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道徳と法の物理学

Emile Durkheim's

池田光穂

エミール・デュルケームは1896 -1899年に「道徳と法の物理学(社会学講義)(Leçons de sociologie : physique des mœurs et du droit )」をボルドー大学で講義している。

デュルケーム

David Émile Durkheim, 1858-1917

それ は、1870年の普仏戦争に成立したフランスの第三共和政(〜1940年)の体制を用語すべく、自らの社会学理論と現実の社会との対話の実践であったとも いえるものである。

La physique des mœurs et du droit a pour objet l'étude des faits moraux et juridiques. Ces faits consistent en des règles de conduite sanctionnée.(「道徳(mœurs)と法(droit)の物理学は、道徳倫理(moraux)と司法(juridiques)の研究を目的=対象とする。これらの事実は、制裁によって規制された行為の規則からなる(=構成される)」)ではじ まる、この授業は、市民社会における法や道徳がどのように確立したのか、とりわけ、個人というものが啓蒙主義社会のなかでどのように出来がっていったのか についての、良好な道しるべとなっている。フランスのデュルケームや、ドイツのジンメルによれば、我々が社会生活において重要視されている個人の生活を護 ること、個人の人格を尊重することなどは、啓蒙や近代の産業社会なかで鍛えられて成立したものだという。言うまでもなく、労働者の人権の確立には、それに 先行する労働者の過酷な差別や、産業資本主義の初期には女と子供もそれに巻き込まれていたものが、次第に、成人男性=労働者という身分が与えられるように なるとという現象がみられる。マルクスとエンゲルスが明らかにしたように、このような近代における「個人」(労働者ないしは成人男性)の尊重は、産業社会 が同時に個人である労働者の労働の「搾取」と同時に生まれた現象であるのだ。

授業 の形式は、第1講 職業道徳からはじまり第18講でおわる。これを4つの部分にわけて解説する。

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