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ジャレッド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』学習チェックリスト(下)

基 準テキスト:草思社文庫、倉骨彰訳、上下巻、草思社、2012年

池田光穂

このページは「進化生物学からみた医療人類学:2016」の授業用のチェックリストです。(上)はこちらです

(半角数字は、下巻のページ数)

■第12章 文字をつくった人と借りた人
□文字の発明と使用における特徴的な3つの手法についてのべてみよう 17
□文字の発明における視覚と発音の対応がなぜに重要なのか考えよ 22
□発音・表記・表音におけるマヤ文字の特徴はどのようなものだろうか 28
□実体の模倣、アイディアの模倣の具体的な意味とは? 30
□アイディアの模倣として考えられる文字使用をひとつ述べてみよう 37-
□イースター島の文字は不明なことが多い、インターネット等でこの文字のことを調べてみよう 42-43
□文字を使えることは、文明にどのような影響を与えたのか? 49
□食糧生産と文字の使用についてジャレッド・ダイアモンドの見解は? 51-55

■第13章 発明は必要の母である
□ファイストスの円盤とはなにか? 56-
□必要は発明の母の事例と、発明は必要の母の事例をあげてみよう 61-65
□発明受容の4つの要因について説明してみよう 71-74
□技術の受容に、その社会の平均寿命がどのように影響するのだろうか 75
□技術の受容に関する5つの社会経済的要因 75-76
□技術の受容に関する4つのイデオロギー的要因 76-77 (上3つで10の要因 77)
□技術の受容に関する革新性や保守性を「どの大陸にあるかで決める」ことはナンセンスだとダイアモンド先生は言う。どうしてか? 78-83
□技術の伝播(でんぱ)とはなにか? 84-
□いったん受け入れた技術の放棄が地理的要因で決まるとはどのようなことか? 89
□技術の「自己触媒的発達」とはどのようなことか? 92-
□人類史における技術の発明に関してダイアモンド先生は、2つのことを指摘している(1.言語能力と脳、2.定住生活)。そのことを上手に君は説明できる か? 96-

■第14章 平等な社会から集権的な社会へ
□ファユ族のひとたちは、なぜ外部の人たちに怖れられるのか? 103-
□バンド、トライブ、チーフダム、ステートの区分ができるか?(band, tribe, chiefdom, and state) 107,109
□バンド(小規模血縁集団)とはなにか? 107-
□トライブ(部族社会)とはなにか? 111-
□チーフダム(首長社会)とはなにか? 117-
□国家の誕生についてその先行形態をジャレド・ダイアモンドはどのように考えるのか? 126-
□奴隷制度とはなにか? 129-
□共同体のために死ぬということを、ダイアモンド先生は「バンドやトライブの人びと」が持つとは想像しにくいとのべている。その理由はなにか? 133
□国家をもつのは人間にとって当然の姿であると主張したアリストテレスの考え方をダイアモンドは誤りと主張している。(ダイアモンドが主張する)アリスト テレスの誤りの理由とはなにか? 135-
□ルソーは、どのような条件が育てば国家がなりたつと考えたか? またその主張は「〜説」と呼ばれるのか? 135-
□食糧生産によって、人類社会にどのようなメリットをもたらしたのか? 3つ述べよ 139-140
□人類集団の集権化の4つの理由について説明せよ 141-144
□軍事的征服はなぜ起こるのか? 説明せよ 145-154
□戦争によって社会が併合されるようになったのは、この1万3千年ぐらいだという(151)。それはなぜか? 151

Four types of Society according with their subsitences, From  Jared Diamond, "Guns, Germs and Steel," 2005: 268-269. These four types of society are orinated from Elman Rogers Service's, Primitive Social Organization, 1962.


■第15章 オーストラリアとニューギニアのミステリー
□オーストラリアのほうが西欧よりもはやく進歩していた。それなのになぜ後者が前者を「征服」したのか? 160-162
□有史以前のニューギニアとオーストラリアの違いとはなにか? 164- (→トレス海峡の意味 192-)
□ニューギニア高地での食糧生産について述べよ 171-175
□なぜ、ニューギニアで、金属・文字・国家を彼らは持たなかったのか? 175-
□オーストラリア・アボリジニの生活様式について述べよ 180-
□オーストラリアにおける「地理的孤立における後退」とはなにか? 187-
□トレス海峡という地理的特色について述べてみよう 192-
□ヨーロッパ人はなぜニューギニアに定着できなかったのか? 199-
□白人はなぜオーストラリアに入植できたのか? 204-
□白人入植者がもちこんだ「最終産物」とはなにか? 207-208

■第16章 中国はいかにして中国になったのか?
□(教科書外の復習)サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」論における中国の位置についてのべよ。
□「人種のるつぼ」状態という人口多数の国家の中で、中国の例外的存在とはなにか? 211-
□ジャレド・ダイアモンドの議論は、中国における近代国家成立以降の少数民族弾圧や虐殺に関してほとんど意図的「無視」をしているようだ。そのような叙述 上の特徴をあげて、彼の議論における「近代中国」を論じることの限界を書きなさい。 212-213
□中国の言語的な「南方への拡散」をまとめてみよう。 214-
□中国の食糧生産は、なぜ複数の地域で同時におこった可能性があるのか。考えてみよう。 222-
□日本人(=日本語言語使用者)がなぜ不便で扱いにくい(=学習に膨大な時間がかかる)中国の起源の漢字を放棄しないのはなぜか? みんなで考えてみよう (ダイアモンドは正答を示していません) 230

