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「援助という暴力」から人びとを解放する、とは、どういうことか?
How to emancipate yourself from mental
slavery of "obsession to liberate the others," Emancipate yourselves
from mental slavery, none but ourselves can free our minds.
Bob Marley - Redemption song
援助という暴力から人びとを解放する、とは、どういうことを意味するのだろうか?
ここでの言いは、「暴力から人びとを解放する行為」としての援助とは、どういうことかということ ではない。括弧でくくったように、「援助という暴力」つまり暴力としての援助から人びとを解放するとは、どういうことかを問題にしているのである。
まず、援助は救済という行為に属するもので、援助が暴力であるというのは詭弁だ、という声が聞こ えてきそうである。
ここでは、援助の同義語として暴力ということばを理解することが、そもそも誤りであると指摘され ているのである。
でも、なぜこのような詭弁に人は過敏に反応するのだろうか? 事実をうち消し、証拠を隠蔽するか のような過敏な反応であるかのようである。(嫌みになっていますか?)
あるいは、多少なりとも機転の効く人なら、もうすこしプラグマティックな対応をするかもしれな い。援助は救済の理念によるものであるが、実際の運用は「何かの間違いで」暴力的に遂行されているかもしれない。
もし、そうだとしたら、援助が暴力に転化する発生のメカニズムを解明することを通して、援助が暴 力に転化しないようにしよう。そのように賢明に考えるのである。
ここでは、暴力から人びとを解放することは良しと認めた上で、援助が暴力として誤用されないこと に配慮することになる。
冒頭の物言いに反発する人においてすら、暴力から人びとを解放するという理念に疑問を差し挟むこ とはない。
だが、私は、暴力から人間を解放するとは、いったい何を意味するのか、このことも考察の対象にし よう。なぜなら、暴力から人間を解放するということが、援助をおこなう正当性の根拠になっているからだ。
そうすると、議論を混乱させないためにも、まず当面の課題として、「援助」とは何をさすのか?、 「暴力」とは何をさすのか?、について、明示しておかなければならないでしょう。
援助:困った状況にある人をたすけること。たすけ。(国語大辞典:小学館)
協力:力を合わせて努力すること。心を合わせて働くこと。(国語大辞典:小学館)
暴力:1.乱暴な力。無法な力。力ずく。 2. 人が不法または不当な仕方で物理的な強制力を行使すること(国語大辞典:小学館)
ここで、援助に対比するものとして協力という言葉登場しました。この言葉が、登場したのは、かつ て医療援助/経済援助という言われていたものが医療協力/経済協力に変わったように、援助と協力は国際間における関係性を表象する二大用語だからです。
歴史的に、援助が協力に変わったから中身が変わったとは単純には言い切れません。ただし、援助よ りも協力のようが良いという判断と協力という用語の採択が、そこに登場して活躍する人たち頭と行動(=実践)を長期的に変えてゆくこともあるかもしれませ ん。
だが、援助の痕跡を残して協力という言葉を採択することに、何かしら欺瞞はないでしょうか。国軍 を言い換えて自衛隊(※)というように、ともに国家が保有する軍事力に他ならないわけですから、言葉の言い換えには注意すべきです。
※もっとも自衛隊の前身の名称が警察予備隊(1950)ですので、そもそもは対外戦争用では なく治安維持装置——「必要に応じ、公共の秩序の維持に当る」自衛隊法(1954)3条——として発明されたので、事情は複雑です。
そこで、援助と協力は同じか否かということも、そして、それに名詞の形容詞的用法である医療(な いしは経済)援助、医療(経済)協力は同じか否かについて検討を加えてみる必要があります。
そして、その性質を共有していると名指しされている暴力についても、みなさんなりの見解をまとめ ておく必要があるようです。
●Redemption Song is a song by Jamaican singer Bob Marley.
The song urges listeners to "Emancipate
yourself from mental slavery," because "None but ourselves can free our
minds." These lines were taken from a speech given by Marcus Garvey at
Menelik Hall in Sydney, Nova Scotia, during October 1937 and published
in his Black Man magazine:[7][8]
We are going to emancipate ourselves from mental slavery because whilst others might free the body, none but ourselves can free the mind. Mind is your only ruler, sovereign. The man who is not able to develop and use his mind is bound to be the slave of the other man who uses his mind ...[9]
In 2009, Jamaican poet and broadcaster
Mutabaruka chose "Redemption Song" as the most influential recording in
Jamaican music history.[10]
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