ルイス・イェルムスレウの言語学
Louis Hjelmslev (1899-1965)
池田光穂
glossematics:言理学(げんりがく) 「言語素論ともいう。 L.イェルムスレウの提唱した言語理論。言語の実質ではなく,純粋な形式を数学的に扱うことが言語学の課題であるとする。言語には表現 expressionの面と内容 contentの面があり,そのそれぞれに実質 substanceと形式 formがあるが,言理学は両者の formのみを扱うことになる」(→出典:言理学)
1899年 コペンハーゲン生まれ。
1916 ソシュール「一般言語学講義」
ニールス・ボーアの量子力学。当時の言語学者たち: ラスムス・ラスク、ヴィルヘルム・トムセン、オットー・イェスペルセン、ビゴ・ブレンダール
影響を与えた論理学者:ルドルフ・カルナップ、アル フレト・タルスキなど。
1920年代の言語学は、いまだ比較文法学
1920 コペンハーゲン大学でスラブ語の言及に専 念。比較言語学者ホルガー・ペデルセンに入門。
1923 父ヨハネス『自然幾何学』出版。父同様に ウィトゲンシュタインとヒルベルトとの対話を出版。
1924 『文法の哲学』を出版
1926-1927 パリでアントワーヌ・メイエの 授業を受ける。
1926 プラハ言語学研究会の創設(→「プラハ言語学派」)
1928 ハーグで第1回国際言語学者会議開催。プ
ラハ学派「構造機能言語学」プログラムを提唱。
1929 Principes de grammaire générale. Copenhague: Bianco Lunos Bogtrykkeri. (1929).
1931 コペンハーゲン学派をつくる (Cercle linguistique de Copenhague)自ら会長になり、終生会長の地位にとどまる。
1931 ジュネーブで第2回国際言語学者会議開催
1932 バルト語派の研究『バルト諸語研究(仏 文)』で博士号(ウィキペディア日本語による情報)
1934 オーフス大学に就職(〜1937年)。コ ペンハーゲン言語学研究会、言理学の下位委員会を創設。
1934 カルナップ「言語の論理的統語論」を出 版。
1935 アルフレト・タルスキ『論理学研究』を出 版。
1935 『格の範疇:一般文法研究』
1936 英国ダニエル・ジョーンズ「英語音声学概 説」出版。
1936 コペンハーゲンで第4回国際言語学者会議 開催
1937 ペデルセンの後任としてコペンハーゲン比 較言語学教授になる。
1939-1945 イエルムスレウ、ヤコブソン、
バンヴェニスト、マルチネらと文通。
1943 Omkring sprogteoriens grundlæggelse. København: Ejnar Munskgaard. (1943). 「言語理論の確立をめぐって」
1950年代より認知症の症状が出る(1961年最 後の論文)
1957 ロラン・バルト「神話作用」(→共示とメ
タ言語)
1959 Essais linguistiques. Travaux du cercle linguistique de Copenhague. XII. København: Nordisk Sprog- og Kulturforlag. (1959).
1964 バルト「記号学の原理」
1965 5月30日イェルムスレウ死去(65歳)
1966 グレマス「構造意味論」(フランスにおけ
るイェルムスレウ理論の普及に大いに貢献)
1967 バルト「モードの体系」;デリダ「グラマ トロジーについて」でソシュールとイエルムスレウの著作に言及し、彼らの言語学批判をおこなう。
1973 Essais linguistiques II. Travaux du cercle linguistique de Copenhague. XIV. København: Nordisk Sprog- og Kulturforlag. (1973).
1975 Résumé of a Theory
of Language. Travaux du cercle linguistique de Copenhague. XVI.
København: Nordisk Sprog- og Kulturforlag. (1975).
セミル・バディル『イェルムスレウ:ソシュールの最 大の後継者』町田健訳、大修館書店、2007年の章立て
用語集
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文献
その他の情報
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