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単一民族国家

Monoracial state; Monoethnic state

池田光穂

単一民族国家(た んいつみんぞくこっか)とは、ある国家において、特定の民族のみで滞在人口の95%以上(国家内の他民族比率が累計5%未満)を占めている国。滞在人口の 中で、最多民族以外の他民族らの合計が5%以上を占める国は「多民族国家(多人種・多文化国家)」に区分される[1][2][3]; 単一民族性(Monoethnicity) とは、ある地域や国に単一の民族グループが存在することである。多民族の反対である。

☆ 小熊英二『単一民族神話の起源:〈日本人〉の自画像の系譜』新曜社、1995年

「大 日本帝国時代から戦後にかけて,「日本人」の支配的な自画像といわれる単一民族神話が,いつ,どのように発生したか。民族の純血意識,均質な国民国家志 向,異民族への差別や排斥など,民族というアイデンティティをめぐる膨大な言説の系譜と分析」(https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b456299.html)。

単一民族神話の起源 : 「日本人」の自画像の系譜 / 小熊英二著, 東京 : 新曜社 , 1995
目次
 序章
 問いの設定/「単一民族神話」の定義/社会学と歴史学
第一部 「開国」の思想  

第1章 日本民族論の発生―モース・シーボルト・小野梓ほか     
欧米人学者の日本民族論/日本の人類学と欧米人学者への反発/ナショナリズムの二つのかたち
  
第2章 内地雑居論争―田口卯吉・井上哲次郎     
モデルとしてのアメリカ合衆国/海外進出は不可能/「日本国民の同化力」  

第3章 国体論とキリスト教―穂積八束・加藤弘之・内村鑑三・高山樗牛ほか     
国体論の隆盛/キリスト教系知識人の反論/同化政策か純血維持か/追いつめられる国体論  

第4章 人類学者たち―坪井正五郎ほか     
純血論への批判/世界への進出  

第5章 日鮮同祖論―久米邦武・竹越与三郎・山路愛山・徳富蘇峰・大隈重信ほか     
天皇家朝鮮渡来説/「島国根性」と「南種北種」/「故郷」への進出
  
第6章 日韓併合     
新聞での論調/主要雑誌の論調/国体論者の転向

第二部 「帝国」の思想  

第7章 「差別解消」の歴史学―喜田貞吉     
被差別者への共感/差別解消としての同化/「四方の海は皆同胞である」
  
第8章 国体論への再編成―国体論者の民族論     
国体論の混乱/混合民族論のとりこみ/「養子」としての異民族/「開かれた血族団体」  

第9章 民族自決と境界―鳥居龍三・北一輝・国定教科書ほか     
民族自決論の中和/鳥居龍蔵の日本民族起源論/教科書の変遷/「朝鮮人の名を前部日本名に変ずべし」  
第10章 日本民族白人説―ギリシア起源説・ユダヤ起源説ほか      
「落胤」としての日本民族/あるボランティア  

第11章 「血の帰一」―高群逸枝      
詩人から古代史へ/母系性と異民族同化/「世界の家族化」

第三部 「島国」の思想  

第12章 島国民俗学の誕生―柳田国男  
    
先住異民族としての「山人」/「山国」から「島国」へ/国民統合としての民俗学/「有りもせぬ全体」
第13章 皇民化対優生学―朝鮮総督府・日本民族衛生協会・厚生研究所ほか      
純血な島国/皇民化政策を支える混合民族論/厚生省と優生学系勢力/純血と総動員の矛盾/単一民族人類説の台頭/「混血ニ対スル処置ヲ講ズベシ」  

第14章 記紀神話の蘇生―白鳥庫吉・津田左右吉      
大陸の分裂・島国の団結/記紀は史実ではない/単一民族の記紀解釈/権力支配としての中国/権力無き天皇国家  

第15章 「血」から「風土」へ―和辻哲郎      
北種と南種の総合/自然児の世界/複合的な単一風土/国境をこえない天皇制  

第16章 帝国の崩壊―大川周明・津田裁判ほか      
戦時期の混合民族論/純血論の台頭/ダブルバインド状態  

第17章 神話の定着―象徴天皇制論・明石原人説ほか      
農業民の世界/国民統合の象徴/明石原人説/単一民族論に傾く戦後歴史学/受容されなかった騎馬民族渡来説/忘却された混合民族論

結論  
社会学における同化主義と人種主義/「日本人」概念について/近接地域・同人種内の接触/家族制度の反映/保守系論者の単一民族論批判/神話からの脱却

あとがき

https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b456299.html







★1986 年9月に中曽根康弘(当時)首相の、合衆国のマルチ・レイシャルな劣等性とモノレイシャルな日本の優越性を発言する

「中 曽根康弘 - 1986年9月24日、首相在任中、いわゆる知的水準発言の謝罪会見の際に「アメリカは多民族国家だから教育が容易でなく、黒人、プエルトリコ、メキシカ ンなどの知的水準がまだ高くない、日本は単一民族国家だから教育が行き届いている」という趣旨の教育に関する発言を行った」日本語ウィキペディア「単一民族国家」)

