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提 喩・シネクドキ

synecdoche


池田光穂

提喩 (synecdoche):ていゆ・シネクドキとは、喩えるものと喩えられるものの関係が包含・発展(成長)・変化の関係で示 される表現のことである。表象による表現の一種であり、両者の関係が包含・発展(成長)・変化の関係で示される修辞で ある。提喩(ていゆ)あるいはシネクドキと呼ばれる。よく使われる例として「親子どんぶり」がある。どんぶりに載っている卵と鶏は親子でも何でもないが、 鶏は卵の成長のタイプであるので、親子という喩(たと)えはシネクドキに相当する。ロマン・ヤコブソン(1973:209)はロシアの婚礼歌を例文にした 分析のなかで、玄関は屋敷に対して提喩の関係にあるとのべている。

このような組みあわせのものと しては次のようなものがある:集合とその要素、 全体と部分、 一般と特殊、 物体と材料、など。

上位概念で下位概念を表す例

花見:この「花」は、その一種 である「桜」を意味する。

「石」:文脈により、半導体素 子や、宝石類などを意味する。

「本」:演劇関係者の間でシナ リオを意味する。

「笛」:音楽関係者(特にオー ケストラ)の間ではフルートを意味する。同じく「ラッパ」はトランペットを意味する。

下位概念で上位概念を表す例

「お茶でも飲みに行きません か」:ここでの「お茶」は「飲み物」全般を意味する。

「人はパンのみに生くるにあら ず」:ここでの「パン」は「食べ物」、あるいは広く「物質的充足」を意味する。

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