Muchas Gracias! 感謝のコーナー2001年版 Thanks a lot!
みなさま、ほんとうに、ありがとうございました!
このコーナーは、池田光穂ならびに私の属する研究室に寄贈された書 籍・報告書・論文別刷・CD-ROM資料などをアップすることで、感謝の意を表明し、またコメント等を掲載することで、執筆・制作者の方々の努力にお応え するものです。讃美・罵倒などコメントは、あくまでも受け取った池田の責任において情報発信するもので、コメントされた、それらの著作物等の販売促進や名 声の向上(あるいはその逆の社会効果)を目的とするものではありません。
書籍・報告書関係
慶田勝彦「書評:E.E.エヴァンズ=プリチャード(向井元子訳)『アザンデ人の世界——妖術・託宣・呪術』みすず書房、2001年」『アフリカ研究』59:116-122. 2001
我が国における学術書の書評というジャンルを、分析・構成的論考というスタイルに変えることに貢献し た慶田さんの力業に完全に脱帽です。現在、考えている論文のアイディアにもおおいに参考になりました。3月末までのケニアでのフィールドワークがんばって ね〜!(2001.12.26)
法政大学大原社会問題研究所編『ポスターの社会史:大原社研コレクション』ひつじ書房、2001年10月
福島真人『暗黙知の解剖—認知と社会のインターフェイス』金子書房、2001年11月
福島さんのカルト的ファンの1人として早速読ませていただきました。半分忘れられた/られてきた中岡 哲郎の実践知の歴史的系譜学のなかで鮮やかに評された点に感銘を受けました。精神病院の民族誌記述の部分ももっと読みたい気持ちでいっぱいですが、それは 文献リストに掲載されている近著に期待しております。周りの大学院生にも勧めたいとおもいます(2001.12.18)。
佐藤純一編『100問100答医療のふしぎ』河出書房新社、2001年10月
中島紀恵子編著『グループホームケア』日本看護協会出版会、2001年10月
菊池京子編『開発学を学ぶ人のために』世界思想社、2001年9月
共著者の鈴木紀(すずき・もとい)さんからいただきました。開発学のデファクト・スタンダードになりえるか?!重要な本が出現しましたね(2001.09.06)
芦田徹郎『祭りと宗教の現代社会学』世界思想社、2001年4月
芦田社会学の文字通りの集大成。本人は、これからバンバン書くと言っておられるそうですが(同大学の 密使によると)まあ、これは当分の間は宗教社会学の重要なテキストになるかもね?!。御礼がおくれました。結婚式の引き出物かと・・? お幸せに。うふふ ふ……(2001.07,14)
東急総合研究所『平成12年度調査研究:エコツーリズム研究 ver.2.0 〜先進事例(ガラパゴス・コスタリカ)に学ぶ』東急総合研究所、2001年5月
同研究所総合生活研究部の奥村令子さんより恵与をうけました。シンクタンク系のエコ・ツーリズム報告 書としては、とてもすばらしい水準に達しているものですね。特にコスタリカに関しての部分は、日本語で書かれたものとしては、最上の情報提供と分析がなさ れています。同研究所も味なことをなされますねぇ。奥村さんならびに研究所に感謝します(2001.08.09)。
西井涼子『死をめぐる実践宗教』世界思想社、2001年
じつはこの本は私の本と物々交換したものです。出版社も編集者も出版時期も同じ、そして、田辺繁治さ んの研究会でも同じで、タイトルも<実践>という言葉が含まれているという意味で同じです。西井さんには、去年にも論文をもらっているので、、まったく頭 があがりません(2001.06.16)。
田中雅一「英国における実用人類学の系譜——ローズ・リヴィングストン研究所をめぐって」『人文学報』84:83-109,2001年
手紙に同封してあった田中さんの「わたくしが一番言いたかったのは注46と注47というひねくれた論 文」という変な韜晦の弁がありましたが、どうしてどうして読み応えがありました。ちなみにこの注問題とは清水昭俊さんの「忘却のかなた・・」論文への批判 なのですね(2001.06.16)。
藤井輝明編『顔とトラウマ:医療・看護・教育における実践活動』かもがわ出版、2001年
ゴッフマンの『スティグマ』以降、久しく外面の美醜の問題を考えなかったことを白状しよう。藤井さん の研究室への突然の介入により、一気にユニークフェイスが我々のもつ皮一枚の脆弱なアイデンティティをぶちこわす。原一男『さようならCP』以来のインパ クトである。大学教授というポジション、ジェンダーバイアス、ノーマルフェイス化へのパターナリズムなど、まだまだユニーク・フェイスの人たちがエンパ ワーメントされるには、さまざまな課題がある(2001.06.16)。
