かならずよんで ね!

人新世

Anthropocene

池田光穂

人新世とは「人為的な気候変動に限らず、地球の地質 や生態系に人類が大き な影響を及ぼし始めた時期から始まる地質学的なエポックの提案である。2022年2月現在、国際層序委員会(ICS)も国際地質科学連合(IUGS)も、 この用語を地質学的時間の区分として公式に承認しているわけではない。しかしながら、この地質時代区分は、第二次世界大戦後に社会経済や地球システムのト レンドが飛躍的に増加した「大加速」の 開始時期や「原子時代(the Atomic Age)」と重なる。人新世の開始時期については、12,000~15,000年前の農業革命の始まりから1960年代まで、様々なものが提唱されてい る。しかし、1950年代の原爆実験による放射性核種の降下量のピークを、人新世の始まりとする説が有力で、1945年の最初の原爆の爆発、あるいは 1963年の部分的核実験禁止条約が制定された頃とされている」出典)。

もし、人新世(Plantationocene.html)という概念が、グローバル・スタディーズに影響をうけつつ登場したとすれば、「プ ランテーション新世(Plantationocene)」は、それに似ていながら、その概念の政治的中立性というカモフラージュを払拭し、地球全体の人類の苦境を表現する対抗的な概念で あることがわかるだろう。

プランテーション新世(Plantationocene)は、「人新世」に代わる用語として「人新世の起源 を近世のアメリカ大陸 における植民地主義の始まりとし、プランテーションの歴史に注目することで、その背後にある暴力的な歴史を浮き彫りにした」かたちで提示された。プランテーション新世(Plantationocene)とは「スペインとポルトガルの植 民者が、1,500年代までに、大西洋諸島で100年前に開発したプランテーションのモデルをアメリカ大陸に輸入し始めたことからはじまる(→「生態学的帝国主義」)。これらのプランテーションのモ デ ルは、移住による強制労働(奴隷制)、集約的な土地利用、グローバル化した商業、絶え間ない人種的暴力に基づくもので、これらすべてが世界中の人間および 人類以外の生物の生活を一変させた。現在および過去のプランテーションは、植民地主義、資本主義、人種差別の歴史と、気温上昇、海水面の上昇、有害物質、 土地の処 分などに対して他の人間よりもリスクが大きい環境問題を切り離すことができないという」点で重要なのである(出典)。

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