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ジャレッド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』学習チェックリスト(上)

基 準テキスト:草思社文庫、倉骨彰訳、上下巻、草思社、2012年

池田光穂

このページは「進化生物学からみた医療人類学:2016」の授業用のチェックリストです。このページは(上)です。(下)はこちらです。

■日本語版への序文
□ 東アジア・太平洋地域から見た人類史というタイトル 3
□ 「逆転の人類史」という書評に首肯している 4

■プロローグ:ヤリの問いかけ
□ 問いかけの本質→2つの生活様式にみられる不均衡の説明 25
□ ダイアモンドへの反論α:帝国主義的支配を正当化する? 29
□ ダイアモンドへの反論β:現状肯定だ 30
□ ダイアモンドへの反論γ:採集狩猟民のステレオタイプを助長する 31
□ 人種という優劣は幻想である 32
□ 「日本やその他のおおくの国々では、人種差別的な説明がいまだ何の言い訳もされないまま、まかりとおっていたりする」33
□ 「こうした社会では、頭のいい人間のほうが頭のよくない人間よりも、それらの死因からのがれやすかったといえる」36 ——これは安易な「逆レイシズ ム」なのではないか?
□ トインビーという呪縛?! 42
□ さまざまな学問の折衷主義でいこう! 45-
□ ひとりの著者でおこなうことの意義 47
□ 「人間はどこまでチンパンジーか」 49
□ 直接要因、究極要因 51(→153)
□ 病原菌の進化と食糧生産の開始とのむすびつき 52-53
□ 人類史にはそれを特徴づける大きなパターンが存在する 57

■第1章 1万3千年前のスタートライン
□人類の進化 62
□「最古といわれたX」というレトリック 64
□ 人類の拡散の図 65
□ クロマニヨン(書籍の内容とは関係ないが)フランス語よみにすると「クロマニョン」、英語読みだと「クロマグノン」、面白過ぎっ! 68
« Homme de Cro-Magnon » désigne initialement un fossile d'homme préhistorique découvert dans le site de l'abri de Cro-Magnon aux Eyzies-de-Tayac (Dordogne, France), lieu auquel il doit son nom (cros veut dire creux en occitan).
□ 大型動物の絶滅 75 
□ over-kill hypothesis  75
□ クローヴィス時代のこと 79
□ ブラジル、ペドロ・フラダの洞窟のナゾ 85

■第2章 平和の民と戦う民の分かれ道 95-
□ マオリとモリオリ 95-
□ ポリネシア社会の多様性の理由 図 99
□ ポリネシア初の家畜はなし 108
□ 人口密度と首長制の関係 115

■第3章 スペイン人とインカ帝国の激突 121-
□ ピサロとアタワルパの邂逅 121-
□ 結論のまとめがためになる 147-

■第4章 食料生産と征服戦争
□ ダイアモンドのモンタナでの経験談(ブラックフットとの出会い) 150-
□ 直接要因、究極要因 153
□ 馬の家畜化と征服戦争 159
□ 病原菌と征服戦争 161-

■第5章 持てるものと持たざるものの歴史 164-
□ haves - have nots 164-
□ 168の6行目は、「窒素」は炭素の誤り?
□ 食料生産が誕生した地域の図 175
□ 栽培化された動植物のリスト 177
□ 食料生産の変化と社会構造の「進化」のチェイン・リアクション 183

■第6章 農耕を始めた人と始めなかった人
□ 始原あふるる世界の人(狩猟採集民=サーリンズの用語)の労働時間的な「ゆとり」 186-187
□ 狩猟採集と農耕は、選択の問題ではないし、また、あれかこれかの問題でもない 188
□ 農耕をはじめた後も狩猟活動はつづく 192 (→ダイアモンドは分業の問題を論じているか?)
□ 農耕民の狩猟民への嫌悪、狩猟民の農耕民への軽蔑、牧畜民のエスノセントリズム 194
□ 農耕を放棄して狩猟にもどり、さらに農耕に復帰することもある 196
□ 食糧増産への5つの要因:1/5:動植物の確保が難しくなる 197
□ 食糧増産への5つの要因:2/5:飼育しやすい野生種の登場 198
□ 食糧増産への5つの要因:3/5:貯蔵のノウハウの発明 198-199
□ 食糧増産への5つの要因:4/5:人口増加がさらに食料増産のドライブに 199-200
□ 食糧増産への5つの要因:5/5:狩猟民の農耕民テリトリー周辺からの(生物学的?)放逐 201-202