藤井さんのご厚意により(^Q^)写真(オリジナルは高橋聖人撮影:同書より)の一部転載の許可をいただきました。あ〜、来年はやっぱり、一般教養の『愛の新世界』(仮題)の授業に来てもらおうかな〜。
若井晋ほか編『学び・未来・NGO:NGOに携わるとは何か』新評論、2001年
第9章「NGOへの高まる期待と課題——ラテンアメリカの事例」(pp.179-199)を担当され ている狐崎知巳さんから、日本ラテンアメリカ学会の席上でいただきました。彼とは一緒に今年(2001年)のパネル「グアテマラ—和平合意後のゆくえ—」 を太田好信さん、飯島みどりさん、八杉佳穂さんと一緒に組みました。40余りの参加者を得て、今後の宿題も多くこぢんまりとしたものでしたが、パネラーが 妙に充実感をもった発表でしたね(2001.06.03)。
小泉潤二『環太平洋地域の文化とシステムのダイナミクスに関する研究』平成9-11年度科学研究費補助金基盤研究(A)(2)研究成果報告書、2001年3月
山田雅彦『中世フランドル都市の生成—在地社会と商品流通—』ミネルヴァ書房、2001年
またまたサイン本をこんどは同僚のチュウタロウさん(本人の弁)からいただきました。フランドル(フ ラーンデレンが原音に近いという)の都市がどんなふうにうまれてきたのかについての12年間にわたる研究—格闘?—の成果です。う〜ん、すばらしい。いた だいですぐにあとがきを読みましたが、出版の経緯は拙著と似ていて、なかなか感慨ふかいものがありました。すばらしい贈り物をありがとうございました。当 然のことですが?学生・院生の諸君、これを読んで山田センセ〜のところにガンガン質問しに行きましょう(22001.05.22)。
原田正純『水俣が映す世界』日本評論社、1989年
原田先生のサインが入っただけでもビビって感動しました。今年のシンポジウムのこともあり、子供向けの水俣の資料を造ろうと収集してますので、わざわざ研究室までご足労いただき感謝感激!!。ありがとうございます(2001.05.21)。
Someya,Yoshimichi ed. Psychosomatic Responses to Modernization and Invention of Cultures in Insular Southeast Asia. 2001.静岡大学人文学部文化人類学研究室、静岡大学。
染谷臣道先生よりいただきました。こちらは、熊本大学文学部文化表象学研究室に寄託して学生や院生のための閲覧に供したいと存じます。ありがとうございました(2001.05.08)。
今村仁司編『マルクス』(知の攻略・思想読本・2)作品社、2001年
今村先生よりいただきました。早速、巻頭論文と三島憲一先生との対談を読みました。昔の現代思想のようなバトルが少なくなったのではないかと、場外からの心証?。往年の馬場と猪木の対決の感あり。テキストを当たり前のように読み飛ばさない、という今村さんの批判的読解の精神は、こりゃ演習ゼミでは必携のスローガンです。いつも元気をいただきありがとうございます(2001.05.08)。
前山隆『異文化接触とアイデンティティ:ブラジル社会と日系人』御茶の水書房、2001年
前山先生よりいただきました。『異邦に「日本」を祀る』の補遺編あるいは理論的応用編という感じですねぇ。演習に使えそうな論文が満載です。どうもありがとうございました。(2001.04.30)。
飯島伸子編『アジアと世界—地域社会からの視点—』講座環境社会学(第5巻)、有斐閣、2001年
共著者の細川弘明さんからいただきました。ジャビルカ通信の愛読者としては、この論考を機により多くの人にこの問題について考えることの重要性が広がることを期待しております(2001.04.24)。
祖父江 孝男『県民性の人間学—出身県でわかる人柄の本』 文庫、新潮社、2000年
正統派の文化人類学者としての祖父江先生の主張や見解は前書きにちゃんと書かれてあるのですが、<結 果的に>県民性は本質的に読者に読まれてしまうんですね。そのような読者に応えようとする編集者や出版社の意向がタイトルに見事にあらわれてます。しかし ながら、タレントや著名人などのリストには思わず「ああそうか」なんて惹かれてしまうから、強いて(against the grain)批判精神を実践するというのは、ホントに辛いっす。でも祖父江先生どうもありがとう。サインが格好いいですよ〜(2001.4.22)。
