はじめに よんでください

「人間の屑」あるいは「人間ゴミ」の問題について

On Scum of the Earth, or "wasted lives"

COデザインセンター梟さん

池田光穂

人間に対する尊厳の意識が(悲しいことにほんの少し だが)多少なりとも高まって、今日では「人間の屑(scum of the earth)」とか「人間のゴミ(wasted lives)」と、公衆の前で話すことにためらう人は多いだろう。

かつては、無国籍者、難民化したユダヤ人、ルンペ ン・プロレタリアート、アウトカーストなどが、その代表になり、現在では、ドメステックには、引き続き、貧困者たち、ホームレス、QOLの低い人、薬物中 毒者、犯罪者、ヤクザなどが、そのような蔑称で呼ばれるが、集団的属性としては難民がその代表だろう。それらは、流動的になった近代の社会的生活の変化 に、経済力ならびに社会的地位のなさ(アマルティア・センらのいうところのエンタイトルメン ト=権限が奪われている状態)ゆえに、ついてゆくことができな い人たちのことを、私たちは、公的な現場ではなく、密かにそう呼んでいるのである。

ちなみに、Scum of the Earth は1941年に公刊された、第二次大戦中にル・ヴェルネ収容所に収監されたアーサー・ケストラー(Arthur Koestler, 1905-1983)の書名でもある。

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