単一民族国家(た んいつみんぞくこっか)とは、ある国家において、特定の民族のみで滞在人口の95%以上(国家内の他民族比率が累計5%未満)を占めている国。滞在人口の 中で、最多民族以外の他民族らの合計が5%以上を占める国は「多民族国家(多人種・多文化国家)」に区分される[1][2][3]。

区分基準・単一民族国家の例
移民や難民の流入がある時代のため、国内に居住する全ての人間が全て一民族だけという意味での単一民族国家は世界に存在しないものの、OECDなどは、同 一民族の割合だけで全人口の95%以上を占める国家は、単一民族国家に区分している[1][2]。

各国の事情
日本
かつては、九州の隼人や東北以北のエミシ、各地の土蜘蛛などが存在した。エミシは9世紀までに現在の岩手県まで征服されたが、その後全てのエミシが許され て東北に帰還した。9世紀には秋田のエミシが大規模な反乱を起こすなど古代においてエミシは滅んでいない。エミシは鎌倉時代の初めにおいてもしばしば登場 し、和人と異なる民族意識は中世未だ継続した。しかし和人化が進み、歴史書にも登場しなくなり現在に至る。アイヌが存在した北海道周辺も和人に征服され る。

大日本帝国時代は、アイヌに加えて朝鮮民族や台湾漢民族、台湾先住民族、南方諸民族等が住んでいた多民族国家であった。そのため日本人観は混合民族説が主 流であり、日漢同祖論、日朝同祖論などで併合を正当化した。敗戦により日本列島に領土が限定されたことで「日本人」の定義は「われわれが祖先以来この同じ 国土に住み、同じ日本語を語り、同じ運命をしのいで来た文化的倫理的協同体をいう」とする単一民族説が強くなった[4]。

第二次大戦後は和人、大和民族として自己を定義する者が日本の人口の大多数を占める。戦後に日本に移住してきたニューカマーの外国人も日本国内に相当数居 住しているが、外国人が日本の人口に占める割合は2019年ではわずか2.24%である[5]。ただしこの統計はあくまで「外国籍の日本住民」であり、日 本国籍を取得した帰化日本人や、いわゆるハーフ・クォーターの統計は公表されていない。

国民全体からすると極めて少数(北海道に23,000人程度、全人口の0.018%とされる)ではあるが現在も北海道にはアイヌが存在する(現在アイヌは 北海道だけでなく首都圏などにも多く移住しているが、北海道以外の統計はない)。

また、人種差別撤廃委員会は、かつての琉球王国が存在した沖縄県を中心とした琉球民族として先住民認定し、権利を保護すべきであるなどと主張を始めている [6][7]。ただし、日本政府はその主張を一切認めていない。国会では、「中国による民族分断工作」という批判もされている[8]。

「一民族、一国家、一言語の日本」などの類の発言は政界や言論界で、保守的な論客から時折語られ、騒動となることがある。日本国を単一民族と述べた著名人 は、以下のとおりである。

■中曽根康弘 - 1986年9月24日、首相在任中、いわゆる知的水準発言の謝罪会見の際に「アメリカは多民族国家だから教育が容易でなく、黒人、プエルトリコ、メキシカ ンなどの知的水準がまだ高くない、日本は単一民族国家だから教育が行き届いている」という趣旨の教育に関する発言を行った[9]。
■山崎拓 - 1995年、衆議院議員在任中、「一民族、一国家、一言語の日本の国のあり方がこれほどの国力を作り上げた。日本人が日本人を思いやる気持ちが阪神大震災 の救済にも現われている」と発言。
■鈴木宗男 - 2001年7月2日、衆議院議員在任中、東京有楽町の日本外国特派員協会での講演にて、「(日本は)一国家、一言語、一民族といっていい。北海道にはアイ ヌ民族がおりますが、今はまったく同化されておりますから」と発言[10]。北海道ウタリ協会の吉田昇理事から「情けない。アイヌを一番知るはずの地元の 鈴木代議士が正気で発言したとは思えない。中曽根康弘首相の単一民族発言から15年たつのに、相変わらずの認識だ」との反撥を受けた[11]。
■平沼赳夫 - 2001年7月2日、経済産業大臣在任中、札幌市内で開かれた自民党中川義雄参院議員のセミナーにて「小さな国土に、1億2600万人のレベルの高い単一 民族できちんとしまっている国。日本が世界に冠たるもの」と発言[10][リンク切れ]。
■鳥居泰彦 - 2003年2月13日、慶應義塾学事顧問・中央教育審議会会長在任中、衆議院憲法調査会の「基本的人権の保障に関する調査小委員会」の会議に参考人として 出席した際、「日本が犯罪率が低いのは単一民族の国だからだ」という趣旨の発言をおこなう[要出典]。
■麻生太郎 - 2005年10月15日、総務大臣在任中、福岡県太宰府市の九州国立博物館開館記念式典の来賓祝辞で「一文化、一文明、一民族、一言語の国は日本のほかに はない」「今は(世界各地で)人種、地域、宗教でいろんな争いが起きている。日本は一国家、一文明、一文化圏で、そういう国はあまりない」と発言 [12]。また2020年にも福岡県直方市で行われた国政報告会において「2000年の長きにわたって一つの国で、一つの場所で、一つの言葉で、一つの民 族、一つの天皇という王朝、126代の長きにわたって一つの王朝が続いているなんていう国はここしかありません」と発言している[13]。
■伊吹文明 - 2007年2月25日、文部科学大臣在任中、長崎県長与町で開かれた自民党長与支部大会での講演にて「大和民族がずっと日本の国を統治してきたのは歴史的 に間違いのない事実。極めて同質的な国」「悠久の歴史の中で、日本は日本人がずっと治めてきた」と発言[14]。
■中山成彬 - 2008年9月25日、国土交通大臣在任中、共同通信社など報道各社とのインタビューで「日本は随分内向きな、単一民族といいますかね、あんまり世界と (交流が)ないので内向きになりがち」と発言[15][リンク切れ]。この発言が与野党からの非難を受けた[16][リンク切れ]。
都道府県独立国家論も参照。