黒田悦子『メキシコ系アメリカ人—越境した生活者—』国立民族学博物館研究叢書[2]、国立民族学博物館、1999年
こういう書物を読むと私にとってまだ未踏の知であるタオス(米ニューメキシコ州)に俄然行きたくなるんですよね。黒田さん、魅力的な本を贈らないでよという気持ちと、感謝の気持ちが半々な複雑な心境です(2001.04.22)
【特別企画】
城達也・田口宏昭さんの著作をふくめてさまざまな内容についての情報が得られる:【世界思想社】←こちら
鈴木裕之『ストリートの歌—現代アフリカの若者文化—』世界思想社、2000年
この本を編集された中川大一さんにいただきました。どうもありがとうございます。
城達也『自由と意味—戦後ドイツにおける社会秩序観の変容—』世界思想社、2001年
本学の城さんより直接ご恵与を受けました。同じ時期に執筆し、出版社から本を出しましたので、ほとんど、いつもお互いに励まし合いながら書いていた/書いておられたので喜びもひとしお。ごくろうさまでした(2001.04.18)。
田口宏昭『病気と医療の社会学』世界思想社、2001年
本学の田口さんより直接ご恵与を受けました。我々の科研のメンバーでもあられる彼のこの本の出版で、今年<も>医療社会学の当たり年になりそうだ。医療人類学もがんばりまっせ〜!(2001.04.17)
ウィルコックス、シャーマン編『アメリカのろう文化』鈴木清史ほか訳、明石書店、2001年
この本の訳者である鈴木さんよりいただきました。我々の研究室で文化人類学を勉強する学生が手話ボラ ンティアへの参加をきっかけに「ろう文化」への関心をもち、この領域に広がる豊かなコミュニケーションの世界に魅了されているようです。是非彼女にもすす めます。どうもありがとう!(2001.04.17)
出口顕『誕生のジェネオロジー:人工生殖と自然らしさ』世界思想社、2000年
冒頭に英国の現状から日本の現状を考えていただくのが本書のねらいという趣旨の記述があります。内容 は詳細を究め、著者の論考の鋭さと相まって、とても勉強になる資料体になっています。あえて欲を言うなら、その日本の身の回りの現状を考える糸口を、具体 的に提示していただければ、この種の問題に取り組む卒論を予定する学生にも自信をもって薦められる本になるでしょう(2001.04.06)。
丸山定巳・佐藤誠編『阿蘇の草原とツーリズム』熊本大学地域連携フォーラム、134pp.2001年3月
丸山先生よりいただきました。インサイダーですので論評は控えさせていただきます(2001.04.05)。
中村治『京都洛北の原風景』世界思想社、2000年
某・友人が沖縄の写真をベースにした論考を発表するという話にたまたま居合わせた私にも中川大一さん が送ってくれました。出征兵士の遺骨への帰還や、特攻兵士の壮行会の笑顔をしみじみと見ていると、日本人はがんばったとか、共同体のために命を投げ出した という、歴史の修正主義者たちの美談よりも、単なる犬死にやんけ〜という心証を強くしました。国家の大言壮語に騙されないこと、そして大言壮語しない共同 体を造っていくことの必要性を感じましたぜ!(2001.03.19)
春日直樹『太平洋のラスプーチン—ヴィチ・カンバニ運動の歴史人類学—』世界思想社、2001年
この本の編集を担当された世界思想社(→ここよりリンク)の中川大一さんよりいただきました。中川さんは、私の『実践の医療人類学』(→ここよりリンク)の担当者つまり編集者でもあります。たぐいまれなる集中力、決してポイントをはずさない決断、そして温厚な人柄。皆さん、本を書く人なら、こんな優秀な編集者に巡りあうことがどれだけ幸せなことかわかるはずです(2001.03.17)。
『H.H.G.F(法政人文地理フォーラム)』2000年7月号
法政大学大学院で学ぶ友人の木下雅夫さんよりいただきました。先年、退官された西川大二郎先生の記念 講演が収録されています。とくにフランクの従属論の誕生あたりの状況についての西川先生の解説は、時代の証人たる先生ならではの分かりやすく、親しみのあ る語り口で、まったく感銘を受けました(2001.03.17)。
黒田浩一郎編『医療社会学のフロンティア』世界思想社、2001年
執筆者の1人、畏友佐渡島伯爵(本名;佐藤純一)さまよりの恵与。うーーん、まったく内容はフロンティアで、玉石混淆だわ。しかし、これもまたこの本の魅力で、これで世界思想社から出た医療社会学ものには『現代医療の社会学』『医療社会学を学ぶ人のために』など5,6冊はあるのではないかな。まさに名実ともに、世界思想社は日本最大の医療社会学研究のパトロンとなりしたね(2001.03.09)
