かならずよんで ね!

病気概念の理論的分類の可能性と限界

Potentialities and Limits of the Concept of Sickness

池田光穂

    •    Young, A., The Anthropologies of illness and sickness. Annual Review of Anthropology 32:257-285.
    •    一般の人が感じる病気を病い(illness)、専門家の人が治療するための病気の概念を疾病(disease)とすることに興味を覚えた。
    •    病気(sickness)に関する全体的な経験を、病いと疾病(時に疾患と訳すこともある)に分けることは、とりわけ、医療の専門家にとっては、病人やそ の家族の経験や理解について配慮させる意味で、きわめて重要だからである。
    •    他方で私が、A・クラインマンのヘルスケアシステムについて学んだ時に、ふと思ったのは、民俗セクターすなわち非西洋医療に従事する専門家たちは病気を分 類するのかについて、この図では示されていないと感じた。
    •    ヘルスケアの3つのセクターは、1)民間セクター popular sector; 2)民俗セクター folk sector ;3)専門職セクター professional sector で分けられる。
    •    病いと疾病の二分法では、民俗セクターの専門家(例:シャーマン)が、果たしてどちらに分類されるのかが不明である。
    •    他方、民俗セクターは明らかに、専門職セクターよりも民間セクターからのリクエストに答え、治療手段を提供しているはずである。

    •    ヤングの図式は、病気の概念はともすれば領域の強度の違いというふうに誤解される可能 性があるために、むしろ、集合論における2つの属性の要素の分類を図示したベン図になぞらえて考えたほうがよいのではないか?その図においては、一方で は、病いに関わると同時に、時に「西洋医学では治せない病気もこのシャーマンは治せる」という言明と、経験的にそのようなケースを、このベン図では説明で きるのではないか?と私は考える。


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