民 族的少数民
Ethnic Minority
解説:池田光穂
多くの国民国家は、その国内に複数の民族からな集団(民族集団)を抱えてい る。そのうち、人口集団として少数な民族集団を、その数の比較において少数民・少数民族・エスニックマイノリティ(民族的少数派)と呼ぶことができる。
多くの先進国において典型的な民族的少数民は、先住民・先住民族であ る。このため、一般にエスニックマイノリティは、人口的に少数民族であり、政治経済的諸権利や福利からネグレクトされているケースが多く、近代国家におけ る少数民の地位は重要な課題になっている(下記の図の逆三角形)。
しかしながら、国民国家成立時に、先住民人口比率か高い場合は、人口の多寡による少数民ということはできない。また、少数派が人口に不釣り合い な権力を持つ場合、このマイノリティは人口的には少数派であるが、権力(ほかに経済力など)には国家内で優位な地位を占めることが容易にわかる。(下記の 底辺をもつ三角形)
他方、マイノリティを権力的な弱者の隠喩としてみる場合には、[先の「民族 的」という形容詞は外れて]マイノリティは人口集団の多寡に関わらず劣位におかれている手段であると見なすことができる。例えば、女性は多くの近代国家成 立時には、参政権などにおいて男性に比べて制限されたり、不利な位置にいた(下記の中央の四角形)。[→女と男の人類学]
国民国家の誕生以来、民族的少数民は過酷な差別を受けてきたことが多い。そのため、国民国家への国民の参加の議論や、文化的同一化などの中央政 府の方針などにおいて、さまざまな論争がおこなわれきたし、また民族紛争の原因にもなった。
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