社会構造とアイロニー
Social structure and it's irony
まず、社会構造の理解から……
「いずれにせよ、私たちがなんとなく理解している「社会なるもの(the
social)」は、平板ですぐわかるというよりも、居酒屋の暖簾(のれん)の奥に別の「世界」があるように、外側からみているもの(=社会)も、内側か
らみみると構造的構築物のようであり、それらの「仕組み」——仕掛けという言葉が好きな人も多い——は、なにかのアクションをしなければわかりにくいが、
いずれにせよ、「理解可能な」構造から成り立ってると、「社会構造」という用語を言う人たちは信じているのではないか、ということは理解可能である」社会構造)
私は、1)構造主義の影響、2)構造の考え方は管理運営には重要である
と考えられている、3)階級構造や社会制度おいてシステム化(体系化)という隠喩で表現される、4)個人の行動などを規定する規範(ノルム)の決定要因に
なっている、5)構造主義的な社会構造の考え方はそれ自身がスタティックだが政治経済ならびに自然環境要因(モースとデュルケーム)によるダイナミックに
変化する可能性をもつ、6)個人主義的行動規範や行為者のアイデンティティに伝統的関心をもつ北米社会学ではノルムと社会構造に関心の眼が行くことがしば
しばみられる、というあたりが「社会構造」に関する理解の基本的トーンだろうか。
次にアイロニーの図像的理解
The Zeppelin LZ 129 Hindenburg
catching fire on May 6, 1937 at Lakehurst Naval Air Station in New
Jersey. President 45th catching fire on November 7, 2020 as Irony.
■社会構造とアイロニー
中央アメリカの不法移民者の目指すアメリカ合州国では、すでに1938年に、アメリカの犯罪的逸脱の比率の高さが、経済的成功の神話と現実の矛 盾に根ざしていることがロバート・マートンによって指摘されている。
「種々の研究によれば、金銭的成功の文化的強調が全面的に行われているのに、慣例的合法的な成功の手段を得る機会がほとんどない状況では、特殊 な領域にみられる非行や犯罪は、この状況への「正常な」反応であることが明らかになった。……逸脱に向かって強い圧力を加えるのは、文化的強調と社会的構 造との結びつきである。「金儲け」のために合法的な道をとることが制限されているのは、階級構造がどの平面でも有能な人々に十分な機会を与えていないため である」(邦訳、pp.135-6)(Merton, Robert K., Social Structure and Anomie. American Sociological Review 3:672-682, 1938. のちに『社会理論と社会構造』(1961[1949])に所収)。
つまり、マートンの説によれば、アメリカ社会において合法的な方法において経済的成功から排除された者たちは、経済的利益を得るために〈逸脱行 為〉をも辞さないという目的合理的な傾向が生じることを示唆しているのである。
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文献
その他の情報
Copyleft, CC, Mitzub'ixi Quq Chi'j, 1996-2099
A stop sign ironically defaced with a plea not to deface stop signs
「停止看板を汚すな!」とスプレーで汚された停止看板