「事故報告書」あるいは障害レポートの書き方
工学コミュニケーションの基礎(TW07)
【今日の教材】障 害レポート(TAKA_shigeko_tec_writing-7.pdf)
以
下は目次
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会社や組織の器物を業務上のなかで損壊さ せた時の報告書は「事故報告書」と言います。
事故が起こって緊急の対処行動が終わって から、上長あるいは物品の管理責任者に以下のようなことを報告する義務があります。
【ヘッダー】事故報告書
日付
____________センター長 様(組織の上 長)
会計____係長 様(管理責任者)
報告者所属:
報告者氏名:[押印省略※](電子報告が一般的に なったため)
事故の概要
1)発生日時:
2)発生場所:
3)事故の種類:
4)事故の概要:
5)対処の方法:
6)現況と保管場所等:
7)再発防止にむけての今後の対応:
8)その他の特記事項:
雛形をワードの文書で添付しています(パスワードな
し:Incident_report_cscd)
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7.1 障害報告書の作成ポイント
7.1.1 情報が整理されておらず、ビジネス文書 のフォーマットに則っていない事例の紹介
7.1.2 情報を論理的に整理し、ビジネス文書の フォーマットにのっとってまとまった事例の紹介
改善前 |
改善後 |
・文書の必須の要素が適切に書かれていない! ・内容がわかりにくいタイトルになっている |
1. 文書の必須の要素を適切に書かれています(7.3) |
・情報が整理されていない ・最後まで読まないとわからない |
2. 社外文書としての形式を整えて書いています(7.3) |
・概要と事実が分けておらずごっちゃになってる! ・何をどこまで報告したいのか、わかりにくい。 |
3. 概要と事実を分けて整理してしています(7.4) |
・障害内容、障害原因、再発防止策は書かれているが、順番がそのように なっていない | 4. 障害内容、障害原因、再発防止策の順に書かれている(7.5) |
・結局のところの原因を究明していない |
5. 原因をわかりやすく書いている(7.6) |
・安心感を与える再発防止策が書けている | 6. 安心感を与える再発防止策を書いている(7.7) |
7.2 障害報告書の読み手とロジックツリー
7.2.1 読み手は情報システムの担当者だけでは ない、ことを意識しよう!
7.2.2 ロジックツリーを使えば情報が進む
通信障害のロジックツリー(177ページ):1) What?:障害内容;2)Why? :障害原因;3)How?:再発防止策
7.3 必須要素を適切に書き、社外文書の形式を整 える
7.3.1 必須要素は、ビジネス文書の情報とし て、欠かさず、適切に書く(年月日、相手先、発信源、内容、連絡先)(※障害報告書を受け取る人は「怒っている・困惑している・迷惑感をもつ」を忘れず に!)
7.3.2 社外文書では、頭語(頭語)・結語や挨
拶文として適切に書く(「拝啓、ますますご清祥のこととお喜びもうしあげます」→
「以上、ご報告いたします。敬具」はセットで理解する)
7.4 概要と事実を分けて整理する
7.4.1 主文で概要を述べ、事実は「記(き・し るす)書き」に整理する
7.4.2 事実が整理されていない文書は読みにく い(上手に書くコツ:時系列に順を追って事実を書き、整理すること。原因→経過→結果(対処を含む))
7.4.3(番外):障害レポートでは、事実=客観
的現象と意見=主観的見解をごっちゃにしない。
7.5 事実、原因、対処の順に書く
7.5.1 事実を理解の順に整理して伝える:分析 書は、1)事実→2)原因→3)対処の3つのセットからなり、それは、障害レポートの、1)障害内容→2)障害原因→3)再発防止策にそれぞれ対応する
7.5.2 読み手やニーズに合わせて構成をかえ る。大学生と小学生に、壊れたおもちゃの説明をすることを想定せよ!
●障害レポートの詳細例
1)障害の概要:1.1)発生時期、1.2)発生 場所、1.3)障害状況
2)障害の原因:2.1)未確認か、確認かの区 別、2.2)確認済みの場合にはその内容
3)障害が発生したシステム
4)障害に対する措置・復旧の見込み
5)障害再発防止策:※顧客を安心させ、失った信
用を回復するものだが、必ず正確な情報にする。虚偽や不正確は、その後にますます信用を落とす(=墓穴を掘る)
7.6 原因をわかりやすく書く
7.6.1 一文一義にし、伝えたい内容をまとめる
7.6.2 専門用語を多用しすぎない
7.6.3 言い訳や責任逃れの印象を「絶対にして
はならない」(かといって、全面降伏や全部ケアするとは言わない。障害レポートの執筆を前に最初の約款をよみ、クライアントに何をどこまでやるかの合意を
上司と相談)
7.7 再発防止策を示し、安心感を与える
7.7.1 その場かぎりの対応ではなく、再発防止 の取り組みを伝える
7.7.2 コミュニケーション不足、仕様の確認不
足の場合の、再発防止策の書き方
7.8 リスクを減らすポイント
7.8.1 障害報告書の品質を高めるチェックリス ト(→188ページにもあるが、■チェックポイントを参照にしてください)
7.8.2 トラブル対応の文書がリスクにつながら ないように:根拠のない言い切り、個人的な意見は回避する
7.8.3 報告書作成のプロセスと対応を記録し、
共有(シェア)しておきます:ダメ事例が189ページにあります。
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実践トレーニングの作成例と解説(Pp.192- 193)
■チェックポイント(192ページ)
□ 必須の要素を欠かすことなく、適切にかけている か?
□ 主文の挨拶文(簡潔でいいと思うけど)頭語と結 語が適切に書けている
□ 挨拶文の続きは、概要が入っている
□ 「記(き・しるす)書きは、障害の内容、障害原 因、再発防止策の3つに分けて見出しをつけて整理している
□ それぞれの文章は、情報を取捨選択してまとめて いる
□ 一文一義で書いている
□ 文末には、今後の利用に向けてのお願いを書いて いる
□ 問い合わせ先の情報を整理して書いている
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