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サルトルの情動

On Sartrean Emotion and/or Sartrean Passion

池田光穂

サルトルの情動(emotion)

「いまや私たちは、情動とは何であるかを了解することができる。それは世界の変形なのだ。きめておいた道があまりにむずかしくなったとき、あるいは道が解 らなくなったとき、私たちはもはや、こんなに小うるさくてこんなにむずかしい世界のなかには、とどまっておれなくなる。一切の道が塞がれており、しかもな お、行動はしなければならぬ。そのとき私たちは、世界を変えようとこころみる。すなわち、あたかも事物とその潜在態との関係が決定論的な過程によってでは なく、魔術(magie)によって規制されているかのように、世界を生きようとこころみるのだ。ここで遊戯などをしているのではないこと、十分に納得しよ う。むしろ私たちは、そんなところまで追いつめられているのであり、自分の手にし得る全力を挙げて、このあたらしい態度のなかに身を投じているのである」 (サルトル 2000:139-140)J.P.サルトル『自我の超越、情動論的素描』竹内芳郎訳、人文書院、2000年

「《魔術的》というカテゴリーは、社会における人間の相互=心的な関係を、もっと正確には、私たちの他者知覚を支配するものである、ということ。魔術的と は、アランの言うように、「物のあいだをうろついている精神」であって、自発性と受動性との非合理的な綜合である。それは無活動になった活動、受動化され た意識なのだ」(サルトル 2000:160)J.P.サルトル『自我の超越、情動論的素描』竹内芳郎訳、人文書院、2000年

この議論に関しては、ポール・リクール(1995) による批判がある。

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文献


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