院生たちにとって「くつろぐ」とは?
解説:池田光穂
大学院生たちにとってくつろぐとはどのような気分なのか? 現場力と実践知の議論において出てきた意見を以下に記述しよう。
■わかばやしさんチーム
・どういう時に? 寝ころぶ、ぼーっとする、非生産的行為、
・寝ることと、寝ころぶことの違い→意識がなくなると、つくろぐとは言えない。
・意識があることが必要
・ぼーっと→思考の存在、思考の集中か非集中か?
・だらだらと論文をよむことはくつろぐとは言えない。
・非生産的だが、ポジティブな行為でないと、くつろぐということは言えない。
・行為と行為のあいだに「くつろぎ」はある?::自動車のアイドリング状態
・授業がはじまる前、椅子に座った時、先生が来る前の状態。話はじめても重要な話に入る前。集中から次の集中の間
・どうやったら、くつろげるか?:フリーな時間、余裕のあること、その環境になれていること、気温・湿度・自然な風、柔らかい光などが必要か
・くつろぎのパターンの個人差
・他人の存在の有無:ひとりが究極的にはくつろげる。くつろげる相手がいる。雑踏のなかでもくつろげる(人)もいる。
■わたなべさんチーム
・西川グルメ情報から開始
・場所
・何を食べ
・どんな店か:服装を気にしない、第三者いないような個室がいい、店の人に見られない環境、サービスをされ過ぎない→では、学食ではくつろげるか?ノー 理由:工場のよう、メニューなど、例外:匠、坂、カルチェ・カフェなど
・何を飲んでくつろぐか:酒派・コーヒー・紅茶派の2つ:カフェインやアルコールの存在、コーヒーの作用も2種類
・お酒をのんで、活動的になる。仲良くなる。けんかをする。
・飲み方:ひとり、気の置けない仲間、
・居酒屋:お店になれないとくつろげぬ、ジェンダーの配分や有無
・豊中と吹田のキャンパスにおける、くつろぎ度の落差:吹田はだめ、活気がない、建物も味気ない、学生同士の交流など
・豊中:きれいすぎるのはだめ、古くてぼろぼろでもなじめる場所がいい。
■しみずさんチーム
・どんなときにくつろげるか? 身体の状況
・こたつに頭まで入る。猫が寝る。
・日差しがある。
・深夜にあったかい味噌汁
・居酒屋でぬるかんを飲み、とっくりを横にするとき、くつろぎを感じる
・お気に入りのカフェで気に入った席、過剰にサービスがない。椅子の柔らかさ、空間の雰囲気、自由がある
・まわりに人がいる→じぶんがくつろげる感じをもつ
・買い物はくつろげない。
・新聞を読む:意識が没頭する記事、そうではない記事(シロクマの記事など=非現実性を醸し出す→自分のことを見いださなくてもよい)
・身体の反応:あたたまる、ゆるむ、からだが開く(穴が開くような、開いていた穴がまたしぼむ)
わたくしとくつろぎ:他者までくつろぎが伝染?あるいは境界面がなくなってゆく(入ってくるという感覚よりも、自由に通ってゆく、外と内の関係について気にしなくてもよい)。
2009年度コミュニケーションデザイン・センター提供の「現場力と実践知」
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