業の方向性が異なるだけで、どちら か1つだけの受講をしてもかまいません。
今学期の授業は15回を目標におこない、次のような内容の授業展開でおこな います。(1)コミュニケーション入門、(2)身体への気づき、(3)五感を 働かせること、(4)言語現象への介入、という4つの柱から考えます。ただ し、それぞれの順番は論理的な展開を示したものではなく、それぞれのテーマ は相互に関連しますので、順序が逆転したり、議論が重複関連しますので予め ご了承ください。
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01. --04月09日(火)16:20〜 担当:(合同授業)池田光穂 臨 床コミュニケーション入門/附録「ヘルスコミュニケーション」
ハンドアウト資料:RINCOMhandOUT120409.pdf(パ スワードはありません。どなたでも見ることができます)
ハンドアウト資料2013年度版:humanCom120413.pdf(パ スワードはありません。どなたでもご覧になれます)
02. --04月16日(火)16:20〜 担当:池田光穂:キック・オフセミナー「専門分野の知識とクライアント分析能力と行動予測」
03. --04月23日(火)16:20〜 担当:宮本友介:
池田は、豊中での授業「メディア技法と表現リテラシー」(21世紀懐徳堂スタジオ1800-2110)があるために中途退出いたしま す。
04. --04月30日(火)16:20〜 担当:池田光穂:「デザ イナー・ベイビーについて考える」
05. --05月07日(火)16:20〜 担当:西川 勝:ディスコミュニケーションの諸相
06. --05月14日(火)16:20〜 担当:宮本友介:
07. --05月21日(火)16:20〜 担当:西川 勝:「ともに いる」
08. --05月28日(火)16:20〜 担当:池田光穂:「大阪天満母子 死亡事件2013年5月24日」
09. --06月04日(火)16:20〜 担当:宮本友介:「痛みを伝 える」
10. --06月11日(火)16:20〜 担当:池田光穂:「観察され ていない観察者を観察すること」or「ジャ ン=ジャック・ルソーは囚人のジレン マを感じるのか?」
11. --06月18日(火)16:20〜 担当:西川 勝:人間と嘘
12. --06月25日(火)16:20〜 【休講です御注意ください】
13. --07月02日(火)16:20〜 担当:池田光穂:「ヤクザと 臓器移植:臓器「売買」は金銭に還元することができるか?」
14. --07月09日(火)16:20〜 定期試験日(75分)
15. --07月24日(火)16:20〜 【事前に連絡した人以外は授業はありません御注意ください】
担当者別テーマ:
テーマ別索引・番外
教科書特に指定しませんが、必読文献はその受講者に配布します。
参考文献毎回の授業の中で指摘するほかに、ウェブページ等で提示します。
成績評価
平常点(60%)と筆記試験(40%)を基礎にして平常点(=質問・発話・コメ ントを通した授業の質向上への貢献)を加味して総合的に判断します。
講義で学んだことを後半の実習に反映させるために特に出席点と授業に対する 貢献度(質問やコメントを積極的におこなう)を重視します。
授業資料の解除コードは[ ]です。このコードは臨床コミュニケーション関連で使っているものと同じです。不詳の場合はにお問い合わせください。
ティーチング・アシスタント:
臨床コミュニケーションとは、人間が社会生活をおこなうかぎり続いてゆ く、ある具体的な結果を引き出すためにおこなう対人的コミュニケーションの ことを言います。ここで言う臨床とは、狭い専門領域としての臨床(clinic)で はなくその現場における実践状況(human care in practice)のことをさします。 臨床コミュニケーション研究において、このような脱専門領域の意識を共有す ることは重要です。なぜなら、臨床コミュニケーションとは、専門家どうしの 対話のみならず、専門家と普通の人(例えば患者など)、そして日常経験の中 に生きる普通のひとどうしの対話などから成り立っているからです。
コミュニケーションの不在や失敗を、私たちはディスコミュニケーションと 呼びます。ディスコミュニケーションは良好ではないという点で、いちはやく 「問題の発見」や「改善や治療」の必要性が叫ばれます。しかし、劣悪な関係 性であれば、コミュニケーションを遮断することが最善の選択になることだっ てあるはずです。我々はコミュニケーションとディスコミュニケーションの様 式を深く学び、それらを上手に操ることも必要なのです。良好なコミュニケー ションを目指す人は、ディスコミュニケーションについての深い理解が不可欠 です。(→ディスコミュニケーションの定義と理論)
■本講義では
このような「知」のあり方を自覚するために、様々な専門領域の大学院生ど うしの討論をおこないます。各自が専門領域以外の者と円滑にコミュニケー ションを図る能力、プレゼンテーション能力、および社会的判断力を身につけ ることを通して、ディスコミュニケーションを解消するための具体的なスキル の学習を目指しています。
■具体的には
異文化間、医療現場、紛争の現場における臨床コミュニケーションの特徴と 課題を理解するとともに、参加者が自分たちの生活の場面からディスコミュニ ケーション事例を持ち寄り、そのプレゼンテーションと解決のための討論を通 して、各領域におけるコミュニケーションの可能性と限界を明らかにします。 そして、この臨床コミュニケーションの将来の課題を皆さんとともに模索して ゆきます。
■さらに学びたい人は
臨床コミュニケーション関連の一連の授業があります。
■教員(=池田)とのコミュニケーション
メールアドレス:
キーワード臨床コミュニケーション、ディスコミュニケーション、人間の相互理解、臨床 知、実践知、現場力