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掘削機(くっさく き)業界における破壊的イノベーション

On Disruptive Technological Change in the Mechanical Excavator Industry


掘削機業界における破壊的イノベーション:https://bit.ly/3breSnq

池田光穂

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p.97
(はじめに)蒸 気ショベルSteam shovel)から掘削機に
・大企業は持続的イノベーションを維持
・破壊的イノベーション(油圧式)は、大企業の機械式ショベルの市場を破壊した
・油圧式勝利まで20年かかる

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★持続的イノベーションのリーダシップ
・1873-1920年代まで蒸気式ショベル
・蒸気式ショベルは、プーリー、ドラム、ケーブルによる構成
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・32社以上の蒸気式ショベルメーカー
・1920年代、ガソリンエンジンの登場
・蒸気から内燃機関へ
・ガソリンショベル;ギア、クラッチ、ドラム、ブレーキによりケーブルを操作
・蒸気から内燃機関に変わってもイノベーションは持続的

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・25社のうち23社は、ガソリン式に シフトできた。
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・ガソリンからディーゼルへ
・これらのイノベーションは持続的(→ノーマルサイエンスと科 学革命[破壊的イノベーション]?)
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・図3.2の持続的イノベーションの航 跡
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★破壊的な油圧技術の影響
・1945-1960年代後半に、油圧式駆動システムの登場
・ケーブル掘削機30社のうち油圧式を採用したのはわずか4社(=破壊的イノベーションの採用には二の足を踏む?)
・油圧式の開発は新規参入者を生む(日本の日立や小松なども含まれる)[→なぜか?]
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★機械的掘削機市場で求められる性能
・掘削機に求められる機能
・油圧式メカニズムがもたらした、汎用性の誕生:1)一般掘削、2)長い溝、3)露天堀り
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・1)一般掘削、2)長い溝、3)露天 堀り、で求められる機械の性能が異なる
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★油圧式掘削機の出現と向上の軌跡
・1947年最初の油圧式

p,104 機械式掘削機市場における油圧式技術の破壊的影響
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・初期の油圧式、バックホー形式
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・掘削機の処理機能の向上が指数関数的 に増加(図3.3)
・初期油圧は、一般にも、長い溝掘りにも適さなかった
・バックホーは、小型のトラクターの後部につける装置として出発
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・初期油圧装置のユーザー(顧客)の チャネルは、ケーブル式の顧客と異なるチャネル(=販路流通)をもつ
・「ボブキャット」(図3.4)
BACKHOE LOADER(ボブキャット社)
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・掘削機の処理機能の向上が指数関数的 に増加(図3.3)の解説
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★実績ある掘削機メーカーによる油圧式 への対応
・ビュサイラス社の、バックホーメーカーの買収
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・ビュサイラス・エリー(人名)の「ハ イドロホー」の新製品
Hydro hoe cutter blade(現在我々がみるショベルカー)

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・図3.5(110ページ)の解説
・ドラッグショベル
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・ビュサイラスのハイドロホー販売の不 成功
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・図3.6(111ページ)の解説
・機械式掘削企業における、新規参入メーカーと実績あるケーブルショベルメーカの再度参入(1960年-)
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・図3.6(111ページ)機械式掘削 企業における、新規参入メーカーと実績あるケーブルショベルメーカの再度参入(1960年-)
・油圧ショベルとハイドロホーのハイブリッドを採用(→既存の顧客向けの持続的イノベーション)
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・1940-1950年代の新規参入は 油圧を「当然のものとして」受け入れる
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・主流の掘削業社のニーズを満たしたの は油圧を採用した新規参入業社だった
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・ケーブル式メーカーは、油圧を積極的 には採用せず、市場から後退する
・油圧式は小規模事業社へのニーズを満たし、既存大企業はそれに応えることができず、新規参入社が市場を制した
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・新規参入と実績ある企業の間の類似の 現象が、HDD、鉄鋼、コンピュータ、自動車にみられる
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★ケーブルと油圧の選択
・図3.3の見方:業界の競争力学の変化で、主流の掘削業者は、機械購入の基準を変化させる(→油圧採用への変化)
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・工事業社は、ゲーブルよりも油圧の安 全性が高いことに気づき、油圧に乗り換えるようになる
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★油圧式の普及の影響と意味
・ケーブル式大企業の敗因の分析:新規の油圧製造部門の創成と油圧バリューネットワークを組み込む努力が足らなかった
・ただし、そのような破壊的技術を使わなかったことが必ずしも「悪い」というわけではない。
・油圧は、既存の顧客には(その導入初期には)必要のない技術であった。 
・既存大企業は、ケーブルの仕事量を効率化する方向に専念した
・既存大企業は、油圧式について知識がなかったわけではない。油圧を重要視しなかっただけ(=「意味がなかった」)
・つまり、意味=意義を発見した時には、新規参入業者が席巻していて、市場参入への遅れを取り戻せなかった
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・持続イノベーションと破壊イノベーションにおける企業の成功と失敗 は、マネジメントに由来する
・破壊的技術は、イノベーターをこのようなジレンマに陥れる
・従来の、1)努力、2)鋭敏、3)積極投資、4)顧客の意見を傾聴する、という方法は、破壊的技術を扱うには何の役にも立たない、これが結論

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