はじめによんでください

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

互酬性・互酬制の正しいページはこちらです

reciprocity, reciprocal institution; GOSHU-SEI

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

池田光穂

交換(exchange) モノ(A)とモノ(B)を交換する行為。 交換する両者の間にAとBが同じ価値を持ちうるという合意がないと交換は成立しない。また、交換には等価である合意に達するために、値引き(バーゲニン グ)などの社会的行為を生み出す。モノ(B)のBが貨幣の場合も、交換の一種であるが、それは、市場(market)と呼ばれる。
互酬(reciprocity) 互酬というのは、現金でもモノでも、決済 が一回きりで終わらないシステム。貸し借りがその場でおわらないために、商品や贈答のやり取りはその場で終わるが、その貸し借りの関係性が永続的に続く。 この説明で違和感がある人は、親族や友人の間での、お中元やお歳暮のことを想像してほしい。贈られたものの額面に相当すると思うものを返礼にするが、価格 がわからないことが、「それらしい返礼」合戦が続くことで理解できると思う。
再分配(redistribution) 再分配は、貯められたものをその提供者の 間にもう一度返すことであるが、別に細かい明細を提供者が持っているわけではないので、再分配は、見せたがり的(=衒示的=げんじてき、という)な儀礼が 伴うことが多い。クワクワカワクのポトラッチ儀礼は、再分配の典型的な例としてしばしばあげられるが、ポトラッチの歴史的面白さにはまってしまい、それが 再分配であることを忘れてしまうぐらい素敵なもの(=歴史的な儀礼)である。
市場(market) 貨幣を媒介にする交換行為であるが、貨幣 という抽象物を媒介する点でユニークである。この場合、マルクス主義的経済学の発想であるが、価値概念の峻別が需要になる。つまり、それを使いかつ消費す ることで生まれる価値(=使用価値)と、貨幣自身がもつ普遍的な価値(=交換価値)がある。このため、マルクスは、貨幣のことを普遍的商品であるとした。