ベイルイマン『野いちご』(1957)に関する討論
Interepretations of the Bergman's filmwork "Wild Strawberries"
解説:池田光穂
オ リジナル・スウェーデン語 ポスター[→資料解説ページ]
シノプシス:
「医学の研究に生涯を捧げ、その長年の功績を認められ名誉学位を受けることになった老教授イサク。その授与式は栄光に満ちた日になるはず
だったが、前夜に自身の死を暗示する悪夢を見たためか、彼の心は晴れない。イサクは授与式当日に当初の予定を変更して、現在の住まいであるストックホルム
から式の行われるルンドまで車で向かおうとする。そんな彼に、義理の娘であるマリアンヌも同行を願い出る。
半日程度の小旅行はイサクにとって、これまでの自分の人生を顧みるまたとない機会となった。青年時代に婚約者を弟に奪われたこと、妻がイサクの無関心に耐
えられず不貞を働いたことなどを思い出し煩悶するイサク。そしてマリアンヌに、イサクの息子エヴァルドと彼女の間に子供が居ないのは、イサクを見て育った
エヴァルドが家庭というものに絶望しているからだと告げられる。研究者としての輝かしい名声とは裏腹に、イサクの人生は空虚なものだった。
また、イサクはルンドへ向かう途中様々な人物に出会う。奔放なヒッチハイカーの少女とその二人のボーイフレンド、不毛な夫婦喧嘩を繰り返す男女、引越して
いったイサクを今でも慕うガソリンスタンドの店主とその妻、そしてイサクの老いた母親。彼らとの出会いと過去への後悔が、徐々にイサクを変えていく。
無事に授与式を終えたイサクはその夜、エヴァルドと家族のことについて誠実に話し合う。寝室の外では昼間に出会ったヒッチハイカーたちが、イサクの栄誉を
心から祝福していた。満ち足りた気持ちで眠りにつくイサク。彼が見る夢は前夜の悪夢と違い、不思議な充足感を伴うものだった」ウィキペディア「野いちご」
——「あなたの罪は『孤独』です」
学生たちの取り組みについて【以下】(板
書)
課題:一日のバラバラな出来事のなかに、 何かつながりがあると、イサクは回想しました。その「つながり」とは何ですか?
(1)チームたまたま
(2)パイロット
(3)やまおか
(4)イサク・コーシロー
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(4)イサク・コーシロー
・白黒映画はわかりにくい。
・名誉ある博士が、過去をふりかえる。家族の暖かさ。息子の夫婦の円満解決。ハッピーエンドの物語。
・サーラの印象:愛の告白:元の恋人ができなかったことが、ヒッチハイカーのサーラから愛をえることができる。
・最初の棺のシーン:死を予告
・医学生時代のシーン:孤独を暗示
(3)やまおか
・「家族」についてがテーマだ。
・イベントの分析:事故を起こした不仲夫婦=イサクの夫婦/ガソリンスタンドの夫婦の良さと対照的
・2人のサーラの関連性あり
(2)パイロット
・誰もいない街角=孤独
・針のない時計の2つのシーンの関連性
・2人のサーラ、歳をとらない?_どうして?
・主人公:最初は人間味がない薄い→自分じしんの罪悪感の回顧
・若いサーラと年老いたイサク
・主人公の息子:死んでいる生者、生きてる死者
(1)チームたまたま
・変な名前じゃないぞ〜!
・イサクの孤独な一生:周りからは認められている。名誉博士。社会的成功。他方で、孤独な人生を歩んでいる=回想シーンの中で表現:家 政婦への態度、妻の不倫のこと、いとこ(サーラ)を弟にとられる。人間関係ではうまくいっていなかかった。すばらしいこととは、他人との距離のせい?
・夢のシーン:医師・博士の試験:生きた人間がわからない?_気持ちを診ることができないイサク
・孤独なまま終わってしまうのか?という自問:しかし、家政婦への対応などから変化があるのでは?
文献
エリクソンとエリクソン、キヴニック『老年期』朝長正徳・朝長梨枝子訳、みずず書房、1990年
関連リンク
大学での授業「医療人類学:高知大学2009」
Copyright Mitzub'ixi Quq Chi'j, 2009