デザイナー・ベイビーについて考える*
Talk on Designed Baby
in
Fiction
解説:池田光穂
「独裁制に効くワクチンを打ちにきました。おねがいし ます」少女マファルダの原画を左右に反転して日本語翻訳を付したものです
*スペアパーツ・ベービー(spare part(s) baby)とも呼ばれます
【背景説明】
ジョディ・ピコー『私の中のあなた』の翻訳者・川副智子さんの「訳者あとがき」(2009年)から
「13歳の少女、アナ・フイッツジェラルドが弁護士を雇って両親を訴える。これがこの小説の発端である。アナは白血病の姉ケイトのドナーとなるべく、遺伝
子操作によってこの世に生を受けた『デザイナー・ベイビー』で、新生児のときから姉の病の治療のために数々の犠牲を事実上義務づけられてきた。ケイトの病
状は一進一退を繰り返し、今、人造移植という新たな、そして最後の局面を迎えた。この移植手術を受けてもケイトが回るという保証はない。が、受けなければ
死がほぼ確実に待っている。そんな状況におけアナの突然の行動に姉妹の母サラは驚愕し、みずからの代理人として法廷に立つ決意をする。/重病にデザイ
ナー・ベイビーに親子裁判。しかも、アナと敵対する側の弁護士は母親だ」(一部表記を変えました)[川副 2009:358]
【登場人物】
【用語】デザイナー・ベイビーと は?
デザイナー・ベイビー(これは 「デザインされた 赤ちゃん(designed baby)」と呼ぶほうがより的確です)とは、出生前に受精卵を操作したり、より好みにあったものを選別したりして、生まれた赤ちゃんのことです。現時点 では、細かい遺伝子上のデザインはまだ困難ないしは不可能ですが、男性/女性の産み分け——性染色体の種類を調べることを通して卵子を選別する——は可能 なので、そのような産み分けられた赤ちゃんは、広義のデザイナー・ベイビー(デザインされた赤ちゃん)と呼ぶこともできます。
The term "designer
baby" was originally derived from "designer
clothing" and used pejoratively as implying commodification of children
- Wikipedia in English
【課題】
(1)デザイナー・ベイビーを産むことができるのでしょうか?(科学的・倫理的観点から見て)
(2)アナは、ケイトのために生まれてきたわけですから、ケイトのための「責務」を放棄すると、生まれてきた理由が見つからない、つまり生きる価値がない
と[アナが医療的協力を拒否したら、両親の側から]言われしまいそうですが、それに対してあなたはどう考えるでしょうか?(賛成/反対の立場から、それぞ
れ考えてみましょう)
【この授業のワークの結果】
【関連リンク】
【参照】倫理学について:はこちらから参照してください.
クレジット
臨床コミュニケーション2013年4月30日 デザ イナー・ベイビーについて考える 池田光穂
リンク
文献
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099
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CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099