古谷嘉章『異種混淆の近代と人類学—ラテンアメリカのコンタクト・ゾーンから—』人文書院、2001年
下記の太田好信さんの本と同様、人文書院から出た<叢書 文化研究2>です。うーん、今年は文化人類学の課題書には困らない大豊作の年になりそうだ!(2001.03.07)
下地名友ほか編『文化精神医学序説—病い・物語・民族誌—』金剛出版、2001年
編者の下地さんからいただきました。ありがとうございました。大昔、某氏編の比較精神医学の論集を読 んでぶったまげた(勿論、レベルの低さにですが)思い出があります。そのことを思い出すと隔世の感がありますなあ。医療人類学の好敵手現る! ばっちり読 んで批判させてもらいます。(2001.02.28)
【特別企画】太田好信『民族誌的近代への介入』京都:人文書院、2001年【特別企画】
とうとう出ました。太田好信著作の第2弾。前著をしのぐ詳細な議論、あふれるパワー、学会のプルトニウム男の暴走を誰も止めることができない!!・・買ウベシ!(2001.02.10)
加藤朗ほか『現代戦略論』勁草書房、2001年
民博での研究会でご一緒させていただいている加藤先生他の最新の戦略論。しかし、クラウゼビッツの規 範的命題(戦争とは外交とは異なる手段を用いて政治的交渉を継続する行為にすぎない)をわざわざ21世紀まで持ち越して、継承発展させる意味がどれほどあ るのか?規範的主張の「有効性」が論証抜きに教条と掲げられているのはなぜだろう。我が国最高の平和学=戦争学研究の牙城にいる人たちが自分たちの主人= シビリアンに存在理由を主張するために、このような無反省を意図的に行っているとすれば、逆に、戦争というものを相対化していないとはいえないだろうか? (関連文献はこちらのページの「加藤朗」先生のワードで検索すれば出てきます)(2001.02.24)
論文
杓谷茂樹「囲いこまれる遺跡」『ラテンアメリカ・カリブ研究』8:1-13、2001年
チチェン・イッツア遺跡という文化表象を取り扱った論文。資料収集は労作されておられるようですが、文化分析はちょっと脇が甘いかな〜? 遺跡観光を分析したカスタニェダなどの業績がありますもんね。次を期待しま〜す(2001.505.21)
木下雅夫「書評:小池洋一ほか編著『図説ラテンアメリカ 開発の軌跡と展望』」『経済地理学年報』45(4):108-112, 1999
ここでも愁眉の議論はネオリベラリスモ(NL)でんがな。政治学でも経済学でも歴史—もちろん恣意的に構成されたという反省的視点を踏まえて—の教訓を押さえていないNL讃美の暴論が闊歩しすぎます。歴史から学ばない我々の宿命か?(→ここをクリック) しかしその中で犠牲を強いられる側はたまりませんがな。Emancipate yourself from mental slavary, none but ourselves can free our mind. Bob Marly(1980). (2001.02.17)
椎葉民俗芸能博物館『研究紀要』創刊号(1999)、第2号(2000)年
同博物館の永松敦主任学芸員にお送りいただきました。何事も、新しいことが生まれるときはドキドキするものです。地域に密着した新しい博物館(梶原宏之「博物館評価レポート1、椎葉民俗芸能博物館(宮崎県)」『九州民俗学』創刊号、pp.91-101、2001年を参照:梶原さんと阿蘇たにびと博物館のウェブページ)の誕生の息吹をいただき元気がでてまいりました。文化表象学の図書室に所蔵し、ひろく学生のために供したいと思います。どうもありがとうございました(2001.06.10)。
『週刊 医学界新聞』第2429号、2001年3月
同新聞編集部の石井美香さんに贈っていただきました。同誌の特集座談会「アウトカム評価によるQOL研究」に興味があったからです(2001.03.19)。
年報『人間科学』第22号、大阪大学大学院人間科学研究科社会学・人間学・人類学研究室、2001年
人類学関係では、中川理「人類学研究における人格と自己」論文がありました。ひとつ奇妙なのは人格と 自己についてグアテマラの民族誌的検討をされたまさに阪大の小泉潤二さんなどの日本からの文献を検討していないことです。この論文で問われていないのは、 そのように発話するエージェンシーとしての著者——その延長上に日本語で書いた人類学文献の著者たちがいる——の自己や人格の問題なのではないでしょう か。とにかくありがとうございました。文化表象学図書室のほうで保管し、ひろく学生・院生の勉学に供したいと存じます(2001.05.15)。