テクノサイエンス
解説:池田光穂
ウィキペディア(英語)のテクノサイエンスの解説には次のようなものがある
In science and technology studies, technoscience is the technological and social context of science. Technoscience recognises that scientific knowledge is not only socially coded and historically situated but sustained and made durable by material (non-human) networks. Technoscience states that the fields of science and technology are linked and grow together, and scientific knowledge requires an infrastructure of technology in order to remain stationary or move forward. (Souce: Technoscience)
科学技術研究において、テクノサイエンスとは、科学の技術的・社会的文脈のことである。テクノサイエンスは、科学的知識が社会的にコード化され、歴史的に位置づけられるだけでなく、物質的な(人間以外の)ネットワークによって支えられ、耐久性を持つようになることを認識している。テクノサイエンスは、科学と技術の分野は連動し、共に成長するものであり、科学的知識が静止または前進するためには、技術のインフラを必要とするとしている。
しかし、このような解説は、サイエンスが政府や企業などの影響から自由で(=大学とくに基礎科学部では「サイエンス」をおこなう場所)、テクノ
ロジーは政府や企業から産まれてくるもの、ないしは後者は社会に貢献が期待されているものというニュアンスがある。そこには、科学的営為は無垢で、技術的
行為は企業や利害ないしは利潤に絡み、なにか汚れたものがある(=それゆえ倫理的なものが敢えて強調される)という二分法があると、アンドリュー・ロス
(Andrew Ross, 2005[2011:524])は指摘している。
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