ワークショップ
「福祉・看護・医療における人文・社会科学の挑戦」
■ 日時:2006年1月7日(土)−1月8日(日)
1月7日(14:00〜20:00)、1月8日(9:00〜17:30)
■ 会場:大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(万博記念公園万博 記念ビル内)
交通アクセス:大阪モノレール「万博記念公園駅」下車、南へ徒歩5分(ホテル阪急エキスポパークの東隣(向かって左)の建物です)。
■ 人文・社会科学者の「学びとネットワーク作り」
本ワークショップは、福祉・看護・医療領域で教育・研究にたずさわる人文・社会科学(人類学、倫理学、哲学、社会学など)の若手研究 者、ベテラン研究者の「学びとネットワークづくり」の場を提供します。異分野の研究者との交流をつうじて異分野について学びあうこと。分野を問わず研究・ 教育では、今、どのような問題に直面しているのか、どのような試行錯誤をしているのか、について経験やノウハウを学びあうこと。こうした活動をつうじて、 人文・社会科学の共有知を作りだし、多様な知を結びつけること。また、参加者それぞれが、この場かぎりのものではない人的ネットワークを作ること。本ワー クショップでは、これらのことを目指しています。
今日、福祉・看護・医療領域の人文・社会科学者は、さまざまな困難に直面しています。たとえば、「短期的な成果」への期待。「今すぐ 役に立つ研究(教育)を」という風潮があり、そうした風潮も含めて現状を問いなおす、という人文・社会科学のエートスを貫くことは困難にも見えます。ある いは、研究領域の細分化。研究領域は細分化していますが、細分化が進めば進むほど、他領域の研究を見とおすことはむずかしくなります。他方、研究において も、教育においても、他領域の成果を知ることの必要性は高まりこそすれ、低くはなっていません。研究においては、たとえば、社会学、人類学の知見を抜きに 医師−患者関係を倫理学的研究はむずかしいでしょう。逆もまたしかりです。また、教育においては、人文・社会科学者は「文系の先生」として一括され「何で も屋」であることが、しばしば求められます。たとえば、倫理学者が社会学の講義を求められる、人類学者が倫理学の講義を求められるということは珍しくあり ません。
しかし、こうした状況は知の創造のチャンスでもあります。「何でも屋」であることは、他領域からの刺激を受ける機会が多いということ であり、そうした刺激は自領域の研究、教育へとフィードバックすることで、新たな展開を可能になるかもしれません。とはいえ、「短期的な成果」を求める風 潮があり、時間的余裕もそれほどないなかで、困難をチャンスに変えることは、一人ではなかなかむずかしいでしょう。他領域のことを学ぶにあたって最良のガ イドは「人」=その領域の研究者のはずですが、そうした「人」に出会えなければ、広大な「知識の砂漠」をさまようことになりかねません。相互に「知のガイ ド」になり、学びあえるような結びつきが、困難な状況を創造性の契機とするためには必要なのです。
そこで、本ワークショップは、人文・社会科学の創造性を失わずに高めるための「学びとネットワークづくり」の場となることを目指しま す。
■ 対象者
(1) 福祉・看護・医療の現場で、人文科学および社会科学の教育に携わっている研究者。
(2) 人文科学および社会科学領域において福祉・看護・医療の諸活動を研究対象としている者。
■ 定員
30名
■ 受講料
無料。別途、資料代・昼食代・懇親会費が必要。
■ 参加条件
予約が必要です。予約された方は2日間確実に出席することが条件となります。
■ 申し込み方法
氏名、連絡先となる住所、電話番号、メールアドレスを記入の上、事務局宛にメールを送りください。
■ 宿泊について
会場までの旅費、宿泊費は自己負担となります。会場に隣接するホテル阪急エキスポパーク(tel:06−6878−5151、 http://www.htl-expopark.jp/)への予約をお勧めします。
■ 主催
大阪大学コミュニケーションデザイン・センター
■ 実行委員会
医療社会学:黒田浩一郎、佐藤純一、中川輝彦
医療倫理学:土屋貴志、村岡潔、美馬達哉
医療人類学:池田光穂、奥野克巳
事務局:池田光穂(大阪大学CSCD)・工藤直志(事務局長)
◆ ワークショップ・クロニクル