大学院共通教育は運営費交付金でサステイナブルにおこなうべし
池田光穂
「北海道大学や筑波大学のような大学院共通教育が広
範に提供されている大学」(「北大・筑波大型」)の特徴
「「北大・筑波大型」の場合,大学院共通科目は学士課程における全学共通科目の大学院版といった感が強い。加えて,例えばプロジェクトリーダーとしての資
質等,エンプロイアビリティの涵養やキャリアデザインを念頭に置いた科目も少なくない。提供科目数も前述の北海道大学の103科目(2012年度)を筆頭
に非常に多く,比較的フレキシブルに受講できることもあって受講者数も多い。実際,東京大学の大学院共通科目受講者数は1
科目のみの開講であるため……65名であるが,70科目を開講する筑波大学の大学院共通科目の受講者数はのべ1,300人弱(2011年度)を誇る(小林
2012:49)。また筑波大学の大学院共通科目は外部資金ではなく,草の根的に教員のボランタリな取り組みで行われているため,科学技術振興調整費に依
存する大学院プログラム等と比較して,継続性は担保されていると言えよう(小林2010:231)。
【出典:戸田千速「大学院共通教育に関する研究:東京大学を事例として」『高等教育ジャーナル』20:45-54、2013:引用は51ページ】
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