ベイルイマン『野いちご』(1957)[読解ならぬ]視解
Interepretations of the Bergman's filmwork "Wild Strawberries"
解説:池田光穂
登場人物
イサク・ボールイ博士(76歳)Isak Borg;ルター派信徒
アグダ:家政婦。イサクに自動車でルンドまでの旅に誘われるが、断り飛行機で出かける。
マリアンヌ:義理の娘(長男の嫁)、ルンドまでの旅につきあう
エヴァルド:イサクの息子で、ルンドに住んでいる。38歳。孫のなかで唯一年に一度祖母を訪ねる。
サーラ:昔の恋人(女ヒッチハイカーと同じ女優が演じる)
サーラ:女ヒッチハイカーで、医者になろうとするボーイフレンド(ヴィクトール)と婚約している
ヴィクトール:サーラの婚約者で医学生
アンデルス:サーラたちの同行者で牧師になろうとしている。
シークブリッド:イサクの兄弟(弟)でサーラと同様回想シーンに登場
アーロンおじさん:回想シーンでの誕生日を迎える
夫婦喧嘩の妻:
夫婦喧嘩の夫:
アケルマン:ガソリンスタンドの主人。妻エヴァは妊娠しており、生まれてくる子供にイサクと名づけたたい。
レストランのウェイター:
イサクの母:96歳、皮肉屋
アルマン:イサクが医学生時代の幻想のシーンに登場する時の医学校の教師(夫婦喧嘩の夫と同じ俳優)
アルマン夫人:試験においてアルマンがイサクに診断しようと命じる患者
死んだイサクの妻カーリン:ヒステリックな女性。イサクに不義を働いた。
オリジナル・スウェーデン語 ポスター
分析のための発話集
イサク「お前たちの夫婦喧嘩に、わしを引きずり込まんでくれ。わしには何の関心もないんでね。誰だって悩みはあるさ」
イサクがマリアンヌにむかって「タバコを吸わんでくれ。女の喫煙を禁ずる法律があってしかるべきだ」
サーラ「イサクはとても洗練されているの。ものすごく洗練されていて、道徳的で、繊細で、ふたりで詩を読みたがり、死後の話をし、ピアノで 連弾しよっていうし、暗いところでしかキスしたがらないし、それに罪深さの話をするの。……でも、ときどき、自分がイサクよりもずっと年上と思われること があるわ。これ、どういう意味かわかる? それに、わたしと同じ歳なのに、彼が子供だなって思うの」
イサク「魂の苦しみに関心はない。だからわしのところに泣き言を言いにこないでくれ。だが、お前に精神的マスターベーションが必要だという なら、どこかのやぶ医者か坊主の予約を取ってやるよ。いまどきはやりのやつさ」
マリアンヌ「さようなら、イサクお父様、今日も、明日も、ずっと永久に、わたしが大好きなのはあなただってこと、わかってくださいます か?」
アグダ「世間はなんというでしょう。親密すぎるのはごめんこうむりたいですわ」
エヴァルドがイサクに「僕は彼女なしにはいられない……あの彼女がいてくれなければやっていけないと言ってるんだ」。イサクはエヴァルドに 「わかったよ」。エヴァルドは独り言のように「結局は彼女次第だろうな」
アルマンがイサクにむかって「医者のまず第一の義務は許しを請うことだ……おまえは罪悪という罪を犯している」
文献
エリクソンのライフサイクルの8段階仮説
ジジェクとカント
"De
todas las parejas en la historia del pensamiento moderno
(Freud y Lacan, Marx y Lenin...), Kant y Sade es quizás la más
problemática: la sentencia “Kant es Sade” es el “juicio infinito de la
ética moderna, el lugar del signo de la ecuación entre dos opuestos
radicales, es decir, afirmando que la sublime actitud ética
desinteresada sea de algún modo idéntica a, o superpuesta con, la
indulgencia irrestricta de violencia placentera." - Kant y Sade: La
Pareja Ideal, por S. Žižek
関連リンク
大学での授業「医療人類学:高知大学2009」
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