1.ホエールウオッチングの七不思議
(1)どうして日本でホエール・ウォッチングが流行るのか?
(2)どうして西洋開発国でホエールウォッチングに人気があるのか?
(3)どうしてかつて捕鯨に従事していた人が、ホエール・ウォッチングをはじめるのか?
クジラに関する知識やノウハウをもっている?
(4)クジラおたくは、どうしていろいろなクジラをみたくなって世界を駆けめぐるのか?
(5)どうして、反捕鯨の人たちが、お節介なことにクジラをみて喜ぶという習慣を世界中に広めようとするのか?
(6)クジラウォッチャーは、意外と辛抱強くなく、クジラがいなくなると、そこにはどとまらずに家へ帰ってしまうのだろうか?
(7)どうして、クジラウオッチャーは、自然保護と研究と趣味を上手にリンクして、それを楽しみに変えてしまうのだろうか?、彼らは魔法の使い手か?
(番外)どうしてIWC加盟国にホエールウォッチングが普及しているいっぽうで、非加盟国には人気が少ない、あるいは知られることが少ないのはなぜか?、本当は反対のような気がするのになぜだろう?
【註】
(1)1995年度熊本日々新聞主催の夏の読後感想文コンクールの小学4・5年の課題書は中村庸夫(なかむら・つねお)『クジラはなぜ歌う』旺文社、1990年。中村庸夫(1949~)は(株)ボルボックスを経営する。
(2)「西欧の動物に対する取り扱い方は、その動物に好ましい性質をあてはめるかどうかによって大きく影響される。例えば、一九六〇年代に登場したイルカの行動に関する多くの非科学的な論文が、たしかに「われわれがやっと克服し始めた宗教的狂信に近い」(Prescot
1981:131)誤った考えを広める結果となった。」(フリーマン編『くじらの文化人類学』p.142)
(3)日本におけるホーエル・ウォッチングの急成長は、西洋のウォッチング推進者にとっての驚きであった。世界屈指の捕鯨国であり、また調査捕鯨を通して頑なに捕鯨を続けているという日本に対するステレオタイプにとってあまりにも対照的な出来事だったからである。しかし、沿岸捕鯨の民族誌的な調査(フリーマン編『くじらの文化人類学』)が明らかにした象徴的食物としての鯨肉や鯨供養などによって、肉の消費と動物に対する親しみが相反するものではないことを示している。
(6)ニュージーランドにおける経験によると、海上の天候不良などによってホエール・ウォッチングが中止になると、そのまま別の観光地にでかけるものが多いという。報告書は、観光客の歩留まりをするための施設やイベントなどを推奨している。(→『ホエール・ウォッチング読本』参照)
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