■第17章 太平洋に広がっていった人びと
□オーストロネシア人はインドネシア島嶼部を占領できたのに、なぜニューギニアでは沿岸部にしか住み着けなかったのか? 237-
□オーストロネシア語の4つのファミリーはどのような分布になっているのか? 239の図17-1 を参照。(241-242)
□ダブル・アウトリガー・カヌーとはなにか? 246
□オーストロネシア人の拡散について 247の図17-2
□オーストロネシア語の祖語の推定からオーストロネシア人の由来は「意外」なところにあるようだ。その地域は? 247の図17-2、および248-
□ニューギニア人とオーストロネシア人はどのように違うのか? 254-258
□ラピタ式土器とはどのようなものか? インターネットでも調べてみよう 259-
□オーストロネシア人の拡散は、インドネシアやフィリピンでは成功した(=先住民を滅ぼしたり、置き換わったりした)のに、なぜニューギニアではそれが成 功しなかったのか?264-
□人間の移動、定着における気候的要因は、どのようなタイムスパンで有効に機能するのか? 270

■第18章 旧世界と新世界の遭遇
□アメリカ先住民の食料生産はどのようなものだったか? 272-
□ユーラシアとアメリカの食料生産を比較して、新太陸の生産が遅れていることをジャレド・ダイアモンドは説明する(276-277)が、これはアルフレッ ド・クロスビーの「コロンブス交換」理論や、それをうけて、世界の食料生産に大いに貢献したチャールズ・C・マンの主張や論証(『1493』紀伊國屋書 店,2016年)とは、大きく様変わりしているように思われる。この差異について、説明しなさい——これは復習の課題です。
□家畜飼育と人々の免疫形成に関するダイアモンドの主張を詳しく説明しなさい。 277-279
□ユーラシアとアメリカにおける政治機構の差異について説明しなさい。 282-284
□ダイアモンド先生がいう「地理的分断」とはなにか? 290-304
□旧大陸の住民と新大陸の住民の遭遇がどのような影響を及ぼしたのか、説明しなさい。 304-314

■第19章 アフリカはいかにして黒人の世界になったか
□アフリカ大陸の言語的分布について、図19-2(327)をみながら説明できるか?
□ジョセフ・グリーンバーグの歴史言語学(330)の手法はどのようなものか? 説明してみよう。——テキスト外の復習課題。
□アフリカにおける食料生産について説明してみよう。 334-346
□バンツー民族の拡散とはなにか? 349-357

Map of the African continent with its current borders showing the distribution of African language families and some major African languages,  http://bit.ly/1sxlGFX

■エピローグ 科学としての人類史
□ヤリの冒頭(プロローグ)での問いかけはなんだったか? 思い出してみよう! 365-
□全地球的環境の格差の説明に、ジャレド・ダイアモンドは次の4つの要因を考えることを、私たちに促す。1.栽培化や家畜化の候補になる動植物種の分布状 況の違い、2.伝播や拡散の速度を異ならしめた要因(緯度と経度、陸地の形態や地理的障壁)、3.伝播に影響を与えたものの違い、4.大陸や総人口の違 い。
□ジャレド・ダイアモンドは、このような説明を「環境決定論」であると批判に対して、お門違いだと弁明している。その内容について述べてみよ。 371
□「人類史を歴史科学として研究すること」というダイヤモンドの野心は、この著作で証明されたか? 読者として満足した点とそうでない点について感想をの べてみよう。 372
□中国に対して、ヨーロッパが有利にたった点について、ダイヤモンドの主張をまとめてみよう。373-389
□ダイヤモンドが考えている(想定している)「文化」とはなにか? 抽出して、文化人類学の「文化概念」とどのように似ているのか、違うのかを明らかにし てください。 389-392
□現在では、科学者の「伝記」や「自伝」は読者に人間像や生き方を示す読み物としての機能しかないが、かつては「偉人伝」というジャンルがあり、人々の興 味を大いに引いたといわれる。そのような天才や偉人についての、言説をつくりあげた人に、トーマス・カーライル(393)という人がいる。19世紀のヨー ロッパや(日本を含めた)先進国の人たちに、このような「歴史をつくった人々」伝記はどのような影響を与えたのか? また、ダイヤモンドは19世紀から 20世紀の前半にかけて大きな影響を与えた、天才や偉人についての考えかたに冷ややかな視点をもっている(394)が、それは彼の主張とどのように関連し ているのか? 考察してみよう。
□ダイヤモンドがいう「科学としての人類史」における「科学」とはいったいどのような意味なのか? 整理してみよう 395-

このページに掲げたチェックリストのpdf(下:第 12章からエピローグまで)は→Check-list_Diamond_GGS1997_Ch12 -epi.pdfです。(パスワー ドはありません)

別のページに掲げたチェックリストのpdf(上:プ ロローグから第11章まで)は→ Check-list_Diamond_GGS1997_Ch01-11.pdf です。(パスワー ドはありません)

文献


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