国民国家
多民族国家-OECDなどによるとある国家において、滞在人口の5%以上が最多民族以外の他民族が占めた国家のこと[1][2][3]。
領土問題
日本人論
単一国家・連邦国家

単一民族 国家





★ 英語ウィキペディアの「単一民族国家」の対応項目が単一民族性(Monoethnicity)であ る

Monoethnicity is the existence of a single ethnic group in a given region or country. It is the opposite of polyethnicity.

An example of a largely monoethnic country is Japan. It is a common belief in Japan that the entire country is monoethnic, but a few ethnic minorities live in Japan (e.g. Koreans, Ainus, and Ryukyuans).[1] They represent around 1% of the whole population.[2]

South Korea is another monoethnic country. There are small ethnic minorities that exist in South Korea, where they account for around 1% of the South Korean population. These include around 650,000 Chinese immigrants.[3]

Most African countries have what would be considered a mono-racial society, but it is common to find dozens of ethnic groups within the same country.

The Yugoslav Wars are noted as having made Yugoslavia's successor states "de facto and de jure monoethnic nation-states",[4] with Bosnia and Herzegovina further diving itself into mono-ethnic enclaves.[5]
単一民族性とは、ある地域や国に単一の民族グループが存在することであ る。多民族の反対である。

大部分が単一民族の国の例は日本である。日本では、国全体が単一民族であるというのが通説であるが、少数民族(例えば、韓国人、アイヌ人、琉球人)が日本 に住んでいる。

韓国も単一民族国家である。韓国には小規模な少数民族が存在し、韓国人口の約1%を占めている。その中には、約65万人の中国人移民が含まれている [3]。

ほとんどのアフリカ諸国は単一民族社会と考えられるが、同じ国の中に数十の民族グループが存在するのが普通である。

ユーゴスラビア戦争は、ユーゴスラビアの後継国家を「事実上および事実上の単一民族国家」にしたと指摘されており[4]、ボスニア・ヘルツェゴビナはさら に単一民族の飛び地に飛び込んでいる[5]。
Ethnic cleansing
Ethnic nationalism
Ethnocracy
Homogeneous
Titular nation
民族浄化
民族ナショナリズム
エスノクラシー
同質的
称号国家
https://en.wikipedia.org/wiki/Monoethnicity

★ 国民の中における単一民族性の高い国家のリスト(これは国籍と本人のナショナルアイデンティティの合致)

[16] The World Factbook, Central Intelligence Agency, CIA

★ 小熊英二による「単一民族神話」とは?

歴 史家の小熊英二は、「日本は、単一民族からなる国である」 という言説が、事実でもないにもかかわらず常識化して誰も疑うことのない状態を、「単一民族神話」と呼ぶ。これは、日本社会が多様な民族や社会的カースト からなる多様な民族成層からなる事実を無視するという意味で根も葉もない空想すなわち(ロラン・バルト流の)「神話」という意味をもたせると同時に、「外 国人嫌悪・異邦人嫌悪・ゼノフォビック」を正当化した り、排斥や差別の際に使われる用語なので、これも、事実というべきよりも「そう(排斥)すべき」という意味での(イデオロギーの)「神話」でもある。

小 熊(1995:7)によると、「単一民族神話」は、次の2タイプある。

1) 国家の現状認識としての「神話」:「日本国家は同一の言語・文化をもつ日本民族(レイス:引用者)のみから成立している」

2) 民族の歴史認識としての「神話」:「日本列島には太古から、単一純粋な血統(人種的:引用者)をもつ日本民族だけが生活してきた」

出 典:https://en.wikipedia.org/wiki/Monoethnicity

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