● 勉強できる身体改造法 ●
You're a grind Cyborg in near future!!
ダメ学生への助言:サイボーグ化による秀才育成
■ 担当者名:池田光穂
勉 強ができない、大学生活になじめないという学生が数多く私の ところに相談にやってきます。
私 がアドバイスをし、お役に立てるのはそのうちのほんの一部で す。しかし、悩みをもっている学生に、私のノウハウが少しでも役にたてばと思いました。
以 下に述べるのはそのヒントです。
おまけ:ダニエル・ウィリンガム教授(Willingham, 2009)の、勉強9原則
他の学生はできて、自分はできないという現実はつらい ものです。しかし、誰でもわかることですが、勉強が根っから好きな奴というのはいません。もしいたら変態(クイア・へんたい)です。ここでいう変態(ヘン タイ)はとてもよい意味で使っています!(→「クイア理論」)
学者とは、人為的な努力によって勉強が好きになった変 態にほかなりません。しかし、この変態趣味こそが近代社会をつくりあげてきた原動力になったことも事実です。
勉強好きになるとは、クイアになることだというビジョ ン の転換をおこなうことが大切です。つまり、勉強ができなかったり、勉強が嫌いなあなたが、自分の欲望に忠実であることを、まず自分に言い聞かせることで す。
つぎに、世間の常識は多数決で決まるという事実を押さ えておいてください。
つまり、クイアが多数いるということは、正常なあなた が マイノリティであることです。クイアが常識化しているのですから、この世を上手く生きるのは、多数派であるクイアの常識にあわせることです。
もっとも自分の正常さを棚に上げてほかの人全般を極度 にクイアであると決めつけてはなりません。みんなあなたと同じように、勉強が嫌だけけれど、自分の趣味や嗜好を我慢してクイアを演じているのです。
さあ、あなたも<勉強好き>というクイアになりましょ う。
<勉強好き>というクイア道を極めるには、それほど難 し いわけではありません。
最新の大学教育の研究成果によると、初学者——入学し たての学生——が、大学での最初の生活を順調に進めるには次のような経験事実があると言います。
つまり、学生は「役に立つと信じる勉強」については比 較的熱心に勉強するということです。これは、動機が強いと、多少なりとも勉強の苦痛に耐えることができるということです。
私の言う「ガリ勉=クイア」説を証明するかのような経 験 的事実です。
つまり、「この勉強は俺/私にとって役に立っているん だ!」と思いこみが強いほど、勉強の苦痛に耐え、また自ら進んで勉強するというものです。
自分の内発的な動機以外にも、親や先生に認めてもらい たいとか(=社会的認知)、英会話がペラペラ話せる会話上手になりたい(=虚栄心の実現)、こんな高い授業料だから元を取るぞ!(=経済効率の向上)など も目先の利益の変種であります。
つまり勉強好きという性癖をドライブ(=駆動)してい るのは、何らかの実利的利害であることです。
そこから導き出せることは、あなたもまたクイアの仲間 入 りをするためには、目先の実利的な利害を探すことです。これをクイア達のあいだでは「勉強する目的」とか「勉強する動機」があると言います。
03原則3:勉強には嗜癖 (しへき=ドラッグような止められない性質)があります
こちらもまた経験的事実ですが、勉強をすると問題が生 じます、その問題を解こうとするとまた勉強しなければなりません。<勉強好き>というクイアは本当に不思議な動物です。
なぜ勉強を引き続きおこなうのでしょうか? 場合に よっては徹夜など身体を壊すようなことまで人間はやってのけます。
このような奇妙な行動の真の原因を究明した人はいませ ん。アリストテレスはすでに「人間とは知ることを欲する」など言い、原因の究明というよりも、むしろ人間のもつ普遍的定義とまでしています。
つまり、人間生まれながらにして<勉強好き>という変 態となるべく運命をもっているというわけです。
アリストテレスも諦めた?勉強好きという性癖の説明の 根本理由を、私はあえて無謀な説明の試みとして「知ることは気持ちいい」からであると言っておきます。
皆さんも、勉強好きの連中をクイア、クイアと小馬鹿に する だけでなく、彼/彼女らが享受している快楽を自分も体験したいと欲すべきです。
アリストテレスとは異なり、私の人間の定義とは「失敗 から学ばない動物」であるとしました(『広痔怨』参照)。
勉強嫌いでノーマルなあなたも、ガリ勉のクイアさん も、 ともにこの性格=失敗から学ばない性格を受け継いでいると思います。
失敗から学んでいたら、人間は核兵器や戦争などはとっ くに廃絶しているはずです。
てな、文明論はともかくとして、原則の2で書きました が、最新の大学教育の研究成果によると、初学者——入学したての学生——が、大学での最初の生活を順調に進めるためのもう一つの経験事実を言いましょう。
それは、初学生に卒業までのプランを書かせると、書か せないグループに比べると良く勉強するというというのです。愚かと言えば愚かですが、この単純な事実を無視するわけにはまいりません。
あなたは勉強が嫌いな良識派であり、ガリ勉というクイ ア を嫌っていても、あなたにとって人生という長期的な展望は大切なもののひとつだと思います。(自暴自棄になっている人を除いてはね)
だから、普通の学生はそのままでは長期的な展望を立て ない(なぜなら過去の失敗から学んでいないのだから)。長期的、と言っても大まかには、これから10年間ぐらいの目標を立てて、これからの4年間ないしは 卒業までの期間のことです。俺/私は何をすべきなのかについて考えてみるのはどうでしょうか?
05●ダニエル・ウィリンガム教授(Willingham, 2009)の、勉強9原則
1. 人間はうまれながら好奇心が強いが、もともと考えることが得意ではない、認知的な条件が整わないと、(一般的に)考えることを避ける傾向にある
2. 技能よりも先に事実的知識が必要である
3. 記憶は思考の残渣
4. すでに知っている事柄に関連づけて新しい事柄を理解しようとする。すでに知っていることの大部分は、具体的なものだ。
5. 十分な練習なしに知的活動を会得することはできぬ
6. 初心者とエキスパート(熟達者)の認知能力には、根本的に(質的に?)異なる
7. 子供の思考法と勉強の仕方には、相違点よりも類似することが多い
8. 子供の知能には違いがあるが、たゆまぬ努力を重ねることで知能に変化を及ぼすことができる(=事後的な知能の変化を「たゆまぬ努力」で説明する理論か?)
9. 教えることも、他の複雑な認知技能と同様、上達するためには練習が必要(=当たり前すぎる常識)
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