かならずよんで ね!

ダメ絶対からハームリダクションへの道

What is harm redution?

ダメ・ゼッタイの発想からハームリダクション的考え方 に!!!(What is Harm Reduction? by AIDS Action Europe Berlin, の画像を改造しました)

池田光穂

日本では、麻薬は(あらゆる指定薬種において)「ダ メ絶対!」の方針——それを非寛容政策(zero-tolerance policy)といいます——にしたがって、麻薬はすべて絶対悪のように大衆に宣 伝されています。

これは現在でも、違法取引されているヤクザなどの資 金源や覚せい剤中毒などの社会問題などの観点などから、これまでは、止む終えない措 置であったと言えます。

しかしながら、この政策には社会的に「薬物に関する 偏った」イメージを撒き散らすだけでなく、「薬物利用に関する正確な知識」を習得する妨げになっているのみならず、薬物依存者へのスティグマ(=社会的烙 印)のはりつけや、偏見や差別のみならず、元利用者や依存者などの社会的復帰に大きな障害にもなっています。つまり、「ダメ絶対!」の方針には、薬物利用 がなぜ起こるのか、そして、当の利用者が、その依存から回復したいという声や意識への社会的支援への障がいになっている面も否定できません。

このページの旧い表題であった「麻薬=絶対悪の《誤 り》」 をみただけで、拒否反応を起こし、薬物依存者の依存に陥る社会的原因や、依存からの回復にむけての努力に関しては、以前として《無知》と《無理解》のまま では、その支援にも啓かれる可能性もありません。もちろん、「麻薬=絶対悪の《誤り》」は、麻薬の利用を進めたり容認するものではありません——日本は法 治国家であり、国民には遵法の義務があり、はじめて権利を保障されるものでもあるからです。そのため「薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ・」ホームページ」にもリンクして、このページの 利用者は、そこで主張されている内容を冷静に吟味することも、求められています。

私は「麻薬=絶対悪の《誤り》」説の限界を克服する ことは、「麻薬=ほぼ悪」の枠組みを維持しながら、薬物依存—— 依存にはマイナスイメージがあるので薬物利用者に変えようという動きもあります——にある人たちへの回復への支援の可能性を広げることにあります。

このような方針を、ハームリダクションといい、欧米——英国、オランダ、EUの多くの国、オーストラリアなど ——で導入がはじまっています。

このページは、「麻薬やドラッグって、多少はいいん じゃないか?」という見解に対して、「ダメ絶対!」の方針に臨むのではなくて、「なぜ《多少はいいんじゃないか?》ということが依存に陥る心理的、社会的 罠である」と主張するためにあります。まずは、依存症の医薬(ヘロイン系のいわゆる「ダウン系」のドラッグが含まれる)の作用とその研究の歴史を、予備知 識なしに簡潔に紹介するページになっています。このような発想も、ハームリダクションの思想——闇雲に禁止したり恐れてそのことについて無知のままでいる よりもより正しく知ったほうが依存症に陥るリスクは回避できる——に繋がっています。


This video explains what harm reduction is and how it benefits people who use drugs, as well as their families and communities. by AIDS Action Europe Berlin.
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Harm reduction is considered to be a powerful approach to enhance the intervention options for addiction problems and has been introduced to the majority of the countries that report drug use problem. The term "harm reduction" itself was first brought to Japan in the early 1990s. Yet the discussion on integrating the harm reduction approach to the Japanese situation didn't start until recently. The authors discuss (i) the four salient features in regard with the acceptance of and the resistance to the idea of harm reduction, and (ii) the importance of the peer-led initiatives in Japan, then, (iii) indicate the possibility of practice based on "compassionate pragmatism." - http://hdl.handle.net/11094/53836

本 稿では、日本における依存症からの回復支援に、ハーム・リダクションの考えがどのように寄与するか、その可能性を検討する。ハーム・リダクションを導入す ることの根拠は、飲酒・薬物乱用等による健康被害が進んだり、生活再建が著しく困難になったりする前に、個人をケア資源にむすびつけ、依存の深刻化を防ぐ ことができるということである。他方、日本のアルコール・薬物依存症への介入理念(ポリシー)は、長い間、禁酒・断薬、司法における厳罰主義が標準とされ てきた。それゆえ、日本では、ハーム・リダクションについての誤解と抵抗が専門家の間でも見受けられることがある。本稿では、日本における依存症者と依存 症介入における4つの特徴を指摘する。そして「共感的プラグマティズム」と「ハーム・リダクション連続体」の考え方を紹介して、日本の当事者運動から生ま れたサポート・プログラムを位置づける。- http://hdl.handle.net/11094/53836

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Maya_Abeja

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