■第7章 毒のないアーモンドのつくり方 204-
□ 排泄と育種改良 207-
□ 種無し化や、特殊な用途化への淘汰圧 214-
□ 突然変異の人工的管理=育種学は現在の遺伝子改変とどう違う? 218-(ダイアモンドの問いではなく、読者の問い)
□ 古代食料生産地の栽培植物 228-229
□ 旧世界と新世界の栽培パターンの差異には、家畜の媒介がおおきくからむ 230
□ ドングリ(オーク)はなぜ栽培されなかったか? 233
□ ダーウィン『種の起源』の第1章の意味 235-236

■第8章 リンゴのせいか、インディアンのせいか
□ 栽培化の地域差 239-
□ 肥沃三日月地帯における食料生産(に拘るダイアモンド) 245
□ 穀類・豆類の重要性 247
□ 8種の起源作物を言えるか? 251
□ 地中海性気候の意味 253
□ 肥沃三日月地帯では狩猟採集と農耕の対立が対比的ではないというダイアモンドの説明はよろしいか? 258-259
□ 野生動植物に関する知識と有用性の説明は、レヴィ=ストロース「野生の思考」のテーゼと抵触か? 262
□ ニューギニアの(栽培植物に関する)3つの問題 272-274
□ 食料生産と狩猟採集の関係 281-
□ リンゴは、ユーラシアで最後に栽培された果樹であることを君は説明できるか? 287

■第9章 なぜシマウマは家畜にならないのか?
□ アンナ・カレーニナの原則:「家畜化された動物はどれも似たりよったりだが、家畜化できない動物はそれぞれに家畜化できていないものである」=成功の 要因には共通点が多いが、失敗の要因には多様な理由がある 289
□ 「幸福な家庭はどれも似たり寄ったりだが、不幸な家庭はそれぞれに不幸なのだ(英訳:Happy families are all alike; every unhappy family is unhappy in its own way.)」
□ 我々は成功の原因をひとつにしぼって説明することを好むが、実際には、失敗の原因の要素を回避してはじめて成功しているのだ! 290
□ 一番最初は「犬」 291
□ 由緒ある家畜とメジャーな五畜 293
□ 由緒ある14種 295
□ 家畜化率(成功した種の配分) 299
□ 家畜化できた時期から利用がはじまる 302
□ ペットの問題 303-
□ 家畜化のクロノロジー 307
□ 家畜化プロセスの重複化:牛と犬 308
□ 家畜化されなかった6つの理由 311-
□ 家畜化されなかった6つの理由:1)餌、2)成長速度、3)繁殖、4)気性、5)パニックになりやすさ/難さ、序列性のある集団を形成しない/する性 質 311-321
□ 「招かれる人は多いが、選ばれる人はすくない」マタイ 22:11 325

■第10章 大地の広がる方向と住民の運命
□ 大陸の広がりにおける緯度と経度には大きな性質の違いがある。それは日照時間 326-
□ 食料生産の伝播速度 328-
□ 東西方向は、南北方向の、1.5〜5倍の速度のひらき 330
□ プリエンプティブ・ドメスティケーション(preemptive domestication)preemptive=先買い:先に家畜化している動物を導入したほうが、容易に手に入る野生種を、わざわざ家畜化するより もてっとり早い(=時間と労力のコストを節約できる)231-232
□ 西南アジアからの食料生産のひろがり 336-
□ 作物の伝播が南北よりも東西が優れている理由 343、350
□ 土器文様と作物がセットになって伝播したのか? 344
□ 技術・発明の伝播 352-

■第11章 家畜がくれた死の贈り物
□ ヤリへの説明の究極要因は、農作物や技術の伝播速度の大陸差によるもの 358
□ 進化の産物としての病原菌 363-
□ 症状は病原菌の策略 367-
□ 流行病とそのサイクル 371-
□ 人口密度 374-
□ 人獣感染症 378-
□ 病原菌の適応/進化のレベルの深化:1)野生動物や家畜が日和見的に感染する、2)動物由来のものが人間どうしで感染するようになったもので終焉が容 易なもの、3)動物由来だったものが人間どうしで感染するようになったもので終焉が困難なもの、4)人間のみに感染をくりかえすもの 380-384
□ 新大陸に蔓延した旧大陸由来の病気 386-
□ 新大陸が病気の蔓延に「うぶ」(=ナイーブ)だった理由 390-

このチェックリストのpdfは→ Check-list_Diamond_GGS1997_Ch01-11.pdf です。(パスワー ドはありません)

リンク

文献


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