アナウンスメント効果
Announcement Effect
アナウンスメント効果(日本語ではアナウンス効果;Announcement Effect)とは、ニュースや政府の広報の結果、株式市場における変動をもたらすことを言う。そこから転じて、人々の行動を変えることを目論見て行う ニュースや政府の広報が、真逆のあるいは予期しなかったように変化することをアナウンスメント効果ということができる。
"Announcement effect broadly refers to the impact that any type of news or public announcement — especially when issued by government or monetary authorities — has on financial markets. It is most often used when speaking of a change in security prices or market volatility that results directly from a piece of significant news or a public announcement. It also could refer to how the market would react upon hearing the news that a change will occur at some point in the future." - Investopedia.
株価の影響が、市場や景況とは無関係なところで変動するのは非合理的であるので、一般にはアナウンスメント効果を前提にした「インサイダー取 引」は不公正な取引として戒められるが、実際には景況は、市場の「気分」次第というのは、元FRB議長のグリーンスパンの常套句のとおりである。
投票行動の分析には、アナウンスメント効果を考える理論がある。
「戦略投票を行うには、選挙結果の予測を得なくてはならない。マスコミ各社の世論調査結果は、大抵の有権者にとって予測を得る絶対的な手が
かりであり、これを基にして戦略投票が行われる。すると、報道内容がその選挙制度のナッシュ均衡の一つを表現している場合は、予言の自己実現が成り立ち、
世論調査をマスコミが操作したか否かに関らず、報道された結果が実現する。このように風聞・報道内容が結果を左右する現象はアナウンス効果と呼ばれ、バン
ドワゴン効果とアンダードッグ効果(いわゆる「判官びいき」)の相乗からなるともいわれる。/予言の自己実現効果がない=ナッシュ均衡から外れた報道内容
なら、アナウンス効果は起きない。結果を報道内容に近づける効果を持たないため、報道内容を操作すると結果と異なってしまい、予測を得る手がかりとしての
信用を失うからである。逆に予言の自己実現効果がある報道内容なら、報道内容を操作しても結果と同じになるため、予測を得る手がかりとしての信用を高め
る」戦略投票)
アナウンスメント効果の変種としてオズボーン効果(Osborne effect)というものがある。「1983年、オズ ボーン・コンピュータ社のアダム・オズボーン(Adam Osborne, 1939-2003)は、未完成だった次世代のコンピュータ製品である「エグゼクティブ」と「ヴィクセン」を発表し、これらが現在の製品を性能面で大きく 上回っていることを強調した。顧客の間ではこれらの次期製品を待つための買い控えが起き、オズボーン社の売上は急落した。これがキャッシュフローと収益を 悪化させ、数ヶ月後にオズボーン社は倒産した」という逸話からきたマーケティング用語である。
"Adam Osborne damaged his company's current sales when he began
showing the Osborne Executive to journalists in early 1983. Dealers
rapidly started cancelling orders for the Osborne 1 in anticipation of
the new Executive. Unsold inventory piled up and in spite of dramatic
price cuts – the Osborne 1 was selling for $1295 in July 1983 and $995
by August – sales did not recover. Losses, already higher than
expected, continued to mount, and OCC declared bankruptcy on September
13, 1983. Disagreement exists on whether the Osborne Effect
truly caused the company to collapse, with Robert X. Cringely and
Charles Eicher attributing its failure to other causes." - The
Osborne Effect.
"The Osborne 1 is
the first commercially successful portable microcomputer, released on
April 3, 1981 by Osborne
Computer Corporation"
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文献
その他
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